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第2章

-:ジャスタウェイの種付けに対する意欲や上手さはいかがですか?

三:一般的じゃないですか。熱くなり過ぎず、かと言って反応の悪い馬でもなく、上手さもある。(父の)ハーツクライが情熱的というか、牝馬に対して“オスだぞ!”という雰囲気で行くのですが、ジャスタウェイはそこまではないですね。

-:産駒も今年から誕生しましたが、産駒の馬体の傾向はいかがでしょうか?

三:やっぱり線がジャスタウェイらしい背中のラインで独特なところがあったり、長めの背中やお尻の発達具合、キレイな飛節のラインは特徴ですね。私の少ない経験からの勝手な妄想ですが、いかにも東京のマイルや2000で、鋭く最後方から差し切りそうな雰囲気ですよ。いうなれば、ハーツクライよりもっと切れそう、瞬発力がありそうな雰囲気はしますね。脚の使い方は長く良い脚というより、スパンといけるイメージでしょうか。

馬産地でも評判が良くて、自信を持ってセレクトセールに出す人が多かったですよね。程よく繁殖牝馬の特性も出しつつあるイメージなので、僕からすると、ジャスタウェイっぽいのですが、繁殖牝馬側のスタッフや生産牧場さん側からすると「お母さんの感じも出ているね」と言ってくれるのでね。だから、ちょうど相まって良いのかと思います。

-:答えにくい質問かもしれませんが、受胎率はどれくらいなのですか?

三:受胎率はだいぶ良いと思いますよ。ウチは悪い馬がそういないので、上位3~4頭がいたとしたら、その次くらいに良いと思いますよ。一般的に受胎率が良いと言われるレベルですね。

ジャスタウェイ

-:話題が重複する部分もあるかも知れませんが、父ハーツクライの産駒とジャスタウェイの産駒の似たところ、違ったところはありますか?

三:ちょっと脚を開いて歩くところなどは特に似ている気はしますね。全体的にはハーツクライの方がもっとシナリが大きいというか柔軟性があって、幾らか緩いとも判断されるようなところがあります。ジャスタウェイはそれをキュッとネジで締めたようなところがありますね。母父がワイルドアゲインで、さらにアメリカ屈指の名牝であった祖母の血統の影響も出ていると思うのですが、その要素が父のハーツクライと程よく相まって切れ味が身上というタイプだと思います。個人的な妄想をもとに考えると、もしかすると、ジャスタウェイ産駒はもっと仕上がりは早そうです。というのも、骨格の締まりが早そうな気がするので、ハーツクライ産駒以上に2歳戦から走ってきたら良いと思っていますけどね。 それに、ハーツクライとは多少配合パターンが違うのではないかという気も少ししています。もちろん親子なので同じお母さんを付けてもかなり走るのは走ると思いますが、適性は若干違う気がしますね。

-:その配合ですが、ハーツクライにとって初の後継種牡馬です。どのような血統背景の牝馬に対して種付けが多いですか?

三:ハーツクライと相性が良かった馬は当然付けていますし、世界を制した馬なので、そういうレベルに付ける繁殖牝馬が来ていますね。まだ子供の成長を見ていないので、傾向を見つつ判断するのはまだ先だと思います。

結局、配合というのは、伸ばして縮めての繰り返し、または幅を出しては、また薄くしたりという繰り返しなのかな?と感じることが多々あります。ハーツクライの場合は、早い時期から走っているパターンは短い距離のお母さんを付けたりしているケースが多いように感じます。ジャスタウェイもお母さんは仕上がり早なアメリカの血統で、そういう成功パターンはあるかもしれません。アメリカンな血統というか、筋肉質だったり、硬質感のある繁殖牝馬、(距離適性が)短めの牝馬などと配合すると、割と活躍の時期が早くなったりしている印象です。ダービー、オークスを勝ったワンアンドオンリーとヌーヴォレコルトもそういう血統背景があると思います。


「やっぱり切れじゃないですか。普段はすごくおとなしくしているのに、何かあると突発的にスイッチが入って立ち上がったりして主張が激しくなるようなところもあるので、それは大事な要素かなと思いますね。だから、切れに繋がるのだと思います」


ハーツクライ産駒は素晴らしい成長力がある一方、若いうちは緩めというか、良い意味で関節に遊びが多い馬が多いと思うんですよ。それで、“ちょっと先にネジを締めておこうよ”という配合がおそらくハマって、ジャスタウェイはそうなった馬だと思うので、動きを見ているとハーツクライよりも、そんなに甘さや緩さは少ない馬だと思います。逆にちょっと手先が不器用だったり硬かったりということもあると思うので、“逆配合”でヨーロッパのキレイな体のラインの、しなやかなで体の使い方が大きいような、緩くも取れるような牝馬と相性が良い場合もあるのではないかと、未熟な感覚ではありますが…考えています。

-:母系がアメリカ血統ですが、産駒からダート適性は見えますか?

三:どうですかねぇ。ハーツクライもけっこうダートで走りますから、そういう馬が出てもおかしくないと思いますが、そういうことを狙って配合することがまずないので。基本的にジャスタウェイを付ける理由というのは、やっぱり“終い33秒台で上がる馬をつくりたい”という意図が多いと思うので、配合的になかなか生まれ辛いと思いますね。一杯いる中で、当然出てくるとは思いますが、狙ってはいないと思うので。

-:再来年?デビュー組の現時点で評判の高そうな産駒は耳に入っていませんか?

三:セレクトセールに出てきたような馬はみな評判で良いと思いますし、それこそ日高の牧場さんからセレクトに出てきた馬も評判が良くかなり良い馬ばかりでしたね。どの馬がどうというのではなく、アベレージが高いのではないかと。といってもセリの時期はまだ離乳していない当歳馬なので、私なんかが素質を適格に判断できる時期ではないですが。どの種牡馬も応援しているのですが、僕は個人的にもジャスタウェイを応援しているので、余計に良く見えてしまうというのがありますね。

-:他の種牡馬と比べて、ジャスタウェイのセールスポイントはどこですか?

三:やっぱり切れじゃないですか。何となく動いていても切れそうだなと。それに、性格も良いと思いますよ。普段はすごくおとなしくしているのに、何かあると突発的にスイッチが入って立ち上がったりして主張が激しくなるようなところもあるので、それは大事な要素かなと思いますね。だから、切れに繋がるのだと思います。

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