アルバートドックが17年ぶりの4歳馬V! 圭太「直線でも頑張れるだろうと思った」

●7月10日(日) 2回福島4日目11R 第52回七夕賞(G3)(芝2000m)

昨年は100万馬券が飛び出し、荒れることで知られる七夕賞。今年も1番人気シャイニープリンスの単勝オッズが5.8倍、続く2番人気のルミナスウォリアー、3番人気アルバートドックが5.9倍で並び、単勝万馬券が1頭もいない大混戦となったが、勝ったのは強い4歳世代から唯一の参戦となったアルバートドック(牡4、栗東・須貝尚厩舎)。実に17年ぶりとなる4歳馬の七夕賞制覇となった。

まず先手を奪ったのは8歳馬のメイショウナルト。前半の1000mを57.9秒というハイペースで、後続をやや離して逃げる。アルバートドックはちょうど中団あたりで脚を溜め、ペースが緩んだところで戸崎圭太騎手がゴーサイン。エンジンに火が付くと、4コーナーでは前を完全に射程圏に入れ、直線半ばで堂々と先頭。外からダコールが詰め寄るも、余裕を持ってゴールへ飛び込んだ。

「力がある馬だと思っていましたし、小倉で勝っているので小回りコースもこなせると思っていました。いつも後ろからのレースだったので、今日はある程度スタートを出たら前の方で競馬をしようと思っていました。最後は外から来ていると思いましたが、道中はリズム良く進路を取って走れていたので、直線でも頑張れるだろうと思っていました」と、初めて手綱をとった戸崎騎手はレースを振り返ったが、絶妙なタイミングでのスパートから押し切った姿は、まるで何度もコンビを組んでいたかのようなレース運び。リーディングジョッキーの勢いも見て取れた。

荒れるハンデ戦とはいえ、意外にも4歳馬の勝利は1999年のサンデーセイラ以来、17年ぶり。幾度も4歳の人気馬、ハンデ頭が涙を呑んできたが、今年はこれから更なる飛躍が期待されるディープインパクト産駒が勝ち馬に名前を刻んだ。「ドッシリした感じで、ギアが徐々に入ってくるような走りをします。とても乗りやすくて身のこなしも良いですし、これからが楽しみな馬ですね」と、夏の福島で2週連続重賞V、前日に年間100勝一番乗りを果たした鞍上の声も自然と弾む。サマー2000シリーズ、サマージョッキーズシリーズの主役に躍り出た人馬の今後の活躍が大いに期待される。

七夕賞

七夕賞

七夕賞

七夕賞

ゲストの鈴木奈々さんと握手を交わす戸崎圭太騎手