ソダシが勝った昨年のこのレースからもう1年が経ったのかと思う。過去にこのレースで勝って行った馬やここで負けた馬もその後に活躍した馬が沢山。いかに大事な一戦なのかが良く判る。今年もじっくりと観て今後の参考にしたい。

デビューから負けていない馬が9頭。3戦3勝のウォーターナビレラを筆頭にナミュール、ダークペイジの3頭が複数回の勝利馬だ。ウォーターナビレラはレース巧者である。それはかなりの武器ともなろう。

ナミュールの前走、赤松賞での上り33秒フラットはかなりの切れ味。左廻りの経験しかないがそこは心配ないだろう。鞍上のC・デムーロは今週の稽古で跨るのかも知れない。

アルテミスS組のサークルオブライフもいい脚で勝った。2着のベルクレスタも悪くない内容で、デビューから引き続きの継続騎乗も好感だ。ナムラクレアはファンタジーSで勝ち馬以上の脚を使ったと、けっこう目移りする。ウォーターナビレラ中心も混戦模様だ。

【チャンピオンズカップの回顧】

21年12月5日(日)中京11R チャンピオンズカップ(G1、ダート1800m)
  • テーオーケインズ
  • (牡4、栗東・高柳大厩舎)
  • 父:シニスターミニスター
  • 母:マキシムカフェ
  • 母父:マンハッタンカフェ
2着に6馬身、それもまだまだ伸びて行きそうな勢いのままでのゴール。強い、強すぎるテーオーケインズの独壇場の今年のチャンピオンズカップだった。

今年の注目は何と言っても牝馬G1を2勝もした3歳馬ソダシの参戦だった。それも芝でレコード勝ちをしても血統は父クロフネに母ブチコからもダートでの活躍は約束されたような血筋。その馬が初ダートをここに選んでの緒戦。絶好枠を得て、白い馬体がそのまま真っ先にゴールへと入るシーンをまず描いてしまうだろう。

ところが競馬の神様はそうお手柔らかくはない。4コーナーまでマイペースの逃げで来ていながら、直線のあと300でインティに交わされてからは脆くも馬群に埋もれた。12着、テーオーケインズからは2秒3差の結果であった。

その1頭前がハナ差でカフェファラオ。この馬もブリンカーを初めて着用とこの一番に賭けたが昨年の6着から着順を下げた。いかに初めてと試みることが難しいのかを教えてくれる。

収録してあったBS1の競馬番組を見直す。パドックからレース後のインタビューまで観る。テーオーケインズの馬体はおよそダート馬のイメージではない。

むしろシュッとした流線型で芝でより走れそうな体だ。デビューからダート戦以外を知らない。兄弟馬にそう傑出した馬も居ない。この1年ぐらいでドンドンと強くなっている。特に今年に入っては先の金沢のJBCの4着だけ。ゲートが悪すぎての敗戦でもあった。

その後にゲートの練習。今回もダノンファラオがゲート内で潜りかけて時間がかかった。その間もじっと耐えていた。すぐに絶好の3列めぐらいに付けて、直線のあと200ぐらいで外のサンライズホープを弾き飛ばして進路を確保した後の伸びは半端なかった。

2着のチュウワウィザードもこの流れで良く外から脚を伸ばしたが6馬身の差が物語る。完敗だろう。

そして今回もファンの眼の確かさ。最後はソダシを抜いて1番人気の支持。恐れいった。