混沌とした牡馬路線 今週は東京に良血素質馬がまとめてデビュー!

アルテミスSは予想通りリスグラシューフローレスマジックが後続を離してのワンツーと、高いレベルの戦いを見せてくれた。この2頭だけでなく、今年の2歳牝馬はミスエルテソウルスターリングコロナシオンリナーテレーヌミノルアドマイヤミヤビハウメアなどハイレベルなレースを見せた馬が並ぶ。

それに比べ牡馬は、一つ前の最強世代の反動なのか物足りないイメージ。ここまでデビューした馬の中では1、2と評されていたヴァナヘイムも、油断負けの感も強いが、萩Sで2着に敗戦。個人的に期待していたサトノヴィクトリーも天皇賞の日にデビューという話だったが、ゲートにもう少し時間をかけたいということでデビューが延期になってしまった(11月12日東京2000mあたりか)。

それでも10月29、30日の新馬戦からはアルアインアンセムと先々が楽しみなディープ産駒が出現。この動きは11月に入って更に加速するのか。ちなみに昨年11月は、サトノダイヤモンド、リオンディーズ、ハートレーら素質馬がデビューしている。

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POG指名ランキング6位のアルアインが29日の新馬を快勝!

その11月の最初の週。日曜日の東京芝1800m戦はなかなかの好メンバーだ。血統的に目立つのはインペリアルフィズ(牡2、美浦・小島太厩舎)。全姉アプリコットフィズ(重賞2勝)、全兄ダービーフィズ(函館記念)、半兄クレスコグランド(京都新聞杯)と、上に重賞ウイナーが3頭いる。調教も1週前(以降、調教は主に1週前のもの)に坂路で54秒0-12秒4(一杯)と、終いにいい脚を見せており、初戦から行けそうな雰囲気だ。鞍上はデムーロ騎手を予定。

ダイワキャグニー(牡2、美浦・菊沢厩舎)は、セレクトセールで1億1340万円(税込)の高額馬。10月東京開幕週予定も調子が上がらず、1か月延ばしてのデビュー。その甲斐あってウッド68秒1-13秒0(馬ナリ)で、カンナS2着ダノンハイパワーと併入と、以前に比べて良くなってきている。鞍上はダイワさんの馬なので、もちろん北村宏騎手。

パルフェクォーツ(牡2、美浦・古賀慎厩舎)は、半姉がピュアブリーゼ(オークス2着)。美浦のウッドで全体は69秒だが、上がり13秒0を馬ナリでまとめていれば合格点を与えていい。

ヴェルラヴニール(牡2、美浦・加藤征厩舎)は、半兄にオープン馬ナリタハリケーン、現3勝のブレイクザポケットがいる。ウッドで68秒台と時計は普通だが、オープン馬のグレンツェントと併入しており動きは上々だ。

他にもルルーシュ(アルゼンチン共和国杯)の半妹レッドミラベル(牝2、美浦・尾関厩舎)、モンテトウルヌソル(京成杯4着)の全妹コースタルブルー(牝2、美浦・高柳厩舎)らが出走を予定している。

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ダイワキャグニーはキンカメ産駒ながら億超え オーナー期待の素質馬だ

POGでも人気のジェンティルドンナ全妹がベールを脱ぐ!

土曜日の芝1600m戦では、ラッシュハート(牝2、美浦・戸田厩舎)がデビュー。「小柄だが切れのある動き。気持ちの難しさがあるので、ゲート練習に時間をじっくりかけた。素質は感られる」と戸田師。鞍上は戸崎騎手。調教時計を見ると1週前までは軽めが多いが、追い切り以外の運動量が多い戸田厩舎なので、しっかりつくってくることだろう。

同日のダート1600m戦は、セレクトセールで2億円以上の値がついたフォギーナイト(牡2、美浦・堀厩舎)が注目のデビュー戦。調教時計はここまでウッド70秒前後と目立たないが、堀厩舎も追い切り以外の運動量が多いので、この程度の時計でも大丈夫だ。他は、外国産馬でウッドでの動きが良好のセイウンチャーム(牝2、美浦・手塚厩舎)、近親にシンボリインディ(NHKマイルC)がいるサノヘッド(牡2、美浦・栗田徹厩舎)らが出走を予定している。

京都では、土曜日の牝馬限定芝1400m戦でベルダム(牝2、栗東・石坂厩舎)がデビュー。全姉にジェンティルドンナ(G1を7勝)、ドナウブルー(マイルCS3着)がいる良血馬だ。「小柄だがカイバはしっかり食べている。ゆかりの血統だし、期待している1頭」(石坂師)と、期待感は伝わってくるが、坂路で56秒6-14秒0(強め)と調教はかなり地味。「調教駆けしないタイプ」と陣営は話すが、少々不安だ。

調教で動きが目立つのはパールズベスト(牝2、栗東・高橋亮厩舎)。CWで6F82秒台、上がりも12秒でまとめており、仕上がりは上々。母はハシッテホシーノ(フローラS3着)で、距離が延びても大丈夫。ソリティアリング(牝2、栗東・松元茂厩舎)も坂路54秒1-12秒2(一杯)で、古馬500万に先着しており、初戦から行ける構えだ。

同日の芝1600m戦は、厩舎の期待が高いアロマドゥルセ(牝2、栗東・音無厩舎)に注目。「素軽いし、いいフットワーク。稽古に乗ってもらっているジョッキーも好感触を得ている様子。楽しみな1頭」と音無師。調教では古馬500万に先着しており、順調にレースを迎えられそうだ。鞍上は福永騎手。

規入厩の目玉は、セレクトセールで2億7000万円(税込)の良血馬アドマイヤアゼリ(牡2、栗東・須貝尚厩舎)。全兄のロイカバードは、昨年の新馬戦でサトノダイヤモンドとの5億円対決で話題になった馬。兄はクラシックに出走できなかったが、そのぶんも弟に期待がかかる。他では、POGでも人気になったダノンハーレー(牡2、栗東・角居厩舎)、サトノラーゼンの半弟サトノクロニクル(牡2、栗東・池江寿厩舎)の動向もマークしたい。

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