競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【NHKマイルC】過去の勝ち馬を見ても、今年も楽しみでしかない!
2022/5/3(火)
朝日杯FSでドウデュースに迫ったセリフォス、レース巧者の印象を受けたものだった。鞍上に福永Jがこれまた強力なポイントとなりそうだ。その朝日杯FSで3着のダノンスコーピオンも共同通信杯での不振を前走でキッチリと立て直した。やはり良きライバルだろう。
そしてニュージーランドトロフィー組。勝ったジャングロも差し返す様なゴール前で味な競馬だったし、負けはしたがマテンロウオリオンもデビューからの戦いかたを見ると面白い存在である。まだまだ曲者がいる。ブルパレイもデビューからM・デムーロとのコンビ。差しに廻ったこの2戦がいい内容だ。レーンのインダストリアも何かやらかしそう。良馬場で競って欲しい。
【天皇賞・春の回顧】
22年5月1日(日)阪神11R 天皇賞・春(G1、芝外⇒内3200m)
- タイトルホルダー
- (牡4、美浦・栗田徹厩舎)
- 父:ドゥラメンテ
- 母:メーヴェ
- 母父:Motivator
- 通算成績:11戦5勝
18頭でただ1頭のGⅠ馬。タイトルホルダーが7馬身もの差で菊花賞に続き、春の天皇賞を勝利した。日差しも戻った阪神競馬場、テラスにも多くの人で溢れた。3200mの長丁場だが肝心なのは何時でもスタート。3コーナー手前からのスタート。予測どおりの展開になるのか。固唾を飲んだゲートオープン、ゲートの枠でハッキリ見えずも何か外で異変。白い馬体がガクンとした。シルヴァーソニックがスタート直後躓き落馬。気をとられていたがすぐ前に視線を戻す。
タイトルホルダーが猛アクションで前へと出て行く。⑯番枠から内ラチへはダッシュを利かせないと近寄れぬ。その意図が読めた。ディープボンドも押して前へと、アイアンバローズの前へ入る。④枠2頭が2番手で外廻りコースへと入る。タガノディアマンテが上がり3番手テーオーロイヤルの外へ、タイトルホルダーの逃げは最初の4コーナーで6馬身ぐらいリード。スタンド前では4馬身ぐらい。
2コーナー過ぎに2馬身ぐらいと十分に息を入れる。むしろ2、3番手の手が動きだす3コーナー手前。テーオーロイヤルにステッキが1発入った。後800mで2番手の外へ並んだテーオーロイヤル。後600mではタイトルホルダーから1馬身少し。これが後続馬がタイトルホルダーにいちばん近づいた時。ディープボンドがその3馬身後ろでステッキを連打。タイトルホルダーが一番危なかったのは左ステッキから右に持ち替えた後200m、空馬のシルヴァーソニックが内ラチ沿いを前へ急接近。そこで横山和Jの右ステッキ2発に馬がひるみ下がった。何事もなくゴールへしたタイトルホルダーの鞍上が左手を高々と掲げた。
タイトルホルダー強しの天皇賞、ディープボンドが何とかテーオーロイヤルを抜いて2着。7馬身の差だったが昨年に続き2着。4歳世代強し、菊花賞馬強しだった。横山和生のGⅠ初勝利が天皇賞。いよいよ熟成の頃合いだ。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。