【宝塚記念】帰国初戦ドゥラメンテ堀師「より状態の把握に慎重さを求めた」

22日、宝塚記念(G1)の追い切りが美浦トレセンで行われた。

前走、ドバイシーマC2着のドゥラメンテ(牡4、美浦・堀厩舎)は、助手を背に南ウッドチップコースで追われ、5F68.9-53.7-39.2-12.5秒をマークした。

【堀宣行調教師のコメント】
「ドバイに着いてから状態は上がってきていたので、あのような結果になったのは非常に残念でした。落鉄は偶然ではないとは思いますし、それに対する対処も含めて次に生かして勝ち馬との差を少しでも詰めていけるように、という風には感じました。海外遠征に関しては、環境の変化と長距離輸送への対応と2つの大きな課題がありました。ドバイに着いてからの環境に関しては、非常に順応性が高くて回復度合いも目に見える形でしたし、輸送自体も非常に上手くいきました。そういう意味では、与えられた遠征計画のなかで能力を出せるデキには持っていけたのではないか、と思っています。ただ精神面に課題のある馬なので、その辺りの準備の差が出たのかなと、それが落鉄にも結びついてしまったかなと感じています。

ドバイでは、日本よりも装鞍所からパドック、馬場入りまでの時間が短いので、日本よりも落ち着いて馬場入り出来たと思っています。精神面の完成度は常に課題としてありますし、まだまだというところなので地道に努力していきたいと思います。ここのところ海外の目標のレースに対しては、ある程度一定の結果を出せるところまで精度は高まっていると思いますが、帰国後に良いパフォーマンスが出来ないということが1つの大きな課題です。そのなかでドバイ前からの出走計画、帰国してからの出来る限りのケアと状態の確認、判断をしてきて、ここまで非常にスムーズに調整が進んできていると思います。まずは落鉄後なので、着地検疫をしたノーザンファームのしがらきで脚元の状態の把握などに時間をかけました。

アフタードバイで全くパフォーマンスが出せないというのがありますし、ノーザンファームしがらきで着地検疫をした3頭の中では、ドゥラメンテが1番ダメージがあるという評価でした。そのなかで、十分休養を取らせて健康面が戻ればその後の仕上げは手間取らないという考えで、まずは健康状態を戻すということを最優先にして調整をしてきました。まだ物足りない部分は現場では感じていますけど、欲を言えばというところですし、しっかりパフォーマンスが出せるのではないかという状態までは戻ってきているという判断です。

先週はジョッキーに乗ってもらって、ある程度我々が掴んでいる状態を感じてもらったので、今週は初めての競馬での長距離輸送ということで、それに備えてのメニューという形になります。国内の競馬での長距離輸送は初めてになりますが、普段からノーザンファームしがらきと入れ替えをしているので、これくらいの距離、時間の輸送に関しては何度も経験しています。しがらきから入ってくると、だいたい20キロくらい減ります。非常に精神的にナーバスなところがあるので、今回も2日前に輸送します。現地に行って、次の日にはまた10キロくらい戻るのが普通なので、どの程度体が戻ってくるかが1つのポイントになってくるかと思います。今回もいろいろな課題があるので、その辺りをしっかり把握して判断して、次に生かしていければと思っています。

今回の調整もこれまでとそれほど変わりませんが、より状態の把握に慎重さを求めたということはあります。体力のある馬なので、ある程度の無理なメニューでもこなしてしまうと思いますが、今回は遠征後の影響を考えて非常に丁寧に段階的に進めていくことに注意しています。体を絞っていくにも本当に少しずつ少しずつということで、普段からそれを心がけていますけど、今回は殊更にそういうところは気を遣いました。馬体重は火曜日の夕方で520キロで、ほぼシャープな状態になっていると思います。ダービー後の骨折やドバイ遠征など、成長に大きな影響を及ぼすような部分がありましたし、普通に馬の状態に合わせてレースを使っている状況よりは、成長を阻害する部分が大きかったと思います。その辺りはなかなか小手先でどうにかなるような問題ではありませんが、やはりパフォーマンスの高い馬なので馬自身が乗り越えてきてくれていると感じています」

ドゥラメンテ

ドゥラメンテ