【キーンランドC】これぞ職人仕上げ 9歳馬エポワスが記録に花を添える重賞初V!

●8月27日(日) 2回札幌4日目11R キーンランドC(G3)(芝1200m)

函館スプリントSをレコード勝ちしたジューヌエコールが早々に回避を表明。どの陣営にもチャンスありと、サマースプリントシリーズ第5戦のキーンランドCは単勝万馬券となる馬が1頭もいない大混戦。勝ったのは、その混戦を象徴するかのようなブービー人気のエポワス(セ9、美浦・藤沢和厩舎)。2年以上のブランクを乗り越えた9歳セン馬が嬉しい重賞初制覇を飾った。

レースを引っ張ったのはナックビーナス。そこへソルヴェイグが続いて速いラップを刻む。エポワスはじっくりとマイペースで後方を追走。前の2頭が手応え良く直線に入り、残り200mでは一騎討ち。しかし、ハイペースがたたって最後の最後で2頭とも脚が鈍り、間を割って出たのは後方で脚を溜めていたエポワス。結果的に絶妙なポジショニングがモノをいった。

「追い切りのときに馬が走りたがっていたので、少し自信がありました。この前から状態が良くなっていましたし、ちょうど良いコンディションだったと思います。それでも相手が強いので3、4着かと思っていましたが、ラスト150メートルはよく伸びてくれました」と、してやったりの表情は鞍上のC.ルメール騎手。「最初は少し忙しかったですけど、よくガマンしていましたし馬にプレッシャーはありませんでした。直線で馬場の真ん中に出しましたが、進路があいてよく伸びてくれました」とパートナーを称えた。

そして見逃せないのが、現役最多勝トレーナー・藤沢和雄調教師の仕上げ。1番人気で7着に敗れた前走のUHB賞からプラス20キロの馬体重だったが、太目感は全くなく、年齢を感じさせない若々しい姿で6歳以下の他馬を一蹴。レイデオロでダービーを制したゴールデンコンビで通算勝利数が歴代単独2位に躍り出た。

ここ2週はJ.モレイラ騎手の前に少し影が薄くなってしまったが、夏の札幌開催18勝は2位以下を大きく引き離してトップを独走。年間勝利数でもその爆発力をもってすれば、まだまだ首位奪取が可能なポジションだ。「札幌記念では残念でしたが、今日はおじいちゃん馬とコンビで勝てました。今年も札幌で重賞を勝てて嬉しいですし、リーディングを取りたいです。応援してください」と力強い言葉で8月最後の重賞を締めくくった。今年も残すところあと4カ月。ダービージョッキーの反撃に注目だ。