グランアレグリア

19年4/7(日)2回阪神6日目11R 第79回 桜花賞(G1)(芝1600m)

  • グランアレグリア
  • (牝3、美浦・藤沢和厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:タピッツフライ
  • 母父:Tapit

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人気を二分したディープインパクト産駒の2頭。ダノンファンタジーとグランアレグリア。デビュー戦以来の戦いとなったが、この2頭の中では勝負はついているのかも知れない。
4角手前で先頭と、早めの仕掛けで勝負して行ったグランアレグリア。直線半ばでは完全に2着争い。ダノンファンタジーの左右から3頭が詰め寄る。内のシゲルピンクダイヤが2着。外のクロノジェネシスが3着。ビーチサンバは少し後だった。1番人気支持のダノンファンタジーは4着でのゴールとなった。

春霞ではなく黄砂の影響か、やや視界がスッキリしない。大画面で盛り上げるJRAの映像。場内のボルテージもマックスとなって、万雷の手拍子で一体化する。
スタートして、外枠の2頭が少しだけ後ろとなる。内の白い帽子2頭も、外からの影響か位置が悪くなる。せっかくの1番枠を貰ったシェーングランツだが、かなり後ろめとなる。外からプールヴィルが出て行き先頭となる。だが流れは急流とはならず緩め。ダノンファンタジーは5頭目ぐらい。その前にグランアレグリアがいた。
1Fを少し行ったあたりで中団の少し前のグループがタイトとなり、アウィルアウェイが下がる。クロノジェネシスもやや不利を受けていた。検量室傍のPVで見るとアクアミラビリスが主張をしている様に見えたのだが、後日に何度も違う映像やらで見ると、確かに外からの押圧で真ん中が込み入った様だ。

グランアレグリアは折り合っている様に見えた。が、後ろのダノンファンタジーはやや頭を振って行きたがっている様にも見えた。だがそこらは許容範囲だろう。流れは35.4と、過去10年の桜花賞の中でも3番目に遅いもの。そんな流れのなかで後ろめにいたビーチサンバがスルスルと外めを上がり、ポジションを取りに行く。シゲルピンクダイヤはスタートで躓いて後ろの2列目ぐらいにいる。シェーングランツとほぼ同じ位置だ。
3角を過ぎてラスト800の標識を前にルメール騎手が動いて行く。4角が近づく前にグランアレグリアは一番前へ、完全に1馬身先に出て先頭となってカーブを迎える。

直線へ入って来た。最内のプールヴィルのそばの2頭分ぐらい外へと近づいて行くグランアレグリア。ポカっと空いた外廻りと内廻りの空間を過ぎる。この時ですでにダノンファンタジーとは3、4馬身近い差が出来ていた。さらに内へと進路を取るルメール騎手。
ラスト300の地点では、完全にラチへとへばりつく。オレンジ棒を過ぎた瞬間に右ステッキを抜いて1発、2発と入れてゴーサインを出す。見渡すと18頭全てが内から4、5頭分ぐらいの処を通っていた。それだけ馬場コンディションが良く、外へ出す必要がないものだったのだろうと思える。

グランアレグリアの勢いはそのまま止まらず。3馬身近くをキープしながらゴールへ向かう。ラスト200からも、ルメール騎手は計5発のステッキを入れてのゴール。11.5の切れ味で駆け抜けて行った。
その後ろでは2着争いが熾烈。手綱を押して促す川田騎手のダノンファンタジーを挟んで、内に入って来たシゲルピンクダイヤ。外ではビーチサンバとクロノジェネシスが猛追してくる。逃げたプールヴィルもすぐそこまで粘っていた。

時計が何と!、1.32.7。昨年のあの強いアーモンドアイの時計を塗り替えた。それも全体にスローな流れで進んだなかでのこのタイムである。上がりが33.3。2、3着馬は32秒台を駆使しても届かない。
インタビューでルメール騎手が、『勉強しました』と朝日FSを終えてからの事を言っていた。早めにこの馬の良さを出して行く作戦。
今週は特にディープインパクト産駒の活躍が目立った。スピード決着、切れのいる馬場。そこらをも全て把握してのレースであったのは間違ない。グランアレグリアは勝ちに行って勝ったのである。

今年の桜は昨年よりも、いやこの数年の中でも綺麗な桜であった。そして桜の女王はグランアレグリアが勝ち獲ったものであった。