【マイルCS】フィエロ三度目の正直なるか 藤原英師「自分自身の戦い」

フィエロ

16日、マイルCS(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

14年、15年と2年連続で当レースを2着しているフィエロ(牡7、栗東・藤原英厩舎)は、鮫島良太騎手を背に坂路で最終調整。4Fから終い一杯追われて53.9-38.9-24.7-12.2秒をマークし、年齢を感じさせない力強い脚取りで駆け上がった。


追い切り後、この馬とガリバルディの2頭出しで挑む藤原英昭調教師の一問一答は以下の通り。

●よもやの大敗だったスワンS その敗因は?

-:まず、フィエロについてお伺いします。例年通り、休み明けはスワンSからの始動になりましたが、今年は意外な結果になってしまいました。この結果をどう捉えていらっしゃいますか?

藤原英昭調教師:馬のデキは悪くなかったのですが、ゲートを出てから躓いてしまって、リズムを崩したのが痛かったですね。

-:この馬が大敗してしまうことは今まで無かったとは思うのですが。

藤:期待していたのですが、残念でしたよね。躓いた分、追い上げるのに脚を使いましたから、終いも思うように伸びて来られなかったのが、前走の敗因だと思います。

フィエロ

-:休み明けにしては身体の方は出来上がっていたということでしょうか?

藤:もう7歳になりますが、ある程度きっちり仕上げていったつもりでしたし、調子は悪くなかったですよ。

-:中2週で本番を迎えますが、中間の調整過程はいかがでしょうか?

藤:馬自体がもうベテランですから、仕上げに関してはコチラも手の内に入っています。健康体と言いますか、馬を少しリフレッシュさせて、良いパフォーマンスが出来るような状態に持っていくというのを目標にして中間は調教を積んで来ました。

-:前走後も順調に来ているということでよろしいでしょうか。

藤:歳の割には順調に来ていると思いますよ。

●自分自身の戦いを制し、悲願のG1タイトルへ

-:注目の追い切りですが、坂路で8時過ぎに行われました。今日の調教の狙いはどんなところにあったのでしょうか?

藤:先程も言ったように、去年よりも1つ歳をとって硬さが出てきたので、そこを日頃の調教で馬を柔らかくしながら、動きの質を上げながら意識してやってきています。最後はいつも乗ってもらっている鮫島良太騎手に坂路で感触を確かめてもらった、という感じです。

-:今日の追い切りをご覧になって、先生はどのような印象を受けましたか?

藤:ここに来てどんな動きをするのかと思っていましたが、終いまでしっかり動けていましたし、乗り手もすごく柔らかくて乗りやすいと言っていたので、狙いはハマっていると感じています。

-:スワンS以上のデキと判断してよろしいでしょうか。

藤:一度叩いて素軽くなってきていますし、馬は良くなってきています。あとは年齢との戦いというところですね。

-:それに加えて週末は雨予報ですが、馬場に関してはどう捉えていますか。

藤:沢山のファンの方に来てもらいたいですし、馬の方も良馬場のほうがより良いとは思います。

-:14年、15年とこのレースを2着した時のデキと比較してどうでしょうか?

藤:デキ自体は良いと思うのですが、人間と一緒で歳を重ねるとどうか、という自分自身の戦いになりますからね。コチラは経験と堅実な走り、今まで培った技術を私たちも持っていますから、それをどう競馬で生かすかといったところでしょうね。

-:7歳になったフィエロとしては、きっちり仕上がったということでよろしいですか。

藤:ここがラストチャンスだと思っていますから、出来るところまで目一杯造りました。

-:今年は昨年の覇者モーリスも、安田記念を勝ったロゴタイプも居ません。メンバー構成的にはいかがでしょうか?

藤:それが去年、一昨年であれば良かったですけどね(笑)。どれが勝ってもおかしくないメンバーだと思いますので、そこは馬をしっかり調整して、ということでやってきました。

-:今年こそというフィエロ、改めて抱負のほうをよろしくお願いします。

藤:年齢的にもラストチャンスになりますからね。みんなG1だから一生懸命やっているのですが、あと少しの運がフィエロに向いてくれれば……という気持ちで調整してきています。でも、7歳にして身体はまだまだしっかりしていますし、闘争心もあります。そこを何とか維持して良い結果を出せるようなイメージは持っていますので、皆さん応援して下さい。