三日間競馬となる今週である。月曜日はグリーンチャンネルが途中で終わる事もないのがいい。

日曜日は中山ではスプリングSで若駒の皐月賞へ向けての戦い。阪神では天皇賞へ向けての戦いとなる秋の天皇賞が最近はJCの絡みもあって人気であるが、昔は淀の長丁場の戦いで趣があったものだが。

この2年の勝者のユーキャンスマイルにディープボンドが出てくる。共に昨暮れの有馬記念に臨んだがディープボンドは2着と凱旋門賞惨敗から立ち直っての姿を見せた。が、ユーキャンスマイルは9着。昨年のここで2着の後は成績はあがらない。だが札幌記念もGⅠ級の相手だったし、他の4戦は全てがGⅠ戦。やはり長丁場となると浮上してくるのだろう。

アイアンバローズにキングオブドラゴンが前走逃げて好走している。この2頭が展開の鍵を握りそうだ。注目したいのは前走が格上挑戦で勝利したマカオンドール。父が3連勝のここでこそ活躍の場だ。

【金鯱賞の回顧】

22年3月13日(日)中京11R 金鯱賞(G2、芝2000m)
  • ジャックドール
  • (牡4、栗東・藤岡健厩舎)
  • 父:モーリス
  • 母:ラヴァリーノ
  • 母父:Unbridled’s Song
  • 通算成績:9戦6勝


久々に個性ある馬の登場だ。ジャックドールはモーリス産駒。ピクシーナイトが昨年のスプリンターズSを制した様に重賞勝ちは短めで活躍の子供達だったが、やっと父に似た感じの馬が出て来た。

父、モーリスはGⅠを国内外で6勝。マイルから晩年は天皇賞に香港カップと2000でも安定した内容で勝った。祖父、スクリーンヒーローからモーリスへ繋いだ血がジャックドールにみごと受け継がれてきたと言えよう。

何よりも早い馬である。重賞へ初挑戦となった今回だったが並んでいたのはゲートだけ。影をも踏ませない逃げ切りで重賞初制覇をレコードで飾った。

2着はレイパパレ、すっと前につけ3番手で進め、直線で追い詰めようとしたがその差は縮められなかった。3着がエリザベス女王杯勝ちのアカイイト。道中は好位の内ラチ沿いで脚を貯め、直線で外へ出して追い込んできたもの。体が実に良く見えたし、充実ぶりが判る。

サンレイポケットはスタートは五分で、いつもより前めでレースをした。4コーナーに入る時に誰よりも早く鞍上の手が動いていたし、いつものジワジワとした伸びさえなかった。

ゲートが開いてショウナンバルディがどう出るのか注目していたが、最初から抑える意図だったのか行く気を見せなかった。その時点でジャックドールの勝利は半分以上は約束されたか。シフルマンが外から前へ来たがジャックドールの前へと出る気はなし。

レイパパレが3番手で最初の1000mが59.3秒はこのメンバーではスローの流れ。そこらでアカイイト、ショウナンバルディが前との差を詰めていたのが印象的。やはり直線では脚を使えていた。4着のポタジェの脚色は凄かったが前にまで届かなかった。

ジャックドールはステッキを2発、後は見せムチで気を抜かぬ様に対応していた。次は大阪杯になろうか。日程はタイトだが父モーリスの7連勝を目指してジャックドールの挑戦は続く!