(美浦)黒岩陽一厩舎

昨年はミュゼエイリアンで毎日杯を制した黒岩陽一調教師。着実に厩舎の実績も伸ばしており、現2歳世代からも活躍馬が誕生なるか、注目が集まる。

取材の中で真っ先に名が挙がったのは、クラックコードの2014(牡2、父フレンチデピュティ)だ。叔母は阪神JFで2着のシークレットコードという良血で師も「体が立派ですし、大きい割には素軽さもあって、大物感があると思います」と期待を寄せている。パワー寄りの父の産駒でもあるが「体はしっかりしていますが、柔らかさがあるので、必ずしもダート、とは考えていないですね」と芝での活躍をイメージしている。上のきょうだい達がすべて8月デビューということもあり、早期デビューの期待も膨らむが、「(デビューの)予定としては新潟か、それ以降の中距離戦ですかね。まだ厩舎にも入っていませんし、いつ入るかも未定なので……」と具体的なデビューの知らせはまだ先になりそうだ。

黒岩陽一調教師

▲トレセンでも管理馬のチェックに余念のない様子をみせていた黒岩師


ブラックドーン(牡2、父クロフネ×母ブリガドーン)に対する師の評価も高い。母は現役時代に京成杯で3着、フローラSで3着と活躍した。「クロフネ産駒ですが、馬体のラインが綺麗ですし、重苦しさもないですね」と素軽さを窺わせるが、「ノビのある馬体をしているので、ダート一辺倒の馬って感じでもないですね。距離の融通も効きそうです」とマルチな活躍が期待できそうだ。前述のクラックコードの2014同様、北海道に滞在しており、デビューは晩夏から秋口を予定。

早期デビューでは、トワイライトライフ(牝2、父ゴールドアリュール×母ラプターセイハート)が7/2(土)の福島ダート1150mでデビュー。「素軽い走りで気性も前向き。牝馬で仕上がりも早いタイプなので、新馬戦から期待できそうですね」と早い段階での活躍にも期待がかかる。ただし、「ダートの走りに関しては芯がまだ入っていない感じなので、これから力をつけていけたらと思います」と長い目で見守りたいところだ。

ウォンビーロングの2014(牝2、父ルーラーシップ)は今年からの新種牡馬ルーラーシップが父。同産駒は全体的にしっかりした体付きの馬が多い印象があるが、「どちらかと言うとお母さんに似ていますね。特にルーラーシップという感じもないですよね」とのこと。ただ「お母さんも中身が充実した馬体なので楽しみですよね。この子は足先も軽いので楽しみです」と期待を口にした。

「2歳だからといって特別な訳ではなく、すべての世代に共通して気をつけていることがあります。調教であったり、競馬そのもので嫌な思いをしないように、というのはありますね。ある程度、馬体も気持ちも少しフレッシュな状態が理想なんです」と育成理論を明かしてくれた若きトレーナー。ただし、単に馬を甘やかすというわけではない。他の厩舎よりも調教量は多いことでも知られている。「ウチは調教をしっかり積みます。なぜなら、フレッシュすぎて体力がないのに競馬に行っても、辛いだけで帰ってきちゃうのでね。疲れであるとか、嫌気がない状態でデビューできるよう慎重に判断しています」とそのノウハウの秘訣も語ってくれた。

平成になってから最年少となる30歳で調教師試験に合格した調教師界のホープ。厩舎を背負う存在が再び現れる日も、そう遠くない未来のことだろう。