どうやら今週の中山芝も先行有利な馬場コンディションとなりそうだ。週間天気予報では 雨はなさそうである。

先週の中山記念の様な例は稀であろうが、やはり前々でレースを進める馬が優位にはなりそうだ。後はその馬の持っているポテンシャルであろうか。今年は朝日杯優勝馬が出走する。ドウデュース、2歳王者がここからスタートする。

デビューが真夏9月の小倉競馬。そこでクビ差の勝利から始まった。東京、阪神競馬とキャリアを積んできた。全てのレースでクビ差、半馬身差での勝利。友道師の《頭のいい馬、余分な事はしない馬》の分析がピッタリと合う。

前走の朝日杯で見せたレースセンスの良さ。3冠でもいちばん難儀なのが中山コースで行われる皐月賞。3コーナーからのカーブと直線で の急坂も影響するのかと思える。トライアル戦でもそこは一緒、その難問もドウデュースなら無事にクリアしてくれるだろう。個性溢れる相手が揃った今回。じっくりと観たい。

【中山記念の回顧】

22年2月27日(日)中山11R 中山記念(G2、芝1800m)
  • パンサラッサ
  • (牡5、栗東・矢作厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:ミスペンバリー
  • 母父:Montjeu
  • 通算成績:19戦5勝


どう見ても、逃げ一車のパンサラッサ。後は徹底先行でそのまま押し切れるかだけ。開幕週で明らかに先行有利な状況の中山競馬である。

4コーナーに入る時には後続に6馬身ぐらいのセーフティリードをとっていた。そのまま中山の急坂も昇りきる。最後は脚色が完全に止まっているが、後続もそう詰められない。結局はカラテに2馬身半のリードをとってのゴール。ちょっと前に行われた阪神の阪急杯もここもロードカナロア産駒の重賞制覇となった。何せ凄まじい逃げだった。

最初の1F、ゲートを出てから最初の200mも自分がマーク。そこが12・7秒で、ゴール前の2Fが12・2秒と13・5秒。その3Fを足す38・4秒。勝ち時計からその3Fを引くと1200mを1・08・0秒のハイペースで行ったこととなる。その6Fが11秒台のラップ、それも11秒台後半が一度だけの11・6秒。あとは全て11秒台前半のハイラップを刻んで付いて来た2頭はブービーと11着だった。それも道中は離して逃げている訳でなく3、4馬身のリード。後600あたりで5馬身ぐらいのリードだっただろうか。

淡々と逃げるでなくドンドンと行くスプリント型の先行。最後は止まっている数字であろうが後ろもアップアップだっただけに止まった感はなかった。パンサラッサの個性である強烈な逃げが見事に勝利に結びついたレースだった。

開幕週の中山競馬。絶対に先行有利な芝である。それを1番人気のダノンザキッドはスタートで上へと飛ぶように出た。一瞬にして馬群の後ろとなっていた。それでも向こう正面では外めをあがって行き、カラテの前でレースを進めてはいた。それでいて最後は電光掲示板にも載らない。直線半ばで脚も止まった。やや暗雲こめた休み明け緒戦となった。

パンサラッサの様な個性ある馬は楽しい。この後に出てくる度に展開面で注目を集めるだろう。GⅠ戦線が楽しくなって来た!