オークスにも駒を進めるなど、早くから頭角を現していたマキシマムドパリ。今季はその素質が完全に開花した様子で、3戦して重賞2勝と上げ潮ムードに乗っている。G1馬も名を連ねる今回は、一連よりも相手強化の印象だが、充実ぶりでどんな競馬をみせてくれるのか。その手応えを陣営が語ってくれた。

目指すは前走の再現!持ち味活かして粘り込みを

-:クイーンステークス(G3)に挑むマキシマムドパリ(牝5、栗東・松元茂厩舎)について、まず、前走のマーメイドSを振り返っていただきたいと思います。早めの競馬にはなったと思いますが、早目早目に踏んでいきながら後続の追撃を許さなかったですね。

吉田貴昭調教助手:ええ、抑え込んでくれましたね。やっぱり力があるのでしょうね。状態も良かったですからね。正直、相手関係にも恵まれているかなという思いもあったのですが、ハンデも背負っていましたから。そこは評価して良いんじゃないかと思います。

マキシマムドパリ

▲デビューからの付き合いとなるマキシマムドパリと吉田助手

-:今回状態面という点では、クラブでも発表されていたようにフレグモーネがあったとのこと。ただ、今日(7/19)といい、普通に調教は出来ていますよね。

吉:今日もジョッキーに乗ってもらいましたが「反応も良かったし、息遣いなんかも良い」と言うから、大丈夫かと思っています。フレグモーネもすぐに治まってくれましたし、痛みもそんなになかったよう。そもそも厩舎に入ってすぐだったことが助かりましたね。調教が進んでいってからではどうしようもないのでね。

-:ピッチが上がっていない段階だったということですね。今までのレースを観させていただくと、速い馬場でも走っていますし、馬場が重くなりやすい中京でも勝っていますね。

吉:どんな馬場でも対応してくれているのかなと。高速の速い決着の馬場でも走っているし、実際に去年は洋芝でも勝っている。愛知杯もけっこうタフな馬場になりましたから。

-:しかも、インがなぜか伸びなくて、外から1頭だけ全然違う脚色だったという。秋華賞などはメチャクチャ速い馬場だったですからね。その中で適性を考えると、オールマイティさがあるということでしょうか?

吉:立ち回りの上手さというか、器用でどんな競馬にも対応できるところが強みなのかなと。

マキシマムドパリ

-:ただ、脚質的には後方からの競馬になる場合もあるのですが、基本的にはある程度前走のようなパターンがベストでしょうか?

吉:前走のような方が良さは活きるのかなと思いますけどね。長く脚を使うような方が。スッと切れるタイプじゃないのでね。そういう意味では、洋芝は合っているのかと。

-:洋芝ですが、小回りで、しかも開幕週となれば。

吉:そうですね。イメージ的には、また前走みたいな感じの競馬になるのかなと。

-:芦毛で見た目だけでも十分目立つ存在。普段のキャラクターはどんなタイプですか?

吉:気が良くて、こっちで滞在していたら大人しくなるのかと思ったら、調教の時でもけっこう気持ちを前面に押し出しているというか。向こうの時はオットリしていますが、意外と言えば意外だなと。でも、競馬の時はけっこううるさいんですよね(笑)。パドックでも周回を重ねてきたら、ドンドン気合が入ってくる。ただ、ゲート裏に行くと、もう大人しくなっているんです。返し馬で出すまではちょっとカッカなるのが、いざ出してしまったら大人しくキャンターしますしね。

-:パドック派からしたら難しい存在。返し馬、発走前まで観なくてはいけない。

吉:ハハハ、そうですね(笑)。返し馬に行った瞬間に、アレっと思うかと。

マキシマムドパリ

-:それはジョッキーの評価というか、そういうコメントをされているということでしょうか?

吉:乗り役さんにはうるさいイメージはないと思いますね。実際に跨って、そこまでの間ってけっこうどんな馬でも煩くなるじゃないですか。僕らからしたら、パドックの感じとのギャップがあるから、スイッチが入ってきたなみたいな感じではありますね。

-:マキシマムドパリとの付き合いはデビューの頃からということですね。

吉:新馬で来た時からやらせてもらいました。本当に最初は牝馬、牝馬していましたよ。当時と比べたら、精神的な落ち着きが全然違いますね。厩舎周りの運動なども、けっこううるさくてしんどい感じでしたから。

-:朝の追い切り後、厩舎周りを周回しているところをずっと見させてもらっていたのですが、落ち着いていますね。

吉:ええ、落ち着いています。今は栗東でもこんな雰囲気ですが、こっちでは角馬場でちょっと気合が入り過ぎているというか……。

-:マキシマムドパリなりのバランスがあるのでしょうか。

吉:そうかもしれませんね。そこで吐き出しているだと思うんですよね。

今季充実のワケとは&久々の長距離輸送はどうなる?
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