更新滞ってすみません。というわけで久しぶりの更新です。もう2週間程前になりますが、期待していたオツウベルラップもなんとも残念な結果になり、ここで敗因を分析したり、コメントをしたりするのが憂鬱になったので、とりあえず放置してみました。とまあそんなこんなで心の整理がついたので、今回は『敗因』がテーマです。

 はっきり言って競馬というのは勝つのは一頭、極まれに同着なんてこともありますが、勝ち馬以外はすべて負けです。その度に騎手の方、そして調教師の方はコメントを残します。勝った時は勝った喜びや勝因を、負けた時はその敗因を述べなければなりません。力を発揮しぎりぎりで負けた場合はそれなりにコメントはしやすいでしょう。しかし、本来あるはずの力をまったく発揮せずに負けた場合でも、それに対してなんらかの敗因を述べなければならないのです。

 大変な仕事だと思います。必ず何かコメントしなければならないのですから。たまに「わからない」というコメントも見かけますが、毎回毎回こんなコメントをしていたら調教師の方も騎手の方も瞬く間に信用を失い仕事がなくなってしまいます。それから「自分が悪い。あそこでこう乗っていなければ……」「調整ミスです……責任は私にあります」などと自ら責任を認める場合もあります。一見潔い感じもしますが、これ受け取りようによっては「どうしてくれるんだ!じゃあお前が責任とれよ」というような流れにもなりかねません。
逆に自分は悪くない誰々のせいだ、とか言ってる人には馬だけでなく社会常識として仕事を任せたいとは思いませんよね。つまり、一体何が言いたいのかというと、レース後のコメントというのは、とても難しいということです。例えわからなかったり自分の責任だと思ったとしても、誰かに責任を押し付けることなく言葉を選んで、何かしらそれっぽいことを言わなければならないのです(と僕は思っています)。

 馬主の場合(というか僕の場合は須貝先生しか知りませんけど)レースが終わると電話が掛かってきます。まず最初に足元その他、異常があるかないか。そのレースの振り返りとコメント、でもって今後どうしていくかを、なんとなく話し合う感じです。といっても僕がどうこうというよりは、須貝先生が次どうするみたいなことを言ってくるだけなのですけどね。
こういう感じのレースでこんな感じで負けたので次は放牧とか、距離をどうしてみる、そんなようなことですね。そういう作業を他の全ての馬主さんに対してやっているわけですから大変です。僕のような弱小馬主の場合は別ですが、他の馬主さんが相手の場合うかつなことを言うわけにはいきませんので、やはりちゃんとしたことを言わねばなりません。しかも相手は馬の持ち主であるわけで、馬をけなすわけにもいきません。非常にデリケートな仕事だと思います。


 他、一口馬主をやっている皆さんでも経験があると思いますが、騎手がこう言っていたから次は距離をかえてみる。みたいな時があります。いわゆる騎手の“進言”という奴です。これも負けた時のコメントでよくあるパターンですよね。距離が長すぎた短すぎた。この馬は芝は向いていないなど。馬の背中を知っているからこそ言えるコメントだと世の中的には認識されています。
僕らのような素人にはあずかり知らない領域があるのでしょうが、これってどこまで鵜呑みにしていいものなんでしょうかね?こういうコメントって敗因を述べる時の常とう手段のような気がしませんか?何故なら誰も傷つかないですから。
「この馬にはこういう馬場は向いていないのかもしれないね」「この馬にとってこの距離は少し忙しいかもね」基本的にこういったコメントは、負けた時の敗因を分析した結果出てくるコメント、つまりは言わないといけないから言っているコメントなので、あまり真に受けてしまうのは危険な気がします。

 ハーツクライは追い込み馬、ジャスタウェイは良馬場専用でマイラー。勿論馬が成長したからこそハーツクライは先行できて、ジャスタウェイは重馬場でも勝て、ジャパンカップでも連対しているのでしょうが、結局のところ適性なんてものは、誰にもわからないんじゃないのでしょうか?騎手の人が馬に一回またがったからって、その馬の全てがわかってしまうというのもつまらないですし。

 本当に競馬は難しいです。ローテーションについても競馬場の選択、距離、その他もろもろ。頭うちの馬に対して何もしないのは、ただの怠慢ですけど、無責任な言葉に振り回されて、右往左往するのも馬にとっても迷惑なような気がします。

 結局のところ今回僕が何を言いたかったのかというと、競馬に絶対はないので、人の話は話半分で聞いておけということですかね?あ、僕の言葉も含めてね(笑)。