真の能力を証明したいグランデッツァ
2012/5/27(日)
平田修調教師
-:皐月賞は5着なんですけれど、予想外に負けたなというイメージが強かったのですが、先生はご覧になってどのような印象でしたか?
平田修調教師:うーん、そうですね。スプリングSの時に道悪であるとか、中山の出張競馬とかを克服してくれたから、まあ雨が降ったって別に大丈夫かなって思っていたし。僕にとってもちょっとあの競馬は予想外でしたね。ただ、上がってきてミルコに聞くと、前回の中山の馬場とは全く違うって。前は重で今回やや重だったのですが、それでも全然滑るような馬場で。それでもう「ノメってノメって走りにくそうだった」って言っていましたね。札幌とかで道悪を経験した時に秋山も「パンパンの良馬場がいいですね」って言ってたことがありましたからね。それをまあ、あまりにもスプリングの時にキレイに克服したものだから。本質的なものはやっぱり良馬場が良いのかなって感じじゃないですか。そういう状態で大外枠を引いて、ある程度前に行けたら問題ないと思っていた部分もあるのだけど、それが馬場状態の悪化で行けなかったってことが最大の敗因でしょうね。
-:先生以外にもスプリングSを見たファンはどっちかと言ったらもう、これは重の鬼だと思ったと思うんです。僕もそう思っていましたし、馬場が悪くなったら外のほうが比較的芝が良いので…。
平:ああいう展開になるのは予想できたのですが、ただ、その最後尾の振り回される位置にいるっていうのは予想外だったなぁ。
-:レースが終わって帰ってきて、だいぶ馬も疲れたと思います。ああいう馬場を走った後というのは。その後の状態を教えてください。
平:僕もそう思ったのですが案外ダメージは少なくて、もう元気でどこも傷んでることはなくて。その後はちょっと楽をさせたんですけどね。それでもそこから至って順調に来ています。
-:今のところ馬体重はどのくらいでしょう?
平:1週前で500キロ越えてますよ、もう。
-:前走からは競馬を使った時に減ってる分を考えてもプラス20ぐらいでしょうか?
平:20キロ以上増えています。
-:そういう状況での1週前追い切りだったのですが、3頭併せで追い切られて、CWで。動きはどうだったのか教えてください。
平:良かったですよ。申し分ない、いつものグランデッツァの動きだったと思いますけどね。
-:CWを昨日乗った人の話を聞いたらチップを入れ替えているのか若干重いというか…。
平:そんなことは全然感じさせないような動きでしたし、いい時計でしたよ。80は切って来ましたからね。
-:79秒8の終い12秒6くらいですか。では、皐月賞で負けたダメージは無くて、良い状態でダービーに挑めそうと?
平:そのつもりではいますけどね。
-:あと、やってみなければわからないのですが、この馬の距離適性とういうのはどのあたりにあるのでしょうか。
平:まぁでも2400は長いってことは無いと思いますけどね。
-:どの馬にとってもそんなに2400得意の馬っていうのがこの時期にいる訳はないですから。
平:まあ、いますよ(笑)。ワールドエースとかゴールドシップなんか持って来いなんじゃないの?引っ掛からなかったら。
-:その上位2頭に迫りたいですね。
平:そうですね。
-:輸送で今回もまた同じくらい減ると思っていたらいいですか。
平:やってみないとわかりません。まあ、東京ですから。中山より短いから。前回は中3週と考えたら、仕方が無いのかなっていう気がしないでもありません。
-:今回のほうがゆったりしたローテーションということで。
平:そうですね。
-:ダービーに限らず府中のG1といったらパドックに馬主さんが入って、やっぱりいつもよりイレ込む馬が出てきて、それで消耗してしまうパターンもあると思うのですが、グランデッツァの場合はどうですか?
平:府中に限らず大丈夫。そんなことで動揺するような馬ではありません。
-:では、日本ダービーに挑む意気込みを聞かせてください。
平:ダービーですから中途半端な状態で出したくないというのがひとつと、皐月賞で1番人気になりながら、敗因はあったとはいえ5着に敗れたということもありますから。馬場の良い府中、紛れが出にくい競馬場でどれだけやれるのか、どれだけの能力をグランデッツァは持っているのかというものを証明できたらなと思います。そういう部分を証明しに行くつもりでやっています。
-:皐月賞が滑ってあの位置取りになったとしたら、ダービーは中団ぐらいに置きたいですね。
平:競馬は水物ですから。やってみなけりゃわかりませんので、あとは謙一に任せます。
-:良馬場で見直してみたいですね。
平:そうですな。やはり良馬場でこその馬ではないかなとは思っています。後は晴れてくれるのを願うのみですね。
(取材・写真)高橋章夫
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■最近の主な重賞勝利 |
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競馬学校の厩務員過程を卒業し、調教助手となった内藤繁春厩舎ではダイユウサクを担当。以降、森・橋口・石坂という名門厩舎を経て、栗東で厩舎開業。翌年にはベッラレイアでフローラSを制し、牝馬クラシック戦線を賑わせる。本年3歳世代ではグランデッツァとカレンブラックヒルという個性的な実力馬がスタンバイ。悲願であるGⅠ制覇に向け、自ずと力が入る。社台系にも精通しており、これから益々目が離せない厩舎のひとつ。 |