【JRA賞】年度代表馬キタサンブラック北島オーナー「”ありがとう”と感謝を」

JRA賞

1月30日(月)に東京都内某ホテルにて、日本中央競馬会(JRA)主催の2016年JRA賞受賞式が行われた。

JRA賞とは競馬と馬に関する特に優れた業績に対してその栄誉をたたえ、感謝の意をあらわすために設けられた。その表彰行事として今年で30年目の節目を迎え、騎手・調教師をはじめ多くの関係者が出席して盛大に行われた。

2016年の年度代表馬に選ばれたのはキタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)。2016年は天皇賞春制覇を皮切りに、京都大賞典、ジャパンCを制し、暮れの大舞台有馬記念では、サトノダイヤモンドとの激闘は記憶に新しい。オーナーが北島三郎氏で、レース後にファンと一緒に「まつり」を唄うことが恒例となりつつあり、競馬の枠を超え、多くのファンに親しまれた。

JRA賞

●「年度代表馬」・「最優秀4歳以上牡馬」キタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)
今後の予定:大阪杯⇒天皇賞春⇒宝塚記念

北島三郎氏
「まずはこのような立派な賞を私にプレゼントしてくれたキタサンブラックに“ありがとう”と感謝を。そしてブラックに一生懸命手を尽くし、励ましてくれた厩舎関係者の皆さま、この馬をずっとリードしてくれた武豊さんをはじめ、関係者の皆さまに感謝申し上げます。そして、本日まで応援してくださったたくさんの方々に感謝を申し上げ、これからも頑張りたいと思います。本日はありがとうございました。

ブラックが出走した全てのレースが印象に残っていますが、悔しい時もあれば、そのおかげで嬉しいときがあるんだと思います。あまり良いことばかり続いても、その後が辛くなりますから、辛い思いをして、嬉しい思いをしていきたい。命の尊さ、命あるものの素晴らしさも感じ、この馬との出会いにも感謝しています。どの馬も走っている時は素晴らしいですが、その中で1位にさせてもらったと思うと感謝で一杯ですし、馬にありがとう、よく頑張ったと言いたい。

今は自身の体調が良くなくて、だいぶ良くなりつつあるところですが、表へ出ると自分よりもキタサンブラックの方が人気がありまして、時々会う人が“おい、ブラック!”なんて呼ぶ人も(笑)。それほど、こんなに素敵な馬に出会えたことを感謝しながら、ひとつひとつ、ケガしないで、まっすぐに頑張って走ってもらいたい。そのように関係者の皆さんにお願いして、皆さんで(ローテーションを)決めてもらって、一試合一試合を大事に頑張ってもらいたいという気持ちでいっぱいです」

清水久詞調教師
「この馬の優れている点はたくさんあるんですが、余計なところで体力を使わないと言いますか、普段の調教と競馬を分かってくれていて、調整しやすい賢い馬です。出るレースすべて目標になりますが、年末の有馬記念は必ずや獲りたい気持ちです」

武豊騎手
「(強さの秘訣は)たくさんありますが、“誰が乗っても走ってくれそうなところ”ですかね(笑)。このような素晴らしい馬に騎乗させていただき、今年もコンビを組ませていただけることに感謝しています。今年も関係者の皆さまの期待に応えたいですね」

押田調教助手
「普段の調教は黒岩騎手が一生懸命付けてくれていて、厩舎の馬の良い手本になってくれています。今年も変わらずに一生懸命走ってくれればと思います」

辻田厩務員
「普段はとても大人しい馬です。2歳の頃は結構甘えてきてくれたんですが、だんだん馬がしっかりしてきて、一人の男として成長しました。レースではいつもびっくりさせられるんですが、ジャパンCの時はおったまげました」

ヤナガワ牧場・梁川正克氏
「うちの牧場から年度代表馬という名誉ある賞をいただける馬を生産できて、続けてきて良かったなと。(産まれてきた時は)形は良かったんですが、少し脚が長めで。いずれにせよ、ここまで活躍してくれるとは思っていませんでしたね」

