平林雅芳の目

トピックス

日曜京都11R
エリザベス女王杯(GⅠ)
芝外2200m
勝ちタイム2:12.1

勝ち馬リトルアマポーラ(牝3、栗東・長浜厩舎)

■・・・社台レースホースの勝負服が大活躍の淀だった。

ゲートが開いた瞬間に歓声が悲鳴に変わった。
注目のポルトフィーノが待望のGⅠ競走に出てきて血統的にも注目された一戦だったのだが、あっというまもなく終わってしまった。
ゲート内での態勢がちょっと嫌だなと思っていたが、ゲートが開いた瞬間に前に躓いてしまったようだ。
鞍上の武豊Jも馬の前に落ち、その上を馬が跳んで行った感じに見えた。
誰も乗っていないポルトフィーノは最初は当然遅れていたが、1周目のゴール前ぐらいから先頭に立ち、17頭を従えてレースを作っていく形となった。

コスモプラチナが先頭(前にポルトフィーノはいるが、正規のトップはこの馬の逃げとなる)で、2番手に三浦皇成J騎乗のビエンナーレが続く。
ピサノジュバンが3番手。その後に外国馬のフェアブリーズ
そして今日はスタートも五分に出たリトルアマポーラが5番手に位置している。
その後にカワカミプリンセスがやはり外々を追走し、それをマークするようにベッラレイアである。

3コーナーを過ぎて、前の2頭がやや後を離し気味にはなるが、隊列はそう変化なく続く。
カワカミプリンセスもいい感じで進んでいるのが見える。
そのそばにはマイネレーツェルもいるし、内ラチ沿いには白い帽子のレインダンスの姿もチラホラしている。
直線入り口では、前のグループと後続の馬の差が一気に縮まる。
外からカワカミプリンセスが前へ出てきているのが判るが、その前にいる社台の勝負服がいい感じで出て行く。
カワカミプリンセスの後からベッラレイアも襲いかかってきているのが見えた。
まだここらではどれが優勢なのか判らない勢いであるが、カワカミプリンセスの勢いがいい感じだ。

直線半ばで、社台の勝負服がリトルアマポーラだと判る。
グングンと加速して後から追いつく、カワカミプリンセスベッラレイアの勢いに負けずに伸びている。
その後も内からレインダンスが伸びかけてここらは混戦である。
カワカミプリンセスリトルアマポーラの差が詰まらないままにゴールが近づく。
一旦外へ逃げ気味に出ていっていた空馬ポルトフィーノがまた内へ戻ってきて、リトルアマポーラに接触するぐらいに近づく。
それを避けるようにルメールは内へと進路をとり、勝利を確認してステッキをあげた。

以上のレース回顧は、後でジックリと検量室脇のパトロールビデオが流れているものを観て再確認したものである。
武豊Jの落馬のアクシデントで。しっかりとした意識でレースに集中して観ることが出来なかったからである。
エリザベス女王杯のレースを終え、各馬が1コーナーから2コーナーへと流している間にあわてて救護所へと駆けつけた。
そこには石橋守Jに飯田Jがすでに救護所の入り口の戸の外にいた。
中を見ると、武豊Jが運ばれてきていた。
カーテンの隙間から少し見える彼の姿、心配である。角居師も駆けつけてきた。
しばらく時間があったが、最悪の事態は免れたようである。
レントゲンでは骨折はなかったようである。
勝負服がかなり血に染まっていた。 後で聞くと、ポルトフィーノが自分で脚をぶっつけてケガをした血らしい。
武豊Jは肩の打撲と診断された。
ジョッキールームに引き上げて行く姿は、かなり背中とか打っていて痛そうであった・・

栗東に引き上げた頃に武豊Jから電話があった。
馬があのスタンド前の場所でちょっと入れ込み出してていたらしい。
ゲートは十分に気をつけていたそうだが、石橋守Jらが言っていたが、ああなるとどうしょうもなく持って行かれてしまうらしい。
ゲートの名手と言われる武豊Jでも、こんなアクシデントに合う。
競馬は本当に怖いし、難しいものとまたまた知らしめされた。 明日、明後日と体をじっくりと休ませますと電話の向こうで言っていた。
日曜の夜はともかくも、月曜はかなり痛むんだろうなと思う。
多くのファンには申し訳ないが、とりあえず競馬界の至宝には最悪なことはなかったようだとだけ報告して、今回の観戦記を終えたい・・・。