タワーオブロンドン

19年9/29(日)4回中山9日目11R 第4回 スプリンターズS(G1)(芝1200m)


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ダノンスマッシュとの単勝オッズが目まぐるしく変わる。最終的にはダノンスマッシュが2.8倍で1番人気。タワーオブロンドンは2.9倍の2番人気となった。この2頭がお互いを意識した訳でもあるまいが、道中はほぼ同じ様な位置にいた。少し前の内へ出て行くダノンスマッシュ。タワーオブロンドンは終始、外目を選択して4角手前では先に好位へとあがる。直線ではラスト200からの追い出しで、逃げるモズスーパーフレアをキッチリ半馬身、差しての勝利。ダノンスマッシュは外へ出す時間が遅れた。その差が最後まで詰められずの3着。高速決着の馬場を決め手が勝った瞬間であった。

夏の札幌のキーンランドS。ダノンスマッシュが勝利。タワーオブロンドン、リナーテとスンナリと人気どおりに決まったのだが、その時にタワーオブロンドンは上がり最速(詳しく言うと最速タイ)で詰め寄ったもの。そこから中1週で阪神開幕週のセントウルSへ西下した。そこでも33.2と素晴らしい脚を駆使して後続(ファンタジスト)へ3馬身もの差をつけての勝利。サマースプリント王者となった。そして中2週でのスプリンターズS。着差は半馬身ではあったが完勝であろう。

皮肉なものである。今回、枠順の良さでダノンスマッシュを推奨する人が多かった。過去のデータでも内枠有利とある様だ。だが実際にはダノンスマッシュに限って言えば、その内枠が仇になった感じのレースぶりだった。馬場がいいから内が空くはずもない。もっと好位で競馬出来たのなら、直線入り口でモズスーパーフレアの外へ出して前を追いかけられたかも知れないが。モズスーパーフレアは完璧な競馬が出来た。32.8のラップながら馬体を接することなく単騎でリードを取り、ゴール寸前まで逃げ切り体勢だった。勝ったタワーオブロンドンの決め手が凄すぎただけなのであるから。

ファンタジストは大外枠からスッと前へ取り付き、枠順のロスのない競馬は出来た。それでこの結果。敗因はどこにあるのか、今度時間がある時に聞いてみよう。過去、1200に特化して使って来たディアンドル。13着敗退とおおきく負けた。これがG1の壁なのか。リナーテも脚を使えずに9着。力を十分に発揮とはいかなかった。ミスターメロディは直線ではモズスーパーフレアの2番手まで上がったが、そこから4着。あの高松宮記念の時の様な切れは出なかった。調教を工夫している感じが見受けられるし、まだまだ成長途上なのであろう。まだ先に開花がありそうだ。

月曜朝、レースの映像を見ながら、ふとストップウォッチで計測をしてやろうと思い立つ。タワーオブロンドンが上がり2Fでどれくらいの脚を使っているのかとかを。23秒少しだった。モズスーパーフレアも測ってみてJRA発表とそう差がないのをみて、まずは安心。自分のやっていることが間違っていては話にならない。タワーオブロンドンの凄いところはラスト200からの加速が素晴らしいと言えることだ。それもゴール寸前ではルメールのガッツポーズのアクションで違うことをしていてである。最後は追わないでのゴールに等しい。1200に使いだして、3,2,1,1着。北海道シリーズは短い直線で届かなかったもの。中央場所なら違う。

タワーオブロンドンの血統や藤沢和師との深い絆の話を読めば読むほどに、この勝利は導かれていた勝利と思えるもの。もっと早くから知っておきたかった。自分の無知を恥ずる。阪神で目の当たりにした時にこれは強い!と感じた。【セントウルS・観戦記】でそれを書いたはずだ。やはり自分で見たものは信用できる。おそらくこれから先もタワーオブロンドンの短距離での集大成は続くだろう。海外遠征も十分にあり得る。

火曜朝、モズスーパーフレアの音無師が『うちも香港を考えたいが、タワーオブロンドンが行くのなら考えちゃう』と言っていた。それほどにインパクトが強い勝利だったのだ。