●「特別賞」モーリス(牡6、美浦・堀厩舎)
今後の予定:社台スタリオンにて種牡馬

吉田和美氏
「(天皇賞は)距離が延びても血統的に大丈夫だと思っていました。(一番印象に残っているのは)ラストランの香港カップ。あのように素晴らしい走りで最後を飾ってくれたことが嬉しかったです」

●「最優秀4歳以上牝馬」マリアライト(牝6、美浦・久保田厩舎)
今後の予定:繁殖牝馬

キャロットF・高橋二次矢代表
「宝塚記念は表現がしづらいほどの凄さで“こんなに勝負根性を持っていたのかと”。出資者や会員さんからも“この種牡馬を婿に迎えては?”などと毎日メールが来るんです。それだけ皆さんに期待されているんだなと。きっと強い仔を産んでくれるでしょう」

●「最優秀3歳牡馬」サトノダイヤモンド(牡4、栗東・池江寿厩舎)
今後の予定:阪神大賞典

里見治氏
「今までG1には手が届かなかっただけに、本当に嬉しかったですね。有馬記念は残り100mくらいで負けたと思いましたが、そこから本当に頑張ってくれた。あんなにゾクゾクしたことはありませんよ。今年出るレースは全て勝ってほしいですし、秋はフランスで頑張ってもらいたいですね」

●「最優秀3歳牝馬」シンハライト(牝4、栗東・石坂厩舎)
今後の予定:繁殖牝馬

キャロットF・高橋二次矢代表
「オークスは凄いレースでしたね。シンハライトが負けたのは一度だけで、本当に素晴らしい馬。自身のような仔を送り出してくれることを期待したいですね」

●「最優秀2歳牡馬」サトノアレス(牡3、美浦・藤沢和厩舎)
今後の予定:スプリングS

里見治氏
「勝てると思っていなかったのですが、直線に出てからの脚が他の馬よりもよかったので、これならイケるかなと思いました。クラシックを目指していきたいです」

●「最優秀2歳牝馬」ソウルスターリング(牝3、美浦・藤沢和厩舎)
今後の予定:チューリップ賞

社台レースホース吉田哲哉氏
「安定感というのは僕の中ではなかったのですが、生まれた時から周囲にされてきたので、こういったった賞を頂けて光栄に思っています。桜花賞を目指して行く事になると思うのですが、母の配合から見ても距離には対応してくれるんじゃなぁと思っています」

●「最優秀障害馬」オジュウチョウサン(牡6、美浦・和田郎厩舎)
今後の予定:未定

株式会社チョウサン 長山尚義氏
「こんなに嬉しいことはありません。まさかGIを獲ると思っていませんでしたから。無事に1戦1戦、戦える事が幸せだと思っています」

●「最優秀ダートホース」サウンドトゥルー(セ7、美浦・高木厩舎)
今後の予定:川崎記念⇒フェブラリーS

山田弘氏
「とても届かないところから来ただけに、サウンドトゥルーの馬の意味は『まじかよっ』という意味ですから、サウンドトゥルーと叫びました。今年はどのレースも勝ちたいのですが、出来ればチャンピオンズCを連覇したいです」

岡田スタッド・岡田牧雄氏
「セン馬になって筋肉が硬くならなくなって来たから、調教もしっかり積めるようになりましたね。この後はフェブラリーSも視野に入れたいです。GI馬で出れる番組が限られて来ますが、今年もまだまだ衰えは感じません」

●「最優秀短距離馬」ミッキーアイル(牡6、栗東・音無厩舎)
今後の予定:社台スタリオンにて種牡馬

野田みずき氏
「これだけの活躍は自分でもびっくりするほどで、本当に不思議な気分です。またミッキーアイルに似た素晴らしい馬が産まれてくる事が何より嬉しいです」