まず今年の桜花賞は無敗馬が1頭。エピファネイア産駒のデアリングタクトだけである。レシステンシアがトライアルで一敗地にまみれた。阪神JFの様に後続に脚を使わせる逃げ方がいいのだろうか。もちろん枠順の問題がある。内枠ならスンナリと行けるが、外から内へ入ってくるのは時間がかかる。

暮れは完敗の2着だったが、前走では見事に巻き返したマルターズディオサ。そのまま栗東へ入っての調整が続く。そのマルターズディオサに2度も後塵を拝しているクラヴァシュドールもいる。

ディープインパクト産駒ではクイーンCで2勝目を挙げたミヤマザクラ、シンザン記念で牡馬を破ったサンクテュエール。そしてリアアメリア。阪神JFは外枠も響いた。

抜きん出た馬がいない今年の桜花賞だ。先週の阪神競馬、芝は計8鞍、馬場の真ん中で勝ったのはライライクバードのみで少頭数だった。内を選択する馬の勝利ばかり。だから何よりも枠順が大きなファクターだろう。


ラッキーライラック

【大阪杯の回顧】

20年4/5(日)2回阪神4日目11R 第64回 大阪杯(G1)(芝2000m)
  • ラッキーライラック
  • (牝5、栗東・松永幹厩舎)
  • 父:オルフェーヴル
  • 母:ライラックスアンドレース
  • 母父:Flower Alley

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まるでスタンドの大観衆に向けてアピールしているかの様だった。ミルコは空を仰ぎ、感謝の言葉をつぶやいた。歓喜で湧き出てくる興奮を納めきれないポーズが続く。この勝利に、そして母国イタリアの今の苦境が変わってくれればとの想いが。

ダノンキングリーが逃げることにも驚いたが、その前にラッキーライラックが先頭に出ようかのスタートで前に出て行ったのにも驚いた。それほどに好位置にこだわるのは当然。内廻りの2000芝で今週からBコースとなり、内側は天国である。まして外々を廻って勝てる相手ではない。何よりもインにこだわるゲートの出方だった。

大外枠のクロノジェネシスも、すっと好位の3番手につけ外枠での不利を消した。この結果はスタートしてからのあっと言う間に形成されたと言っても過言ではなかろう。それほどに鬼気迫る騎乗ぶりの上位3頭の鞍上だった。

4角でブラストワンピースが上がってきても、カーブでその勢いが止まってしまう。そんな流れであった。2000mで11秒台が7回もあるが、今の戦いぶりではスローと判断する流れなのである。

PVを観ても1、3着に4着のカデナまでが内ラチ沿いを進んできている。2着のクロノジェネシスが最内には入れずだった。そうそう、5着のワグネリアンもラチ沿いを進んでいたのである。ブラストワンピースは、スタートしてすぐのゴチャゴチャした瞬間で左右の勢いに遅れてしまって内へ入れず。ほとんどがスタート直後でのワンシーンだ。

そして極めつきは直線のラスト200m過ぎ。ダノンキングリーとジナンボーの間が開くのを信じるM.デムーロ。ジナンボーには何度も乗っている。まるで最後は左へ流れると判っていたかの騎乗だ。その後も凄い。手綱で内へ凭れるのを矯正しながらのアクション。ノーステッキである。ゴール手前では喜びのポーズまで出ている。

それほどに一変したラッキーライラック。次は3冠全部で負けたアーモンドアイとの直接対決であろう。