競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【ラジオNIKKEI賞】上半期も終わり、これから競馬は夏のローカルシーズン
2022/6/27(月)
その16回で関西馬は6勝で関東が10勝。新潟とは違って関西からは遠い福島での競馬だけにこの結果は当然であろうか。あまり牝馬の参戦が少ないレースだが今年は3頭。
桜花賞へ出走のクロスマジェスティとNHKマイルへ出たソネットフレーズ。そして前走で2勝目をあげたタガノフィナーレ。
牡馬は皐月賞で後塵を浴びはしたが大一番を経験したサトノヘリオスにボーンディスウェイ。そして毎日杯2着のベジャールとけっこうなメンバー構成。小回りコースながら逃げ切りは少なく、短い直線でも差しが決まる。モーリス産駒の大型馬ベジャールは安定感十分。ゴーゴーユタカのマイルと右回りに専科しての堅実さに注目。
【宝塚記念の回顧】
22年6月26日(日)阪神11R 宝塚記念(G1、芝2200m)
- タイトルホルダー
- (牡4、美浦・栗田徹厩舎)
- 父:ドゥラメンテ
- 母:メーヴェ
- 母父:Motivator
- 通算成績:12戦6勝
- 重賞勝利:
- 22年宝塚記念(G1)
- 22年天皇賞(春)(G1)
- 22年日経賞(G2)
- 21年菊花賞(G1)
- 21年報知弥生ディープ記念(G2)
TV画面に映るスタンド前のテラスは人、人で埋まっているかに観えた。4コーナーからのカメラアングルのせいなのか。人で溢れている様にさえ感じた。残念ながらオーソリティが直前に競走除外となったが、選ばれし馬の熱い戦いを固唾を飲んでゲートオープンを待つ幸せな時間であった。
ゲートが開いた!。トップスタートはタイトルホルダー、スッといちばん前に出た。ヒシイグアスもすぐ後ろの好スタート。やっとダッシュを利かせたパンサラッサが出てきた。スタート自体がもうひとつ早くなかったパンサラッサ。外を確認しながら前へと出てきたがそれでもゴールへ後200を過ぎてもまだタイトルホルダーが前。内を二度ほど見た吉田豊。タイトルホルダーの前に出れたのはゴール過ぎぐらい。そこから3馬身、4馬身と離して行く。
最初の1000通過が《57・6》のアナウンスに場内が沸く。この通過ラップの速さは2000年から今回まで調べると2番目の速さ。2007年にアドマイヤムーンが勝った時にローエングリンが刻んだ《57・5》に続くもの。
パンサラッサの2番手で進めたタイトルホルダー。4コーナー手前で交わして行くまでにも11秒台のラップが3度も続くなど、かなりなハイペース。それでいて直線ではまた伸びて行った。道中は内ラチ沿いの4番手と絶好の位置で進めたヒシイグアス、4角を廻る時の手応えでは前をひと飲みするかの勢い。だが最後は2馬身差も。
ステッキを7発ほど入れたが後50Mは手綱を押すだけの余裕だった横山和生。ゴールを過ぎて左手を大きく開げるポーズも綺麗だった。粘るディープボンドをデアリングタクトが交わして復調を告げる。昨年の年度代表馬エフフォーリアはブリンカーも虚しく6着。昨年とは別馬の様相である。レコードで勝ったタイトルホルダーはこれで古馬の頂点に立った。宝塚の夢の続きは凱旋門賞へと続く道となった!。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。