今週の3歳戦はフローラSがメイン。2戦2勝のホウオウパフュームがどんなレースを見せてくれるのか楽しみである。こちらはいつものように、手が届きにくいメインレース(フローラS)以外の3歳戦の情報をお伝えする。

まずは土曜日の京都から。

オルファン
未勝利芝1600m戦では、オルフェーヴル、ドリームジャーニーの全弟オルファンが待望のデビューを迎える。

「デビューが遅れて条件的には楽ではないが、これだけの血統。どんな走りを見せてくれるか」と池江師。1週前のCW調教は67秒台で、上がりは12秒半ば。クィーンチャームに少差遅れたが、これは追走したもので心配あるまい。時計は水準のものが出ており、レースへ向けて更なる変わり身を見込みたい。

同じレースに予定のサトノホルスは、昨夏にデビューし2,3,3着。いつでも勝てそうな雰囲気だったが、4戦目で6着に敗れるとダートへ。すると使う毎に内容を落としていったため、再度芝に戻してきた。近走成績から人気は落ちそうだが、逆に馬券的な狙い目は今回だろう。

昨秋の新潟の新馬戦で1番人気を裏切り6着に敗れたフィップルは、新馬戦以来の出走。阪神開催で復帰予定も、きれいな馬場で走らせたいと京都まで待った形だ。久々だけに、更に乗り込めたことはプラスになる。

ムーンシュトラール
未勝利・芝1800m戦では、ダービー馬エイシンフラッシュの全弟ムーンシュトラールがデビュー。3月後半にはCWで5F64秒台の速い時計を出しており、初戦から行ける態勢だ。

同じレースには、リアルスティール、プロディガルサンの全妹カデナダムールも予定。これが2戦目となる。まだ非力なイメージなので、京都に変わることで前走以上の競馬を期待できる。

牝馬限定未勝利ダート1800m戦では、GⅠ2勝のラインクラフト、重賞ウイナーのアドマイヤロイヤルの姪になるマジックルーラーがデビュー。「徐々に気持ちが入って動けるようになっている。血統的に芝も試してみたいが、まずはダートから」と池添学師。1週前調教は地味な動き。残り1週でどこまで変わるか。

オープンの橘Sは、ニュージーランドTで6分の1の除外に入ってしまったディバインコードが、こちらに回って来た。先に行ける脚があるので、開幕週の京都も有利に働くはず。終いが甘いので勝てるかは微妙だが、連対の確率は高い。

続いて土曜日の東京。新緑賞ではレジェンドセラーが巻き返しを期す。オープンの芙蓉Sの2着などデビューから5戦続けて3着以内と安定した成績を残してきたが、ダートの前走は大敗し、さすがに芝に戻してきた。切れ味はないもののバテずにジワジワ伸びるので、長距離戦は合う。

福島では、未勝利ダート1200m戦のダークプリンセスが戸崎騎手を確保して初勝利を狙う。

前走戸崎騎手が騎乗したグラスハーモニーは鞍上を取られてしまった形だが、こちらも新馬戦は3着した馬。前走は8着も勝ち馬とは大きな差はなく、好勝負に持ち込むことは可能だ。

日曜日も京都から見ていく。500万あずさ賞は、アドマイヤロブソンが断然の存在。前走のアザレア賞はアドミラブルが強すぎたのと、過剰なスローペースに泣かされた。個人的には、強気に青葉賞や京都新聞杯に出走しても上位を狙える馬だと思うのだが、500万なら確勝だろう。

平場の500万・芝1400m戦は、関東からハウメアが遠征する。

「まだコンスタントに使い込めないが資質は高い。距離はいいし、あとは輸送をクリアしてくれれば」と津曲助手。未勝利戦を好タイムで勝ち、500万に上がってからも少差の競馬が続き、そろそろ勝ちがまわってきてもいい頃。POGでも人気になったので、時期的に勝ってもらわないと困る。

未勝利芝2000m戦のアロマドゥルセは、デビューから3戦が6,4,4着と結果は大きく変わっていないが、内容は上がってきている。期待のディープインパクト産駒で、まだまだ変わり身も期待できる。

続いて東京。牝馬限定未勝利ダート1400m戦はキュンメル。デビュー戦はハナ差2着と惜しい競馬。2戦目ですんなり勝ち上がりたいところだったが、久々で+10キロも響いたか5着に敗れた。前走後も少々間隔が開いたので馬体はチェックしておきたいが、状態が良ければ初勝利も見えてくる。

福島では、未勝利芝2600m戦のイタリアンホワイトが面白い。デビューから3戦は目立たなかったが、4戦目で2400m戦に出走すると、積極策で5着に入線。一緒に先行した馬が崩れただけに、着順以上の内容だった。福島に変わるのも良さそうで、コーナー6つのコースを生かしたい。

最後に2歳入厩馬情報。今週目を引いたのはスズカテイオー。半兄は4戦2勝のスズカメジャー。ニュージーランドTは展開に泣いたが、それでも後方から0・4秒差まで詰めたように、オープンでも通用する馬である。そのスズカメジャーは父がダイワメジャー。2歳の弟は父がディープインパクトに変わり、よりクラシックが意識できる。ぜひリストには入れておきたい。