副題であるディープインパクトを記念してあるレースではあるが、残念ながら今年は1頭もその産駒が出ていない。だが、2歳王者のダノンザキッドがここから今年の戦いを始める。3戦3勝。3戦とも違うコースを走って経験値は高い。

デビュー戦はまったく手綱が動かず。2戦目の東京スポーツ杯2歳Sでもステッキは一度も入っていない。前走は4コーナー手前から鞍上の手が動き出し、先頭に立った直線ではあと1ハロンから右ムチで叱咤激励。道中も若さ溢れる走りをしていて、決して着差ほど楽な勝ち方ではなかった。まだ子供ぽいのだろうと推測できる。

そのダノンザキッドに前々走で負けたが、内容の悪くないタイトルホルダー。レシステンシアの弟、グラティアスが勝った京成杯組からは2着馬タイムトゥヘヴン、3着馬テンバガーが参戦。

そして2戦2勝の外国産馬、シュネルマイスター。これも前走、ルメールの手綱は動かなかった。かなり奥のある馬かも知れない。


【阪急杯の回顧】

21年2/28(日)1回阪神6日目11R 第65回 阪急杯(G3、芝1400m)
  • レシステンシア
  • (牝4、栗東・松下厩舎)
  • 父:ダイワメジャー
  • 母:マラコスタムブラダ
  • 母父:Lizard Island

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相手関係から中山記念のヒシイグアスは楽に勝つのだろう、と。こちら阪急杯はG1馬達の力のぶつかり合いだけにゴール前は混戦模様になるのだろう、と考えてもいた。それがどうだ。ヒシイグアスはゴール前の最後のひと伸びでやっと前に出ただけの苦しい勝利であり、阪急杯はあと1ハロンでステッキを1発入れたレシステンシアが、100を切ったあたりでポンポンと2つ3つ入れたステッキでさらにグーンと加速して行く。この舞台での過去30回近い1400芝で、初めての1分20秒切れ。当然にレコードでの勝利だった。

それにしてもレシステンシアは強かったが、ダノンファンタジーにしろインディチャンプにしろ、一度も並ぶところまで行けないとは。なかなか思う様な競馬にならない。

そもそもダノンファンタジーがあんなゲート内でチャカついてタイミングが悪いことは、今までになかったと思う。出た瞬間に隣のカツジと馬群の一番後ろ。少し追い上げてインディチャンプの右後ろまで行けていたが、そこでも前から10頭目ぐらいの処。それ以上は馬群がビッシリで行けない。前半3ハロンが34秒フラットは、このクラスでは楽な入り。2番手ジャンダルムが1馬身後ろで、前へのプレッシャーはゼロと言っていい。

前へ行った4、5頭は4コーナーも小さく廻って、ほとんど距離ロスがない。2着ミッキーブリランテ、3着ジャンダルムとほぼ前残りの結果である。

レシステンシアが2歳女王に昇り詰めた時もやはりレコード勝利だったが、その時の1000通過が57.5。1200通過が1.08.7だったが、今回はその時よりも速い56.6であり、1.07.4である。まさしく『速いは強い』なのである。

骨折明けでの半年ぶりの前回が500キロの大台。今回はさらに増え508キロ。しっかりと追ってきてこれ。まさに充実期だろう。この後の高松宮記念はともかく、マイルまでの距離なら相当強い。これからも強い競馬を見せて貰おう。