この10年の勝ち馬も馴染みの多いものだが、過去を振り返ると凄い馬達がここを通過して行った。エルコンドルパサー、クロフネ、キングカメハメハ、まだまだ紙面が足りないぐらいだ。今年も楽しみでしかない。

朝日杯FSでドウデュースに迫ったセリフォス、レース巧者の印象を受けたものだった。鞍上に福永Jがこれまた強力なポイントとなりそうだ。その朝日杯FSで3着のダノンスコーピオンも共同通信杯での不振を前走でキッチリと立て直した。やはり良きライバルだろう。

そしてニュージーランドトロフィー組。勝ったジャングロも差し返す様なゴール前で味な競馬だったし、負けはしたがマテンロウオリオンもデビューからの戦いかたを見ると面白い存在である。まだまだ曲者がいる。ブルパレイもデビューからM・デムーロとのコンビ。差しに廻ったこの2戦がいい内容だ。レーンのインダストリアも何かやらかしそう。良馬場で競って欲しい。

【天皇賞・春の回顧】

22年5月1日(日)阪神11R 天皇賞・春(G1、芝外⇒内3200m)
  • タイトルホルダー
  • (牡4、美浦・栗田徹厩舎)
  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:メーヴェ
  • 母父:Motivator
  • 通算成績:11戦5勝


18頭でただ1頭のGⅠ馬。タイトルホルダーが7馬身もの差で菊花賞に続き、春の天皇賞を勝利した。日差しも戻った阪神競馬場、テラスにも多くの人で溢れた。3200mの長丁場だが肝心なのは何時でもスタート。3コーナー手前からのスタート。予測どおりの展開になるのか。固唾を飲んだゲートオープン、ゲートの枠でハッキリ見えずも何か外で異変。白い馬体がガクンとした。シルヴァーソニックがスタート直後躓き落馬。気をとられていたがすぐ前に視線を戻す。

タイトルホルダーが猛アクションで前へと出て行く。⑯番枠から内ラチへはダッシュを利かせないと近寄れぬ。その意図が読めた。ディープボンドも押して前へと、アイアンバローズの前へ入る。④枠2頭が2番手で外廻りコースへと入る。タガノディアマンテが上がり3番手テーオーロイヤルの外へ、タイトルホルダーの逃げは最初の4コーナーで6馬身ぐらいリード。スタンド前では4馬身ぐらい。

2コーナー過ぎに2馬身ぐらいと十分に息を入れる。むしろ2、3番手の手が動きだす3コーナー手前。テーオーロイヤルにステッキが1発入った。後800mで2番手の外へ並んだテーオーロイヤル。後600mではタイトルホルダーから1馬身少し。これが後続馬がタイトルホルダーにいちばん近づいた時。ディープボンドがその3馬身後ろでステッキを連打。タイトルホルダーが一番危なかったのは左ステッキから右に持ち替えた後200m、空馬のシルヴァーソニックが内ラチ沿いを前へ急接近。そこで横山和Jの右ステッキ2発に馬がひるみ下がった。何事もなくゴールへしたタイトルホルダーの鞍上が左手を高々と掲げた。

タイトルホルダー強しの天皇賞、ディープボンドが何とかテーオーロイヤルを抜いて2着。7馬身の差だったが昨年に続き2着。4歳世代強し、菊花賞馬強しだった。横山和生のGⅠ初勝利が天皇賞。いよいよ熟成の頃合いだ。