【ヴィクトリアM】15着から巻き返しへクイーンズリング吉村師「能力は上位のはず」

クイーンズリング

10日、ヴィクトリアM(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、阪神牝馬S15着のクイーンズリング(牝5、栗東・吉村厩舎)は、助手を背に坂路で終い重点の単走追い。「今週はある程度セーブ気味で」と吉村圭司調教師は話したが、馬なりのままラスト2F12.4-12.3秒と力強く加速。前走大敗のダメージは全く見られない。

ここ2走は不本意な結果が続いているが、秋の府中牝馬S、エリザベス女王杯での連勝は鮮やかのひと言。この馬も堂々たるG1ホースだ。攻め気配は非常によく見えるだけに、軽視は絶対に禁物だろう。


追い切り後、吉村圭司調教師の一問一答は以下の通り。

●前走大敗も敗因は明確

-:去年に続いてのヴィクトリアマイル参戦となりますが、この1年間はいろんなチャレンジ、いろんな事がありましたね?

吉村圭司調教師:去年の秋はG1も勝たせていただいたので。香港遠征もありましたし、いろんな経験をさせていただいています。

-:どんな1年でしたか?

吉:馬の成長に助けられて、大きなところも勝たせてもらったので。理想的ですよね。

-:去年の秋のデキというのはクイーンズリングにとって最高のデキだったのですか?

吉:それまで出走した中ではかなり自信を持った状態であるなと感じ取っていました。

-:海外遠征を終えて、今年の初戦、初めての2ケタ着順となりました。

吉:海外遠征から帰国して、疲労も早く回復したという報告を受けて、僕も牧場へ見に行って、遠征の影響はほとんど感じていなかったので、前走もいい状態で送り出せたのですが、プラス体重だったのは、香港では減っていましたし、成長分もあるので、その辺は厚みが出来ていい状態だったと思っていますけども…。

-:レースを分析されて敗因というのは?

吉:京都牝馬Sの時も重馬場で結果を出して、我々としてはこなしてくれるのでは思っていたのですが、ジョッキーがレースでは「走りづらそうだった」とすぐに言っていましたし、実際に右前も落鉄していたので、馬も走りづらかったのだろうと思っています。

-:道悪、落鉄が大きな要因と?

吉:一番の敗因は間違いなくそこだと思っています。

-:休み明けの部分はどうだったのでしょう?

吉:この馬はポン駆けも利くのでね。去年の秋の府中牝馬Sも休み明けでいい競馬をしていますので。しっかり帰厩してからも乗り込んで出走させたので、その辺は影響はなかったと思っています。

-:前走後に疲れがいつも以上に残ったとかはなかったでしょうか?

吉:幸い影響もなく、身体の異常もなかったので、次の週からすぐに調教の方は再開できています。

クイーンズリング

-:阪神牝馬Sからおよそ1カ月間の調教過程を教えていただけますか?

吉:2週前から坂路で単走ですが時計を出して。先週はジョッキーが騎乗してCウッドで併せ馬を消化していますので、中間はメニューをしっかり消化して順調に来ています。

-:1週前の追い切りですが、自己ベストに迫るくらいのタイム、動きでしたね?

吉:いつもなら直線で内に向いて進路も取るのですが、その辺はジョッキーの判断で外へ回して。相手も1000万で動く馬でもありましたし、十分負荷がかかっていると思います。

-:先週も非常に感触が良さそうですね?

吉:ジョッキーもいいと言ってくれていますので、状態は悪くないと思っています。

-:先週の調教を踏まえて、今週はどんな意図で調教が行われたのでしょうか?

吉:1週前にジョッキー騎乗でそれだけやっていますので、今週はある程度セーブ気味でと思っていましたので、坂路で単走で追い切りを行いました。

-:その評価は?

吉:いい感じだったと思います。時計的にも理想的ですし、決して無理をせずにいい時計で上がってきてくれましたしね。

-:見た感じの手綱ですとか、反応などはどうでしたか?

吉:騎乗した助手が「まだ余裕もありました」ということなので、馬もキビキビと動けていましたし、雰囲気は悪くないと思います。

-:雰囲気としては一杯ですか? それとも8割、9割?

吉:一杯ではないと思います(笑)。幾らかお釣りも残している状態でしたので。

-:デキとしては満足?

吉:そうですね。幸い前走後も異常なく来れていますので、状態に関しては満足しています。

●理想的な間隔で反撃へ

-:これまで重賞を4勝して1400mから2200mまで非常に対応幅が広いと思うのですが、これはどんな能力を持っているのでしょうか?

吉:タイプ的には珍しいと思うのですが、総合的にパフォーマンスが高いのだろうなと思いますね。

-:特に総合的な部分で挙げるとすると?

吉:乗り手の指示にも従順ですね。そういったところが終いの脚に生かしてくれているのだろうなと思っています。

-:今回は東京のマイルという条件になりますが?

吉:東京では千八の府中牝馬Sで結果を出していますけども、千六になるとまた違いますしね。流れとかも違ってくると思いますけど、決して対応できない馬ではないと思いますので。去年も経験していますから。

-:去年は8着でしたが、今年に向けて何か工夫されたところはあるのですか?

吉:去年は京都牝馬Sからのヴィクトリアマイルだったのでね。今回は間隔も理想的ですし、調整もしやすいので、去年と一番違う点はそこだと思います。

-:余裕みたいなのが出たのですか?

吉:開きすぎてもG1となると…。ちょうどいい間隔だと思います。開きすぎず。

-:マイルへの対応というのは?

吉:もう古馬ですし、競馬も上手な方なのでその辺は心配していないです。

-:G1ホースとして挑むG1ですが、いかがでしょう?

吉:前走は結果が伴わなかったので、何とかね。エリザベス女王杯を優勝している馬ですし、挽回したいです。

-:前走は度外視していいですか?

吉:そう思いたいですね。僕自身は。

-:今回はどんなレース運びを期待されますか?

吉:それはジョッキーにずっと乗ってもらっていて、一番理解してもらっていますので、ジョッキーにお任せします。

-:最後に去年に続いて挑戦するヴィクトリアマイルに向けて意気込みをお願いします。

吉:前走は結果も出せずに残念でしたけども、中間も順調ですし、能力は上位のはずなので、巻き返したいと思います。ファンの皆さん応援して下さい。よろしくお願いします。