インから鮮やかに突き抜けたタンタアレグリア「思い描いた理想の競馬ができた」

タンタアレグリア

●1月22日(日) 1回中山7日目11R 第58回アメリカJCC(G2)(芝2200m)

年明けの京都金杯、先週の日経新春杯、そして、このレースの直前に行われた東海Sで明け4歳馬が勝利。1番人気には4歳馬のゼーヴィントが支持されたアメリカJCCだが、その勢いにストップをかけたのは昨年春の天皇賞4着以来となる復帰戦だった5歳のタンタアレグリア(牡5、美浦・国枝厩舎)。菊花賞でも4着に入った実力馬が嬉しい重賞初勝利を飾った。

道中は最内をピッタリとロスなく追走。3コーナーの勝負どころではスルスルと先行2着の直後までポジションを上げ、直線に入ると一杯になったクリールカイザーを交わして再びラチ沿いを一直線。ゼーヴィントとミライヘノツバサの4歳馬2頭が激しく叩き合う間隙を突いて先頭に立ちそのままゴールへ飛び込んだ。

まさにベテランらしい巧みなコース取り。鮮やかなファインプレーに「内がずっと開いていて、こうなったらいいと思い描いた理想の競馬ができた。気持ち良く走れ、手応えも十分。よく伸びてくれたよ」と蛯名正義騎手の顔も自然とほころぶ。

3歳春の青葉賞で2着に入り、ダービーも0.8秒差の7着と善戦。その後も長距離戦線で堅実な走りを見せ、タイトル獲得も時間の問題と思われていた実力馬が、8カ月の休養を経てようやくそのタイトルに辿り着いた。暮れの有馬記念以降、4歳馬の活躍が目立ってはいるが、5歳世代も年度代表馬のキタサンブラックを筆頭にリアルスティール、サトノクラウン、アポロケンタッキーら実力馬が多い。春の盾路線へ楽しみな逸材が帰ってきた。

タンタアレグリア
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