GⅠ馬のダノンザキッドが今年の初陣をここからスタートする。2020年の最優秀2歳牡馬である。

新馬、東京スポーツ杯2歳S、そしてホープフルS勝利の3戦3勝での受賞となった。ところが年を明けての3歳時は弥生賞3着、皐月賞は15着。スタートと道中の不利はあったにしろ負け過ぎの感があった。骨折でダービーへの出走は敵わず。

回復しての秋はマイル路線に替えての4着、3着。過去1800芝は2戦2勝。馬体も過去最高の528キロと成長も伺える。来月26日のドバイターフにも選出されており、結果が求められる一戦だ。

カラテが約1年余りの間に充実した成績を残した。一昨年の12月に2勝クラスから3連勝で東京新聞杯を勝つまでに。安田記念こそGⅠの壁に跳ね返されたが関屋記念2着、京成杯オータムH5着。そして今年、ニューイヤーSを勝利して前走、東京新聞杯も3着と安定している。引退の高橋祥師に最後の最後に大きなプレゼントかも。

【フェブラリーSの回顧】

22年2月20日(日)東京11R フェブラリーS(G1、ダート1600m)
  • カフェファラオ
  • (牡5、美浦・堀厩舎)
  • 父:American Pharoah
  • 母:Mary’s Follies
  • 母父:More Than Ready
  • 通算成績:11戦6勝


フェブラリーSの不良馬場での戦いは何と2007年以来。朝からのレースでは前で進めない馬にはチャンスがなさそうだった。

レッドルゼルが1番人気。昨年の当レースでカフェファラオの4着。金沢のJBCスプリントをレコード勝ちしての今回だ。

2番人気に昨年の覇者カフェファラオ。ただその勝利の後はかしわ記念5着。芝へチャレンジの札幌記念は参考外としても暮れのチャンピオンCで11着の敗退。そして驚きの鞍上の変更となった。前任者ルメールとは2020年のシリウスSでコンビを組んで6戦。昨年のGⅠ勝利のコンビを解消するとは解釈に迷った。

ルメールはテオレーマ。JBCレディスクラシックなど交流競馬の牝馬重賞を勝っている馬あるが、望んでの騎乗とは思い難い。いくら彼の重賞での結果が出ていないと言っても、いちばん日本で多く勝つジョッキーである。

私は先週の重賞展望で《ルメールが乗らないなら消したい》と書いた。そして今、調子がいいとテイエムサウスダンを推した。天気予報を詳しく頭に入れて前が有利説はどんどん膨らむ。そして最終結論はインティの3年ぶりの勝利に期待した。もちろん前へ行くインティである。

それもスタートで終わった。後ろで掛かる最悪な内容で出番はなかった。驚きはテイエムサウスダンである。この相手関係であの位置での競馬とは思いもしなかった。

それにしても力を出し切った時のカフェファラオの強さだ。勝ち時計の速さもさることながら上り3Fの速さである。34・6であり最後の1Fは11・8。これでは後ろの馬が来れる訳がない。

この鞍上に依頼した理由が何となく判ってきた。ゲートも上手く、左廻りを得手とする福永Jである。そこへ依頼するのが調教師の役目なのだろう。ソダシにゲートまで付き合っていた須貝師の仕事ぶりもTV画面で伺えた。素直に馬の力を信じた人達が正解だった今年最初のGⅠであった。