アレスバローズ

18年8/19(日)2回小倉8日目11R 第53回北九州記念(G3)(芝1200m)

  • アレスバローズ
  • (牡6、栗東・角田厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:タイセイエトワール
  • 母父:トニービン
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32.4と言う前半3Fを驚異的なラップで行った先行馬群。そのひと筋後ろで待っていたアレスバローズ。内ラチ沿いからグイっと脚を伸ばして、1.06.6の好タイム勝ち。CBC賞に続いて夏のスプリント路線の完全制覇をしてみせた。2,3着は新潟アイビスサマーダッシュ組のワンツー。森田厩舎の2頭が占めた。

ゲートオープンはグレイトチャーターが突っかけた時に開いた。一番の出、だが二の脚は隣のラブカンプーが一番。すっと前に出て内を観る和田騎手。その内ではナインテイルズ、さらにその内、ゴールドクイーンがダッシュついて先頭へと出て行く。ラブカンプーはそれらを観る様に3番手をキープ。ダイアナヘイローはいつもならロケットスタートぐらいの出をする馬が、今日は遅かった。だが行き脚は良く、ほぼ3列目の内まで上がれた。隣りがアクティブミノルで外にトウショウピストがいるが、内目のいいポジションだ。その直後にはダイメイプリンセスと、真後ろにはアレスバローズがいた。

ゴールドクイーンが先手を取って行くがナインティルズが前に並びかけて行き、ラブカンプーも同じく前へ前へと出る。その後ろの組も負けじとついていく。
2Fを過ぎて、前の3頭がひと塊り、その後ろのトウショウピストを先頭の2番手グループも半馬身ずつぐらいで密集、ダイメイプリンセスがポツンと3列目、その真後ろにラブカンプーが内で持ったまま続く。
3Fを通過する時には、ゴールドクイーンにナインテイルズがピタッと馬体を接して行く。3Fの入りが32.4とかなりの激流となっている。

どうしても視線はダイアナヘイローへと集まる。道中で嫌な動きをした時もあったが、絶好の2列目の内で流れに乗っているのかと思えた。
いよいよ4コーナーへと馬群は入ってくる。縦長からひと塊りの馬群に凝縮されてきた。ダイアナヘイローも手応えはいいが、外のダイメイプリンセスがいい。そしてダイアナヘイローの真後ろまで接近してきたアレスバローズも持ったままだ。

4角を廻って直線へと来た時には、先頭がラブカンプーとなった。その真後ろに出てきたダイアナヘイローは、外のトウショウピストとの間で進路を確保しにかかる。だが、思う様に弾けていかない。むしろトウショウピストの外をダイメイプリンセスの勢いがいい。
ラスト200、ラブカンプーが抜けて、外をダイメイプリンセス。だが、先行した2頭の間をスルリと抜けたアレスバローズの姿が見えた。

前を行くラブカンプーの内を、右ステッキで促す菱田騎手に応える様にアレスバローズが前に出た。ダイメイプリンセスも伸びだしてきたが、アレスバローズとの勢いに差があった。菱田騎手の動きをよく見ると、ステッキはただ右手に握って手綱で促していただけ、ラブカンプーを抜いた時にクルリとステッキを手の中で廻して1発、そして前に完全に出た時にもう一発入れただけ。後はステッキを収めて手で押してのゴール。最後は流し気味だった。
ダイメイプリンセスが半馬身、ラブカンプーを抜いて2番手、ラブカンプーの内からアレスバローズが通った同じところをグレイトチャーターが続いてきており、ラブカンプーに半馬身差まで迫ってきていた。その後にセカンドテーブル、アサクサゲンキが馬群をさばいて脚を使って続いた。

3Fが32.4も速いが、4Fの43.6はかなりの急流、前に行った3頭ではラブカンプーが残っているだけで、ゴールドクイーンにナインティルズは後退した。良く粘ったラブカンプーだろう。3歳牝馬の51キロは侮れない。ダイメイプリンセスも、新潟の1000直だけが活躍の場ではなく、今、充実しているのが判る。そしてアレスバローズ。あの中京のCBC賞も強かったが、今回も道中の行きっぷりの良さと抜け出てくる時の速い脚である。まさに本格化だろう。
終わってみればCBC賞馬にアイビスサマーダッシュの1,2着馬の決着。それでいて、この3連複の好配。上位に来ている馬にはそれなりの理由があって来ている事実。そこをちゃんと見ないと美味しい馬券にはありつけない。常に反省であります。

調教師の角田師は、ジョッキー時代に4勝。トレーナーになってからも3年前のベルカントに引き続いて2勝目。北九州記念男なのである。
鞍上の菱田騎手は、これがJRA重賞は初めて。ディープインパクト産駒の短距離勝利は最近とみに増えており、距離はそれこそオールマイティーな種牡馬である。

アレスバローズはこれで夏の2戦を勝利。秋の緒戦、セントウルSを待たずしてほぼ確定かと思えるが森田厩舎の2着馬、ダイメイプリンセスがセントウルSに使ってきて勝てば、また話は違う。まだまだサマースプリントシリーズの行方は判らない。だが夏の王者は間違いなくアレスバローズだろう。