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海外競馬を模にしたクラブシステムに

-:ダビスタでジョッキーになったという方の話も耳にしたことはありますが、馬主さんを誕生させるキッカケにもなったということですね。

タ:そうです(笑)。そして、将来的には牧場も持って、種馬もいて、というのが夢の生活なのかなと。5歳の時からそういうことばっかり考えているので。

-:そう思ってちゃんと実現するのですから、正に有言実行です。

タ:ただ、クラブというのは自分の中でも意外で、もちろん考えていなかったんですよね。でも、最終的には本当に好きな馬が買えるようになって、それが種馬になったり、お母さんになったりするような牧場もあって、朝起きたら馬が鳴いているというのが、今回で一歩近づいたのかなと。個人馬主でやっていた時は、多い時は40頭くらいいましたので、そんなに買うくらいだったら、牧場を買った方が早いんじゃないかなど色々考えたのですが、やっぱり馬も欲しくなるので。今回のことで、さらに多くの馬と関われて、希望が大きくなっていったらという願いはあります。最終的には牧場に住んで、朝起きたら、その辺に馬がいるという生活にいずれなれたら最高だなと。

マイケル・タバートオーナー

▲オーナーズのパンフレットを手に(取材日時点で2頭が満口に)

-:余談ではありますが、最近は日本競馬とオーストラリア競馬との距離は少しずつ近くなっているのかと思います。その点はタバートさんも実感されているのではないでしょうか?

タ:そうですね。僕もそれに貢献出来れば良いなという思いもあって、いつもオーストラリアの関係者が来ると色々と連れていったり、紹介したりもします。直接お金をもらって仕事としてやっている訳ではないですが、上手いこと日本の馬がオーストラリアに行ったりだとか、オーストラリアの馬がこっちに来たりすれば良いなと思っています。僕は国際競馬が好きなので、日本の馬がこうやって色々海外に行ったりするのは素晴らしいと思うし、僕も実際、シドニーが立ち上がって、国際的なレースをやろうと言った時に、日本の馬を連れていってあげたいと思い、ハナズゴールと行きました。その流れがあって、次の年から社台&ノーザングループが行って。シドニーの競馬場にいま行ったら、僕はすごいVIP扱いですよ(笑)。あれだけ日本にあのレースを紹介したと歓迎されるので、僕が行くことはないので、代わりに親がいつもVIP待遇で、馬主みたいな顔で行っています(笑)。でも、ちょっと親孝行出来たなという。日本とオーストラリアの距離が近くなればなるほど、すごく嬉しいなと思いますね。

-:不勉強で申し訳ないのですが、オーストラリアでは、クラブの馬主さんというのはないのですか?

タ:メチャクチャありますよ。どちらかと言うと、今回やろうとしていることも、語弊はありますし、言い方には気をつけなくてはいけませんが、海外っぽいです。それはオーナーズだけでなく、クラブでも同じ方針でやろうと思っています。会費や手数料は、海外なら出資しないと思います。日本の場合はそのシステムしかないので、みんな納得して買っていると思うのですが、僕なら海外をベースに考えると、ちょっと理解に苦しみますね。今回も「本当に会費を取らないでどうしてやっていけるの?」と聞かれるけど、もともと値段をみんなが納得する形で、良い馬を探してきて出しているので、それで大丈夫なわけです。みんなに「値段に上乗せているんだ?」と言われるけど、それはどこもそうでしょう。

「要は、馬を売って、あとは全て管理をしていくだけですから。管理するコストまでお客さんに負担させるというのは、多分(海外では)そういうところはないんじゃないかと思いますね」


だから、最近走っている海外の馬でもそうですよ。オーストラリアは特にそう。何億円の賞金のレースだったりすると、会員さんの分配金は全て開示させられるんですよね。どれくらいの利益を取って出していたか、というのをね。だから、ある意味それを真似ているところはあるので、こっちもレントゲンも全て出す。要は本当に透明性を持ちたいと。一旦、この値段で納得していただいたら、後はそれだけです、というのは海外に近いかもしれない。そこは日本の方にもそういう選択肢があっても良いのかなという思いはずっとあったのです。こっちだったら値段さえ納得してくれると、経済的には一番良いクラブだと思うので、後は走るかどうかは分からないですが、もし、売れなかったら僕が持たなきゃいけないので、基本的に売れなくて自分が持っていても楽しめる馬を選んできたので、売れなくても、という思いです。売れたら会員さんがいっぱい喜んでくれて、楽しんでくれるので、あまり悪いことはないなと思ってやり出したんですけどね。僕は会費までいただくのはちょっと恐縮ですね……。

-:海外のクラブのシステムを取り入れたということですね。

タ:そうですね。要は、馬を売って、あとは全て管理をしていくだけですから。管理するコストまでお客さんに負担させるというのは、多分(海外では)そういうところはないんじゃないかと思いますね。

-:今回クラブを始めるにあたって、個人馬主の資格はなくなった訳ですね。それに対しての躊躇はなかったですか?

タ:またやりたいと思えば、なれば良いでしょう。個人としては、それくらいの覚悟でやりたいなというのがあって、さっき言った通り、売れなかったら自分の馬になるので、そこはあんまり変わらないのかなと思っているんですけどね。勝負服はそのままにするのですが、クラブの馬は全部これ(個人馬主の時と同様)になって、オーナーズは代表馬主が違う方になるので、クラブとは似た形で、袖のところだけ線をなくしているので白くなるんですよ。そもそも地方競馬だと「マイケル・タバ」になったり、JRAの場合は英語になったりだとか(笑)、みんなバラバラなので、何でも良いのかなと。自分の名前が出るというのはそんなに関心はないので、個人馬主と同じような条件をクリアしてクラブ法人になっているので、ずっとクラブ法人で良いのかなと。

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