近年も牝馬が強い、いやどの時代も牝馬は強いのかも知れない。アーモンドアイもグランアレグリアも熟成の5歳春に7個目と6個目のGⅠ勝利でここを通過して行った。今年も錚々たるメンバーである。

2歳女王、桜花賞馬のソダシ。牝馬3冠のデアリングタクト。そして道悪の大阪杯でコントレイルやグランアレグリアを抑えて堂々の勝利のレイパパレ。アカイイトも元気いっぱいだ。GⅠ勝ちこそないがレシステンシアにソングライン、ファインルージュも居る。

ソダシ、ソングライン、ファインルージュの4歳世代が円熟の5歳世代に挑む戦いとなるのだろうか。悩ましいのはソダシがダート戦からまた芝へ戻ってきた事や、デアリングタクトが約1年ぶりの実戦。まだある、レシステンシアが昨年のここ6着からスプリント路線に本格参加した筈だったが。レイパパレのマイル戦もデビューの2戦以来である。雨予報もあって何とも難しい一戦である。

【NHKマイルCの回顧】

22年5月8日(日)東京11R NHKマイルC(G1、芝1600m)
  • ダノンスコーピオン
  • (牡3、栗東・安田隆厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:レキシールー
  • 母父:Sligo Bay
  • 通算成績:6戦4勝


朝にアメリカ競馬の最高峰であるケンタッキーダービーを観戦。まるで映画のストーリーの様な結果に痺れた。日本の競馬システムではあり得ない繰り上がり出走。本場でも人気にならないのは当然。それがクラウンプライドの内を縫う様にあがって行って1番人気馬を差し切ってしまうのだから、これこそアメリカンドリームだった。

我が国のGⅠではそんな事はなかろうと観ていたNHKマイルC。最低人気のカワキタレブリーがグイグイと伸びて、クビ・クビ差の惜しい3着。いやはや、競馬は何が起きても不思議でないのだが、しばらく呆然としていた。

カワキタレブリーが3着だったが電光掲示板に載った4頭はほぼ人気馬で収まったが1番人気セリフォスの4着が何とも言えない負け方。これほど伸びないセリフォスのイメージが湧かなかった。

確かに前半3Fあたりではやや掛かり気味で前の3頭の勢いにも負けないぐらいの行きっぷりだった。だがその後に内へ控えて脚を貯めていた。直線では内ラチ沿いのちゃんと芝が残っている処を選択。後1Fではほぼ先頭に出た筈である。先行した③枠2頭の外をダノンスコーピオンが鋭く伸びて行くのに、セリフォスが思ったほど伸びて行かない。カワキタレブリーとマテンロウオリオンが鋭く伸びてダノンスコーピオンに迫って行くのにセリフォスは水を開けられていた。

そもそも、ダノンスコーピオンが⑱番枠を引いた時点で《ないな~》なんて発想では甘すぎた。レーン人気なのか2番人気のいインダストリアはもうひとつ伸びきれずの5着。2歳GⅠの朝日杯FSで5着のジオグリフが皐月賞を勝ち、3着だったダノンスコーピオンがNHKマイルCを制した。

ドウデュースにセリフォスの1、2着馬が後塵を浴びる。これも競馬だ。まだまだ3歳馬のトップクラスの戦いはこれからだ。馬券は外れはしたがある程度、整理はついてきた。5月は競馬が忙しい!