抜群の瞬発力で差し切ったスワーヴ四位「大きい2つのレースへ向けて」

●2月12日(日) 1回東京6日目11R 第51回 共同通信杯(G3)(芝1800m)

2番人気のスワーヴリチャード(牡3、栗東・庄野厩舎)が2度目の東上で、東スポ杯2歳S2着の雪辱を果たす見事な走りで重賞初戴冠を飾った。

決して絶好とは言えないスタートで1馬身ほど前の馬に置いていかれる形になったが、内のスペースは譲ることなく、前を行く馬を眺めながらのポジション。 「3戦ゲートで置いて行かれたので、出して位置を取ることは調教師とも話していました。少し遅れたけど流していったらいいところに付けてくれました」と四位騎手は序盤を振り返る。

前から5頭目辺りでライバルのムーヴザワールドと馬体を併せる形で道中は進む。3コーナー過ぎから先にムーヴザワールドが2馬身前を行く形になったが、「この間の負けを活かして、今回は早めに追い出さないようにしました」と四位騎手はレースを冷静に分析。直線に入ると前の馬が壁となり、進路を塞がれたが、空いた瞬間を狙って一気に加速。

「この馬の瞬発力は素晴らしい」と庄野調教師が語るように、鞍上が大きなアクションをすることなく、先頭集団に並び、そして抜き去る。一度は抜いたエトルディーニュが渋太く粘りを見せるも振り切り重賞初制覇を飾った。

当歳のセレクトセールで1億6千万以上の値が付いた馬だけに、厩舎の期待も大きい。 「オーナーが選んでくれた馬ですからね。期待していました。完成はまだまだ先ですし、この馬に合わせて作って行こうと思います。この馬に求めるもは大きいですし、馬体もそうですが、精神面でも成長していますね」と3歳を迎えた愛馬の更なる進化を噛み締めているように庄野調教師は語る。

ここまで4戦続けて手綱を握る四位騎手は「順調に階段を進んでいますね。大きいレースが2つあるので、重賞を制したし、胸を張っていきたいです」とクラシックを見据えたコメントを語る。

まだまだ混沌とした3歳牡馬クラシック戦線だが、近年の登竜門的傾向がある共同通信杯を制し、クラシックの最前線を歩んでいることは間違いない。ここからは、受けてたつ側として、残り9週間いかなる進化を遂げ、皐月賞、そしてダービーの舞台に登壇するのか、目が離せない。