ハイレベルな一戦、制したのはビリーヴの子 ジャンダルム!

デビュー戦を勝利で飾ったジャンダルム

17年9/9(日)4回阪神1日目5R 2歳新馬(芝1600m)

  • ジャンダルム
  • (牡2、栗東・池江寿厩舎)
  • 父:Kitten’s Joy
  • 母:Believe
  • 母父:Sunday Silence

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阪神開幕週には、3鞍の新馬戦が設けられていた。その3鞍ともを制したのが池江厩舎。初日のマイルはビリーヴの牡馬、ジャンダルムが勝ち名乗りをあげ、2日目2000はアゼリの子、シルヴァンシャーが圧倒的1番人気に応えて快勝、牝馬限定の1400戦ではオルフェーヴルの全妹、デルニエオールがやはり非凡な切れを見せて初陣をそれぞれ飾った。
新馬戦総なめの池江厩舎。秀逸な2歳馬を沢山抱えているだけに、こんな芸当は朝飯前なのかも知れない。

その中でも印象に強いのは初日のマイルの新馬戦。3頭の期待馬が集まった。音無厩舎のG1馬ミッキーアイルの妹、スターリーステージが1.4倍の圧倒的人気。2番人気の支持が池江厩舎のビリーヴの牡馬ジャンダルム。そしてロードカナロア産駒の高野厩舎ロードナラキラが割って入れるかの見立てであった。
4コーナー手前で、ジャンダルムが気の悪い面を見せ外へ逃げ気味となる。その外へと来ていたロードナラキラが、それに反応して外へと膨らむ。ジャンダルムはその後はまっすぐに走りラスト200のハロン棒の前に先頭に立って行く。立て直したロードラナキラと反応が遅かったが伸びだしたスターリーステージが追って行くが、武豊Jの左ステッキに呼応して伸びるジャンダルムには及ばない2,3着争いであった。

この3頭の他には、サンライズの2頭が続いた。ロードカナロア産駒の安田厩舎サンライズカナロアは、スタートでやや出が悪く後方からのレース。直線で外から追い上げたが5着。その前に入ったのが、クロフネ産駒の石坂厩舎のサンライズナイト。この馬も後方からのレースではあったが、ゴール前の最後の伸びは悪くないもの。今日は上位の3頭が強かった印象だった。

新馬戦らしく、前半の3Fが38.0で1000mが1.03.5とかなりゆったりめの流れ。当然に決め脚勝負の戦いとなる。ゴール前から2ハロン目の10.9の切れがこのレースの特徴であろう。 ジャンダルムが気の悪いところを出して、武豊Jが腰を落として対応したあたりから次のハロン棒までの間の1ハロンの数値である。前を行っていたストリとナムラルビーをを交わして行く時のスピードである。
立て直したロードナラキラもトップスピードに入れて追いかけてきたところで、勝負のポイントであっただろう。最後の1ハロンも11.6と秀逸なもの。

稽古どおりの結果と言うか、コース追いで上々のタイムを出していたロードナラキラとジャンダルム。坂路で51秒台のタイムは出ていたスターリーステージだが、4コーナーあたりの反応がもうひとつのところがあった。だがそこから伸びて、ロードナラキラと差のないところまで持ってくるのはさすがの脚である。
火曜朝に、韓国帰りの音無師が『休ます予定だったが、京都の1週目に使ってからだね』と次走のプランを言っていた。
フランスから池江師はまだ帰国していないのか姿はみかけずで、具体的な次走のプランは聞いてません。でも先週のレース後の鞍上の会話からも、かなりの器だと感じます。楽しみな馬が出てきましたと、報告しておきます。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。