「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 2月25日 中山11R 中山記念(G2)
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お宝馬☆ドーブネ(10人気) 2着
条件好転の大穴を見抜いた!
- 2月11日 東京11R 共同通信杯(G3)
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お宝馬☆ジャスティンミラノ(4人気) 1着
2週連続で勝ち馬を指名!
【皐月賞】ジャンヌダルク誕生?
2017/4/11(火)
★土曜中山11R ニュージーランドT(G2) ◎本命馬 クライムメジャー 1番人気 8着 出たなりの競馬で、ただ回ってきただけ。特に大きな不利を受けたところもなかった。コース適性なのか、体調なのかは分からないが、パドックでも馬場入りでもイレ込みは目立っていた。メンタル的にカリカリしていて、走る方に気が向かなかったのだろうか?スローのために、控えた馬が軒並み消えたのだから位置取り的に負けるのは仕方ないと思うが、それにしても全く走っていない。
$お宝馬 メイソンジュニア 8番人気 2着 こちらはスローに落として絶妙の逃げ。読み通り、このレースで穴を出すダート血統スプリンターとして最適の馬が好走した。これは来年以降も覚えておきたい。
★日曜阪神11R 大阪杯(G1) ◎本命馬 ソウルスターリング 1番人気 3着 この3着はハズレもいいところ、しかも最も恥ずかしいハズレである。ひたすら反省するしかない。ニコ生競馬をご覧の方は覚えていらっしゃるかもしれないが、この馬が負けるとしたらというテーマで、「ブエナビスタやハープスターは阪神JFの方がチューリップ賞より時計内容がよく、チューリップは余力残しで勝ったが、ソウルスターリングはその反対で、チューリップ賞が桜花賞レコードを超えていた。反動はないのか?」という話になったが、4角から何度も手前を替えて苦しがっていたあたり、疲れはあったのだろう。中間の稽古もやらないのではなく「できなかった」と考えるべきだった。負けるヒントはたくさん出ていたと見るのが予想者としての正しい姿勢だった。
それだけの反動が出ながらの小差3着、馬はやはり強い。普通の馬ならもっと負けていたことだろう。
$お宝馬 アエロリット 6番人気 5着 いつもより位置取りはかなり後ろになってしまったが、直線勝負の競馬ができ、カラクレナイと遜色ない追い込みを見せた。血統的には、次走と目されるオークスの2400となるとやや厳しいが、展開次第では侮れない。
【今週のポイント】
結果はともかく、戦前は焦点が絞れていた桜花賞と正反対、今度は大混戦に加え、大物牝馬の参戦でより混迷の度を増す皐月賞だ。しかも興味深いのは、例年の社台グループ牧場の生産馬やオーナークラブからではなく、1,2番人気が予想されるカデナ、ファンディーナ共に非社台系の馬という点だ。
とにかくどの馬にも長所も不安点もあり難解だ。ファンディーナにしても、牝馬で中山への連続輸送、スローのよーいドンの競馬しか経験がないことは気掛かりだし、内枠に入った場合も心配だ。スワーヴリチャードは小回り適性がどうかだし、カデナの安定度は抜群も、弥生賞の内容が未勝利戦並みであり、いくら負荷が掛からなかったといっても能力が見えてこない。さらにこちらもスローしか経験がない。
とにかく、何頭か有力馬を思い切って消さないと、馬券が組み立てられない異例の皐月賞となる。ファンディーナが牡馬をなぎ倒すジャンヌダルクとなるのかどうかも含め、水曜午後公開の有力馬診断では、個人的に消し候補と考える馬を思い切って指摘することも考えている。
【次回の狙い馬】
土曜・福島2R 4着 連闘から立て直して、今回は持ち前のダッシュを活かせた。同型の2着馬にピッタリ付かれて苦しくなったが、最後まで踏ん張っていた。これなら、勝機は近い。
日曜・中山10R 4着 中山でも走れる馬だが、本線は東京の馬。今回は休み明けのひと叩きと見ていたが、馬場が渋ったこともあって、道悪巧者の血統から想定以上に走った。 今回はプラス10キロで、ここを叩いて良化必至。次は東京の1600m、1800mで勝負となるはず。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。