素質開花のマイネルクロップ ダート界に風穴を開けられるか

●3月29日(日) 3回中山2日目11R 第22回マーチS(G3)(ダ1800m)

佐賀記念で交流重賞初制覇を成し遂げたマイネルクロップ(牡5、栗東・飯田雄厩舎)が今度は中山の舞台で躍動した。直線、馬群を割って伸びてきた末脚で重賞2連勝。今年に入り、ようやくオープンへと昇級した遅咲きだが、ここにきて本格化の気配だ。

大外枠となったが、好スタートを切ってから道中は馬群の中ほどで進めて行く。手綱を執る丹内祐次騎手も「道中の手応えは抜群でしたよ」と振り返る。馬群はばらけずに一団のままだったが、直線に入ると力強く脚を伸ばしていく。「勝負どころでも、うまく操縦出来ました」との言葉通り、狭いスペースからジリジリと差を詰めていきゴール直前、図ったように差し切ってみせた。

管理する飯田雄三調教師は「元々、大人びた馬で調教も動いていたんです。ただ、流れに乗れなかったり、集中できないことがあったりと泣かされることが多かったです」と以前までは精神面の未熟さを露呈していたことで結果を残せていなかったと分析。その上で今回のレースを振り返り、「実戦でも力を発揮できるようになりました。精神的な成長を感じますね」と愛馬の飛躍に目を細めた。

マイネルクロップだけでなく鞍上、指揮官にとっても嬉しいJRA重賞初制覇となった。「勝てた確信はなかったのですが、周りから勝っていると言われ、ジワジワ喜びが湧いてきました」とは丹内騎手。一方の飯田雄調教師は「これからも楽しみが膨らみます」と笑顔で答えながらも、更なる大舞台へ目を向けた。5歳にしてその素質が開花したマイネルクロップ。新星が待望される現在のダート界に風穴を開けられるか。

マイネルクロップ

マイネルクロップ

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