日本代表だ!武豊キタサンブラック 鮮やか逃走G1・3勝目!来年は凱旋門賞挑戦も?

●11月27日(日) 5回東京8日目11R 第36回ジャパンC(G1)(芝2400m)

まさに「まつり」の再演。1枠1番と逃げ馬としては絶好の枠順を手にしたキタサンブラック(牡4、栗東・清水久厩舎)。鞍上の絶妙なエスコートに導かれると、終始、危なげなく運び、最後は2馬身半差でゴールした。「他馬との兼ね合いもありますが、いいスタートが切れて、他も先手を主張してこなければ、いこうと思っていましたよ。最後まで気が抜けませんでしたが、今まで乗った中で一番強いと感じましたね」と武豊騎手も振り返る。天皇賞(春)に続く3つ目のG1勝利は同じ白帽子でゲットした。

もちろん応えた馬も素晴らしいが、鞍上の腕も光ったレースだった。好スタートを決めると、リアルスティールらが先行してきたことをみるやいなや、ペースアップ。ハナを譲らなかった。「今日の馬場ならば1000mを61秒台で入れたらと思っていました」とプランを明かしたが、思惑通りに最初の5Fを61秒7で通過。レース展開を手中に収めた。

4コーナーを回っても、他馬が早目に動いてくる中、余裕を持ってのスパート。「本当に馬が気分良く走ってくれましたし、自信を持って追い出せました。残り300mまでは、本気で走らせないよう自分に言い聞かせましたよ」と振り返る。最後の直線も荒れたインを絶妙に避ける進路取り。最初から最後まで“天才”の術中に他馬は為す術もなかった。

気になる今後だが、当初からのプランでは有馬記念(G1)参戦が目される。共同会見では「もういっぺん乗ってもらいたいんだ」と北島三郎オーナーが武豊騎手へ直談判すれば、清水久詞調教師も「去年の借りを返したい」とリベンジを誓う。

一枚岩となった“チーム・キタサンブラック”から気になるコメントがこぼれたのは、外国人プレスからの質問。「来年以降、現役を続行するプランは?また、海外遠征の可能性はありますか?」と問われると、「オーナーとはまだハッキリ相談していませんが、引退という話はありません。具体的なローテは未定ですが、海外も含め前向きに考えていきたいです」と清水久調教師は明言。続けて具体的なレースについては「ドバイシーマクラシックや凱旋門賞もあるかもしれませんね」とコメント。日本競馬の悲願である凱旋門賞の名も口にした。

その声に武豊騎手も「今日の競馬なら、当然意識しますね。勝ちっぷりが本当に良かったので……。北島オーナーなら、乗せてくれると思いますし(笑)」と太鼓判を押した。

外国人騎手が席巻する昨今の競馬界において、日本を代表するトップジョッキーが、日本を代表する歌手がオーナーの愛馬で世界に挑むとなれば、まさにそれは壮大なプラン。もちろん遠い先だけでなく、暮れのグランプリでも主役を担うことは違いない。キタサンブラックが祭りの続きをまだまだ魅せてくれそうだ。

ジャパンカップ
ジャパンカップ
ジャパンカップ

ロンジンのアンバサダーであるサイモン・ベイカーさんと

ジャパンカップ

プレゼンターを務めたリオ五輪柔道100kg超級の銀メダリスト・原沢久喜選手

ジャパンカップ

北島三郎オーナーは今回も「まつり」を披露