雨煙る仁川、ダイワマッジョーレが大外から強襲!!

ダイワマッジョーレ

15年3月1日(日)1回阪神2日目11R 第59回阪急杯(G3)(芝1400m)

ダイワマッジョーレ
(牡6、栗東・矢作厩舎)
父:ダイワメジャー
母:ファンジカ
母父:Law Society

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昼頃には一旦上がった雨だったが、再び降り出したら、今度はしっかりと芝を濡らす。芝もついに不良の発表となった。
雨の筋がハッキリと見える中でのゲートイン。ニホンピロアンバーの鋭いダッシュで始まった。ミッキーアイルも悪くないスタートだったが、ジンワリと下げる。好位の外で脚を貯めたコパノリチャードが直線に入ってすぐ先頭と出るが、内から外へ出したミッキーアイルがあっと言う間に抜いてゴールを目指す。内からローブティサージュが脚を伸ばしてきて並び出す。そこへM.デムーロJに導かれたダイワマッジョーレが、鋭い脚を伸ばしてくる。その後ろのサドンストームとは脚色が違った。ミッキーアイルが粘りこまんとする処へ、ダイワマッジョーが被さってのゴール。勢いで優っていた…。


ニホンピロアンバーの逃げは、気持ちのいい逃げ。押して押して出て行って、一瞬で2馬身ぐらい離していく。マジンプロスパーとミッキーアイルがその後ろを行く。コパノリチャードがさらに続く。しかしやっぱり休み明け、ニホンピロアンバーは4角に入る前に息が切れた。マジンプロスパーが先頭に立つのも束の間、コパノリチャードが交す。いいタイミングと思った瞬間に、ミッキーアイルがコパノリチャードの外に出して来て並ぶ。ラスト200mを過ぎていた。コパノリチャードには粘る脚が残っていなかった。ミッキーアイルがそのまま抜けて行くのかと思えたが、内からスルスルとローブティサージュが迫っていく。それでも何とか脚をまだ残していたミッキーアイルだったが、外からのダイワマッジョーレには抵抗できなかった。

ニホンピロアンバーが造ったペースは、1000mで58.7のかなり速いもの。4角入口から12.1と最後の1Fが13.0と、かなり時計を要す決着となった。それ程に悪い馬場コンディションだった。
ほとんどの馬が内を少し開けて外目に出して来ている直線。最内を突いたローブティサージュが一瞬に前との差を縮めた。道中は後方で脚を貯めていたダイワマッジョーレ。4角を廻る時には先行集団の後ろ。馬場のいい外目を通れるのも良かったか。
ラスト1ハロンからM.デムーロJの右ステッキが激しく動く。内にもたれていたと思ったが、PVで見ると、ゴール少し前は左からステッキを入れているのだから、そうでもなかった様だ。最後は気迫が優った感じだった。
この悪コンディションだけにディープインパクトの子供は苦戦するだろうと観たのだが、ミッキーアイルは良く辛抱しているし、ダノンシャークも終い脚を伸ばして5着に入った。地力の差なんだろうか。こんなコンディションだからこそ、出来の良さが出るのだろうか。何せ、ダイワマッジョーレのゴール前の勢いは違っていた。それにしても、さっそくの3勝をマークするM.デムーロJ。

競馬場に着いて、一番に出会ったのがM.デムーロJだった。思わず声を出して『ミルコ!、おめでとう。頑張れよ!』と握手を求めた。彼も『ヒラバヤシさん、元気でしたか…』と応えてくれた。
競馬場で真っ先に逢った人が活躍する。そんなジンクスや縁起を言う人がけっこういる。あんまり信じたくなかったけれども、実際にそうなってしまった。
しかし、やはり持っているヤツだな~と感心してしまう。これから長い長~い戦いが始まるのである。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。