まったく手綱は動かず、クリアザトラックが楽勝!【平林雅芳の目】

クリアザトラック

16年11/6(日)5回京都1日目7R 2歳新馬(芝1600m)

  • クリアザトラック
  • (牡2、栗東・角居厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:クロウキャニオン
  • 母父:フレンチデピュティ

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一日に3鞍もある贅沢な新馬戦。上質な勝ち方をした馬ばかりであった。馬数は少ない芝のマイル戦だったが、クリアザトラックがそれこそ持ったままで、Mデムーロが手綱をたぐりながらのゴール。それでいて上がり2ハロンは11.0~11.1、と切れきれのラップを馬なりで勝ち上がるクリアザトラックの潜在能力の高さ。またまたいい馬がデビューしてくれた。

5Rの牝馬1400芝では、まるで古馬なみのレースの上手さで勝ったフェルトベルク。ダートの1400戦では、吉村厩舎のパイロ産駒アップビートが、かなり強いなと思わせる勝ち方をみせた。
そしてこの芝マイル戦。ディープインパクト産駒が3頭。その中でも圧倒的人気が、角居厩舎のクリアザトラック。水曜の朝一番の稽古でデムーロJが乗って軽快な動きを見せていたが、後は実戦でちゃんとそれを表現できるかどうかだけであった。だが、すっと2番手につけて折り合い、1000mを1.01.9とかなりゆったりな流れを、掛かるでもなしで2馬身ぐらい後ろから行くクリアザトラック。直線でも前にいるだけに、馬場の内目。追いすがってきたサイレントアスカの勢いもなかなかだったが、その一歩前を行くクリアザトラックの脚の回転のいいことよ。

Mデムーロのインタビューで、『自信があったよ~』と報じられている。独特な日本語になるMデムーロだが、それだけいいものを持っているのは判っていたよと言うことだと勝手に解釈する。
それにしても、角居厩舎も在庫が豊富。この後にシーザリオの子供のグローブシアターがスタンバイしているし、まだまだディープインパクトの子供もいる。これからも続々と上質の馬が出てくるだろう関西の2歳馬シリーズ。楽しみとしたい…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。