今年の無敗の牝馬3冠、デアリングタクトがこのレースを経ていないのは何とも皮肉ではあるが、女王決定戦であるのは間違いない。今年も豪華絢爛な顔ぶれで負けていない連勝馬が4頭もいるし、負けても好素材の馬が多そうだ。

無敗馬では、まずはソダシ。兄弟馬のイメージからもダートがベターと思えたのが芝でも強い、強い。特に前走のアルテミスSではゴール前は突き放す一方であった。

こちらが北海道デビュー組の頂点であれば、小倉2歳王者のメイケイエールが、ファンタジーSを勝った内容が粗削りながらの押し切り勝ちであった。

中京で2連勝のポールネイロンも速い。そして関東から国枝、ルメールにディープインパクト産駒と黄金比のサトノレイナス。かなりの切れ者だ。以上が負け知らず。

他でもメイケイエールの後ろで相当なる脚を使い迫ったオパールムーン。ジェンティルドンナの子供、ジェラルディーナも侮れない。どうやら狂喜乱舞な戦いとなりそうである。


チュウワウィザード
【チャンピオンズカップの回顧】

20年12/6(日)3回中京2日目11R 第21回 チャンピオンズカップ(G1、ダ1800m)
  • チュウワウィザード
  • (牡5、栗東・大久龍厩舎)
  • 父:キングカメハメハ
  • 母:チュウワブロッサム
  • 母父:デュランダル

チャンピオンズカップ(G1)の結果・払戻金はコチラ⇒

産後の養生に帰ってきていた娘を面倒見てくれてたカミさんの慰安を兼ねての小旅行。何とか温泉の部屋のTV中継には間に合った。

4コーナーを廻る時の感じからも、前を行くインティを捕らえる感じのしないクリソベリルの勢いである。その嫌な予感が実現する。直線でもすぐ横を前へと上がって行くチュウワウィザードの勢いに完全に呑まれてしまう。こんなクリソベリルを観るのは初めて、まるで今までとは別な馬の感じであった。

勝ったチュウワウィザードや前の2頭がゴールに入る瞬間にも、信じられないものを観た感じであった。チュウワウィザードを映し続けるTVをただ、ただ見つめていた。こんなことがあるのかと。確かに前半の3ハロンあたりでやや行きたがるクリソベリルではあった。だからと言って、あの後も掛かって掛かって行きたがっていた訳ではない。まずは普通の流れだと読んでいた。それなのに、あの4コーナーを廻ってくる時にいつものガツンと勢いづいた処がないと思えた。

そして翌日、手にした週刊競馬ブック誌に掲載してある、レース後のコメントを拝見したが、戦前からこの結果は予測出来たと言わんばかりの内容だった。現場にいないだけに、クリソベリルの状態がそれほどに良くなかった事を知らない。確かに坂路の最終追い切りの動きはそう目立つものではなかった。だが、稽古は稽古。実戦は違うのが最近の傾向だ。負けていない相手に負けてしまう。それもこれほど簡単にあっけなく負けてしまうとは、今だに信じられない思いでいる。

何度もビデオを観た。G1は強い馬がちゃんと勝つと言うのをこの数週間、身を持って経験している。それが競馬であろう。強い馬は強いんだと。

《勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし》野村克也名言集からである。負けるにはちゃんと理由があるはず。その敗因を知りたい。何かがあったのだろうか。《競馬に絶対はない》とこれも言われて来た格言ではあるのだが…。