日経新春杯と言えば、あのテンポイントを思い出してしまう。雄花栗毛の綺麗な馬であった。

雪の降る、1978年 1月22日。海外遠征前の壮行会として出走してきたテンポイント。66.5キロと、ハンデ競走としてはとてつもない斤量での出走。あの4コーナーでの寂しい光景は今でも脳裏に焼き付いている。あれからもう幾年月だ。競馬には悲しい一面もある。命を懸けて走っているサラブレットに感謝の気持ちしかない。

今週も競馬を楽しませて貰う。アドマイヤビルゴヴェロックス。まだどちらも重賞勝ちのない過去で、これからではあろう。

そんな意味でもダイワキャグニーに注目だ。ほぼ関東圏での出走ばかり。唯一、西下したのが昨春の金鯱賞。逃げたがサートゥルナーリアの3着だった。ハンデはここでもトップハンデだろう。だが東京コースで8勝と、ほぼ左廻りを主戦場にしている。先週のレースの結果からも前、先行馬有利。この馬を中心の考えでいいだろうと。


ピクシーナイト
【シンザン記念の回顧】

21年1/10(日)1回中京3日目11R 第55回 シンザン記念(G3、芝1600m)
  • ピクシーナイト
  • (牡3、栗東・音無厩舎)
  • 父:モーリス
  • 母:ピクシーホロウ
  • 母父:キングヘイロー

シンザン記念(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒

今年はアーモンドアイ、ジェンティルドンナ級の女傑は出なかった。牝馬はこの10年で3勝。面目丸つぶれの牡馬勢のシンザン記念だ。ルメールがデビューから3戦、手綱を取る牝馬のククナが当然の様に1番人気の支持。そんななか、ピクシーナイトが綺麗な逃げ切り劇を演じて、モーリス産駒の重賞初勝利となった。

ピクシーナイトが、ゲートを真っ先に飛び出しそのまま誰にも並ばせない完璧な勝利。前半3Fが34.7で後半が35.2と終いはかかったが、2着の同じくモーリス産駒のルークズネストには0.2秒の差だった。

いつもどおりにパトロール・ビデオで見直す。かなり砂埃があがっているのが判る。レースをライブ観戦中は気が付かなかった。この現象はいつからなのかと土曜からの芝の全てを見てみた。特に向こう正面に入ってが凄く、3コーナーを廻って4コーナー手前まで濛々たる砂埃りが続く。また、レース後の談話を読むと、内有利だとの声が多かった。

中京は差しが決まるコースと勝手に解釈していたが、そんな傾向をあざ笑うかの様な馬場状態。後ろから付いて行っているうちに気持ちが嫌になりそうな砂煙、砂埃りだ。そこを如実に察した鞍上、福永騎手の頭脳的プレーと言えようか。

2戦目の秋明菊賞で、ゲートがモッサリ。一瞬にして最後方、内枠だけに拘ってのレースを進める。経済コースを通っているから終いしっかり伸びたが、前が逃げ切る流れだけに3着まで。上りはメンバー最速も、勝ち馬とは明らかに道中の位置の差があった。そんな結果だけにまともに出たらとは思えたが、よもやの逃げとは。勝ちに行ったと解釈したい。

道中、後ろとなったククナにセラフィナイトはいい脚を使えても、ここまで。2番手のバスラットレオンが3着。2着のルークズネストが砂を被りながら良く伸びて来ていた。この馬は次も怖い存在か。

時計は中京コースだからこそで、そう速い流れでもない。少し小粒なシンザン記念であったと思うのだが。