朝日杯FSを制して2歳チャンプの栄光に輝いてから1年1ヶ月、ダノンプラチナが古馬となってシーズンを迎える。クラシックでの敗戦、休み明けの重賞で古馬を撃破、海外G1(香港マイル)への挑戦と波乱万丈の3歳シーズンを終え、国枝栄調教師からは同馬の新たな兆候を聞くことができた。始動戦である東京新聞杯の馬体面にはとりわけ注目しておきたい。

不完全燃焼だった香港マイル

-:東京新聞杯(G3)に出走するダノンプラチナ(牡4、美浦・国枝厩舎)についてお伺いします。まず前走の香港マイルを振り返っていただけますか。

国枝栄調教師:状態としてはすごく良かったと思うし、向こうに行ってからの調子も良かったです。モーリスとエイブルフレンドと強い馬が2頭いるけど、ひょっとしたらどちらかは負かせるのではないかと思っていました。ただ、レースに行ったらゲートでガタついて出遅れ、その後モーリスが向正面でエイブルフレンドを押圧したときの影響で位置取りが悪くなってしまいました。結局それが尾を引いて、直線も入れるスペースがなく、脚を余して負けたという感じで。不完全燃焼のレースで残念でした。

-:レース後の馬の状態はどうでしたか?

国:特に何も問題なく日本に帰って、1週間の着地検疫も終えました。帰国後緒戦は東京コースでは富士Sを勝っているし、先を見て、もう一つくらい賞金を重ねようと思って、東京新聞杯にいくことにしました。この後について未定は未定なのですが、やはりマイル路線で行こうと思います。選択肢としては、日本であれば安田記念がありますし、香港にはチャンピオンズマイルがあるので、そこも検討材料ですね。国内であれ、国外であれ、マイル路線で行きます。

ダノンプラチナ

▲昨年、香港・シャティン競馬場で調教を行うダノンプラチナ


心身の成長を見せつけたい東京新聞杯

-:トレセンに帰厩してからの状態はいかがですか?

国:状態は特に問題はないのですが、もともと細いというか、薄い印象のある体だったのがここのところ丸くなってきていて、今度は逆に立派で心配かなと思います。昨年の夏に北海道から帰ってきたときは、本当は京成杯AHを使おうと思っていたところを、あまりにも体ができてこなくて富士Sまで待ったのですが、今度は逆に馬が立派過ぎるというような感じはしますね。それがどうなのかと聞かれるとわからないですが、力をつけているのかな、という感じもなくはないですね。

-:蹄はもう問題ないですか?

国:問題ないのですが、時々熱を持ったり、あれって時はあるので安心はできないですね。蹄はケアをしていてもなかなか治らないので。香港に行ったときにそういうことが一つも起こらなかったのが奇跡的ですね。だからこそもっといい競馬ができたらとは思いました。

ダノンプラチナ

▲ウッドコースで一週前追い切りを行った


-:プールやウッドチップコースで調整をされていますが、どういった狙いで調整されているのでしょう。

国:ある程度は動ける体にはしないと、と思っているので、心肺機能を作るためですね。1週前追い切りはウッドチップコースでやったのですが、ちょっと気持ちは高ぶっているので、単走でサッとやる程度にしました。動きは悪くないと思います。

-:当週はどのように調整される予定でしょうか。

国:水曜日にウッドで追い切ることになると思います。

-:東京マイルは3戦3勝の適条件だとは思うのですが、今回に向けて何か課題などはありますか?

国:特に課題らしい課題はないですね。今年の緒戦なので、成長しているところを見せられたらという気持ちではあります。