グルーヴィット

19年7/21(日)3回中京8日目11R 第67回 中京記念(G3)(芝1600m)

  • グルーヴィット
  • (牡3、栗東・松永幹厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:スペシャルグルーヴ
  • 母父:スペシャルウィーク

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朝から稍重のままメインを迎えた。外々こそ廻らないがやや時計のかかる決着。直線入り口からプリモシーンが勝ちに出て行く。ラスト1Fで内のグランドボヌールは差せる勢い。先頭に立ち、そのまま押し切るかと思えたのだが、赤い帽子の3歳馬2頭が外から怒涛の如く寄せてきて、交わして行った。僅かに先に仕掛けたグルーヴィットがハナ差だけ前に出ての勝利。プリモシーンは、そこからクビ差と際どいながらも3着であった…。

栗東に在厩して調整のプリモシーンとロードクエストの関東2頭。特にプリモシーンは最終追い切りで圧巻の動きを見せた。併せた相手を直線の1Fだけで7馬身も離してと絶好の動きを披露。ハンデの55.5は牝馬だけに牡馬相手でも一番上の重いものだが、この出来なら大丈夫だと思わせるもの。実際4角を廻って直線で抜け出した時は勝利をほぼ手中にしたかとの瞬間だった。ゴール寸前の最後1Fが12.3と馬場が少し緩い分もあってややかかったが、そこを軽量52キロの3歳馬が馬体を並べての猛追。プリモシーンは55.5キロが最後の最後に応えたのかも知れない。

PVを見直すと、ゲートの出がいいのがグルーヴィット。勝つときは全てがうまく行くもの。まずゲートをポンと出て好位の内目に進路を確保。少しゆったり気味の出のプリモシーンが1F過ぎぐらいにガーッと掛かったか、前に上がって出て好位の5番手ぐらいを確保。その少し内目のいい位置にグルーヴィットがいた。
ツーエムマイスターの逃げをグランドボヌールは2番手で折り合う。前半3Fが35.3だから、入りとしてはユッタリ気味。その後のラップが押しなべて11秒台の前半。これでもマイペースの逃げのツーエムマイスターだ。4角まで楽に行けていた。その4角に入る際に、グルーヴィットだけがステッキを2発ぐらい入れられていた。

カーブのあたりは我々が見られるPVでは松山騎手の腕の振りがハッキリと判らないが、また2発ぐらいステッキが入った様に見えた。スムーズに前へと上がって行くプリモシーン。綺麗に進路も取れて、前へ前へとロスなく上がって行く。ツーエムマイスターを抜いて先頭に立ったグランドボヌール。内目へと入って粘り込みを図る。だがプリモシーンが流れのまま前へと出て来てラスト1ハロンを迎える。

やはりあの動き、あの切れ。プリモシーンの勝利と思えた瞬間もあった。だがステッキをかなり入れて叱咤激励の促しで動いて来た松山騎手とグルーヴィット。プリモシーンをも交わして先頭となる。同じく脚を伸ばして来たクリノガウディー。この馬の勢いもなかなかにいい。
プリモシーンが力尽きたかの様に脚色が鈍り、赤い帽子の2頭が馬体を並べてゴールを駆け抜けた。TV画面で見ていても、内のグルーヴィットが僅かに残したと見えた。ミエノサクシードが渋とく伸びて4着、グランドボヌールを抜いてのゴールだった。

3頭出走した3歳馬の人気のカテドラルは、この馬場が影響したのか直線で伸びあぐねた。もう1頭の関東馬、ロードクエストは後ろの方で終わってしまっていた。グルーヴィットの松山騎手が入れたステッキは、数えたかぎりでも30発はあっただろう。《直線の鞭の使い方》で戒告は出ていた。
グルーヴイットにクリノガウディーは、今年のNHKマイルに出走して10着、14着。グルーヴィットは直線半ばのアクシデントの影響もあった。そしてプリモシーンは、牝馬ながら昨年のNHKマイルへ出走して5着。惜しい競馬をしていた。実績では当然に古馬の方が経験値が違うので強く見える。だがそれらを押しのけて勝ってしまうのが若さの強み。

ここから夏のマイルシリーズがスタートしたが。随所で3歳馬が古馬を上廻るものを残していくに違いないと思う。それだけ若さには可能性がある。
残念ながら、いつも火曜朝に取材する時間が今週は持てなかった。松永幹師にグルーヴィットが何故、最初の2戦がダートだったのか、どんな経緯で芝転向になったのかを聞きたいと思っていたが。時間をかけて師に教えて貰うこととしよう。
そして今週から夏シーズンも佳境に入って行く。札幌、新潟、小倉と移っていくのである。またまた遠征を楽しみにしたいと思っております。