競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【マイラーズC】安田記念に繋がる一戦!
2022/4/18(月)
今週は阪神でマイラーズC、東京はオークストライアルのフローラS。マイラーズCは6月5日の安田記念へ繋がる戦いとなる。
エアの2頭は共に前走でリステッド競走での勝利とその前のレースの不振から巻き返した。ハットトリックの血が流れるエアファンディタ。全勝ち鞍と連対がマイル戦で4戦前からブリンカー着用も効果大だ。
エアロロノアは昨年のここで1番人気、3連勝の内容も良く支持を集めたがOPの壁に跳ねのけられたか。それでも2位タイの脚を使い勝ち馬からコンマ2秒差の5着は悪くない。あれから1年を経てどこまで強くなっているのか。
展開はホウオウアマゾン、内枠なら逃げ切りも十分。前走11ケ月ぶりのレッドベルオーブがガラリ一変する可能性も大だろう。
【皐月賞の回顧】
22年4月17日(日)中山11R 皐月賞(G1、芝2000m)
- ジオグリフ
- (牡3、美浦・木村厩舎)
- 父:ドレフォン
- 母:アロマティコ
- 母父:キングカメハメハ
- 通算成績:5戦3勝
目の前を馬が歩く。しばらくぶりの競馬場。それも皐月賞のパドックだ。1頭ずつ記憶する様に観る。ダノンベルーガ、まだ若い。アスクビクターモア、ディープでも毛色がちょっと違う。ドウデュースは落ち着き払って廻りを気にしていない。ジオグリフ、栗毛がいちばん難しい。陽光の加減で輝いたりクスんだりする。お尻の丸みは凄いと感じた。ドウデュースは尖っていてまだまだなのに。デシエルトは精悍ながら気負いにも繋がっている。イクイノックス、目つきが凄い。顔はキタサンブラック似か。馬は出来ている。返し馬も少しは見れた。馬場は短距離は内も、それ以外は中から外の決着だ。
ゲートが開いた。デシエルトが意外とモタつき内のアスクビクターモアの2番手で最初のコーナーに入る。ドウデュースが後ろに居るのに驚く。向こう正面でイクイノックス、ダノンベルーガ、ジオグリフが5、6番手だ。放送で1000m通過が1:00.2秒と告げる。ドウデュースはまだまだ後ろだ。
3コーナーを廻って後600m、イクイノックスが4番手に進出。ダノンベルーガは内を進める。後400mでイクイノックスにジオグリフが並ぶ。アスクビクターモアから横一列となる。ダノンベルーガはその後ろの最内。ドウデュースはさらに一列後ろの大外でまだ前と差がある。グーンと加速しつつカーブは入る。
直線で全貌が見えた。ダノンベルーガはアスクビクターモアの内へ並ぶ。外ではイクイノックスにジオグリフが並ぶ。鞍上がジオグリフの手前を替えさせた。後200mでその4頭が一瞬は並ぶも伸びて行くのは外2頭。ジオグリフの方が先にステッキを入れた。先に抜け出したイクイノックスにジオグリフが追いつき追い抜いた。福永Jの雄たけびと共にジオグリフが先頭でゴールした。ドウデュースは良く追い込んでは来たが3着が精いっぱい。コースを読み切って動いた鞍上とジオグリフの皐月賞であった。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。