ヴァルディゼール

19年1/6(日)1回京都2日目11R 第53回 シンザン記念(G3)(芝外1600m)

  • ヴァルディゼール
  • (牡3、栗東・渡辺厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:ファーゴ
  • 母父:ハーツクライ

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好発はゴータイミング。先手かと思えたが、外からコパノマーティンが主張。ニホンピロヘンソンが続いて、スンナリと先行態勢は整う。直線勝負となったが、1Fではゴータイミングが出そうな勢いもそこから伸びず。そしてミッキーブリランテが一気に前に出たが、最内のラチ沿いからヴァルディゼールがスルリと抜けてくる。大外からもマイネルフラップが凄い脚。そこから2頭が外へ流れながらの追い合いとなり、内のヴァルディゼールがクビ差先んじての重賞制覇となった…。

パドックをいつもの2階のテラスから観る。所定の場所を造っておくと比較が良く判るし、馬場入りの時を観るのにも動きやすい場所でもある。周回している馬を見ると、毛艶のいい馬に気がつく。ニホンピロヘンソンだ。が、時折、前の馬にぶつかりそうになるくらい勢いが余る。後ろへ蹴り上げたりもする。入れ込みと言うより、気負い過ぎである。
逆に前回の東京で入れ込み加減のひどかったゴータイミングは、外々を廻って落ち着きがある。この後の馬場入りしてからがどうなのかだ。
関東からの2頭、アントリューズにパッシングスルーをもジックリ見るが、そう印象強いものを感じない。昨年のアーモンドアイのような雰囲気はない。

ゴータイミングも先出しでキャンターで去って行ったが、やはり今日は落ち着きがあり、前回とは別馬の雰囲気だ。スタンドの方へと来る馬は少なく、キャンターで早々に過ぎ去って行く馬ばかり。もっとファンサービスが出来るといいのにと思うが、若駒だけにテンションも大事。難しいものだ。
観戦はいつものとこがいいと、急いで降りる。寒いがライブ感があって、音や動きも同じ高さで見るのも大事だ。

スタートで一番遅れて出たのはマイネルフラップ。ハッピーアワーもやはり早くない。真ん中でミヤケもアオリ気味だった。ゴータイミングが好発。外からコパノマーティンが押して押して出て行く。

1ハロンを過ぎてコパノマーティン、ゴータイミング、そしてニホンピロヘンソン、ドナウデルタ、内からヴァルディゼールと隊列が決まりだす。
やがてコパノマーティンが少し離してさらに前へと出ていく。2番手のゴータイミングからアントリューズまでの8頭が第二集団となり、そこから3,4馬身離れてハッピーアワー、マイネルフラップと続き、最後方がミヤケ。ここらで10馬身は離れている。
坂を昇っていき、前半3Fを34.7で通過。これは平均ペースの流れだろう。先頭から最後尾で8馬身ぐらいに詰まる。坂を下って800通過の時は先頭のリードも1馬身、そこからどの馬も差がなくなって、6馬身あるかないかの大集団となって4角へ向かう。

さらにひと塊りとなった馬群だが、まだどの鞍上も手が動いてはいない。コパノマーティンとニホンピロヘンソンの2頭の合間から、ゴータイミングが持ったままでの姿が見える。最後のカーブを廻ってくる時には仕掛けている馬も出だす。そして、何と!、12頭全馬が横一列となって直線入り口の大きな空間を通過する。

あと300を過ぎて、コパノマーティンの外をゴータイミング、内をヴァルディゼールが交わす勢いだ。外ではミッキーブリランテが、さらにその外からマイネルフラップが飛んで来ている。
あと200、内のヴァルディゼールと外のミッキーブリランテの伸びがいい。むしろ勢いではミッキーブリランテが勝りそうだ。だが北村友騎手の左ステッキに呼応したヴァルディゼールがさらに加速し始める。
その時に外からマイネルフラップが矢の様に飛んでくる。勢いでは完全に外のマイネルフラップのもの!、と思いきやもう一度加速するヴァルディゼール、クビの差だけ前に出ていた。

検量室で渡辺師におめでとうの声をかけて、ゴータイミングの枠の前で待つ。上がってきて武豊騎手と松永幹師の会話を聞いて見守る。そしてPVを観に行く。そこには荒々しいレースの映像が写っていた。

直線あと100。最内のヴァルディゼールが先頭に踊り出たはいいが、外へともたれて行く。それも鞍上が左ステッキを入れているのに、そちらへと逃げていく。また大外のマイネルフラップも一旦、外へ逃げてからもう一度戻ってきたが、内のヴァルディゼールの寄っていく姿が気に要らなかったのか、再び外へと流れてしまう。
ゴール前までもつれたこの2頭の追い比べだけに、マイネルフラップの二度、三度のヨレ具合がなければ勝ち負けは微妙だったに違いないと思えるものだった。馬場を気にしたとかの敗因も聞こえる。だがそれも全て競馬のうちである。

何せ、このレースに限って言えば1,2着の馬は若さこそ出したが、現時点での能力はここでは一枚上だったと言うことだろう。朝日杯FSの勝ち馬は、ホープフルSの勝者に見られる重厚な強さは感じられない。だが伸びしろのある若駒がまだまだいると言うことが判った一戦でもあった…。