ダノンプレミアム

19年4/21(日)3回京都2日目11R 第79回 マイラーズカップ(G2)(芝外1600m)

  • ダノンプレミアム
  • (牡4、栗東・中内田厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:インディアナギャル
  • 母父:Intikhab

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1.3倍の絶大なる支持のダノンプレミアム。自分で行くぐらいの気構えでゲートを出る。グァンチャーレの主張を受けて2番手に収まる。ラスト600から動きだし、4角を廻る時には並びに行く。直線のラスト200あたりで右ステッキを1発、後は流しながらのゴール。
ここではなく、次を見据えた仕上げとみた。日本代表馬に強い外国馬もいる安田記念こそ、力の発揮どころなのだ…と。

テンションが高いと走れない馬が多い。が、やはり時にはそんな影響を微塵も感じさせなく力を出す馬がいる。ダノンプレミアムまさしくそんな馬で、ゲートに入るまでも高ぶる馬の様だ。と言って、実戦で行き過ぎることもない。折り合いをつけて、鞍上の意のままに動ける馬。
この流れは、競馬を知っている者なら誰しもが遅い流れになるだろうと読む。私などは大外の武豊騎手が先手を主張して行くのではないかと思っていたぐらい。だからこそインディチャンプの福永騎手も、いつもより前で競馬をしないと分が悪いと位置を取りに行っているはずだ。

前半3Fが36.0。これはマイルではなかなかないラップだ。1000通過が1.00.3で、上がり3Fが32.3である。グァンチャーレの600m通過と、ダノンプレミアムのゴールを通過した間の数字である。後ろの馬は、したがってこの数字以上を出さないと前にはこれない。
10頭中7頭が32秒台の末脚を使う、上がりだけの競馬である。ストーミーシーがメンバー最速の32.0の凄い数字でも一番前には来れない。これがこのレースの特徴である。

ダノンプレミアムが勝つ、いやインディチャンプなら差し切れる。戦前の大方の見方はこのどちらかであろう。だが現実はやはり展開が物を言う。グァンチャーレが行って、ダノンプレミアムが2番手。これで流れが落ち着いた。パクスアメリカーナが3番手のイン、絶好の位置の様でそうでもない。前が楽をしているからだ。だからすぐ後ろか横のインディチャンプでもそこで脚を貯めるしかない。
ダノンプレミアムが完全にレースを支配していた。川田騎手は、4角に入る前に動いている。ラスト200を過ぎるまで追い出していないし、追ったと言っても右ステッキを1発入れただけ。後は見せムチなのかの使い方。

最後の3Fが10.9~10.3~11.1。この10.9の時に動いて行ったダノンプレミアム。10.3の半分ぐらいの地点では2頭が並びそして抜かれたが、グァンチャーレも池添騎手の右ステッキが入ったのが同じくラスト200ぐらいの地点。最後の11.1は、ほぼダノンプレミアムのもの。それも鞍上がチラっとオーロラビジョンを見て、後ろの動きをか確認していた。馬も稽古の時と同じ様に左舌を横に出していた。素人だから曖昧にしか言えないが、遊んでいるのかも知れない。

抜けたダノンプレミアムの後の2着争いが面白かった。インディチャンプが差し切れなかったのは、いつもより前に付けているからなのか。展開が前残りだからなのか。
グァンチャーレが2着で、パクスアメリカーナがインディチャンプとの狭い間を伸びて抜いて、3着を確保したもの。この馬が一番目立っていた。ケイアイノーテックはまったく見せ場がなく終わる。この上がり勝負には辛い脚質の馬なのであろう。
中内田厩舎、25勝のうち15勝が川田騎手とのコンビ。重賞5勝も共に挙げた仲である。次に勝っているのが藤岡佑介騎手の6勝で、パクスアメリカーナの好走も当然のデータであろうか。

何か忘れているぞと成績を見直して、モズアスコットに気が付いた。3番人気ながら印象が薄かった。位置も後ろのままで32.8といちばん切れてない。ここらは休み明けだからなのか。次なる戦いで変わってこないといけない。
火曜朝に音無師に聞いた。『輸送も近場だし、数字は増えると思っていた。敗軍の将、語らずだ』と言いながらけっこう語ってくれた。出して行くなよと伝えていたらしいが、そこは鞍上が勝ちに行ったからあの位置になって少し噛んだんだろう。いつもの終いだけの競馬なら、2着は確保したのだろう…がと。予定どおり安田記念へ向かうそうだ。

その安田記念、アーモンドアイの日本代表馬に香港最強馬。そしてマイル3戦3勝のダノンプレミアム。6月2日は夏競馬の開幕週。宝塚記念以上に盛り上がるレースになりそう…だ。