宝塚記念の連覇達成後、同厩ジャスタウェイと共に凱旋門賞挑戦が発表されたゴールドシップ。ぶっつけで挑む僚馬に対し、こちらは札幌記念からというローテーション。中間には調整している函館競馬場で1週前の公開調教も行われ、最もファンが多い馬として、競馬界発展という役目を担っている。登場時の密着取材は競馬ラボの通例、今回は最もその背中を知っている北村浩平調教助手に、札幌記念に向けての態勢を聞かせてもらった。

函館競馬場、公開調教の手応え

-:今週の水曜日(8/13)、600人のお客さんの前で公開調教を行ったゴールドシップ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)ですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

北村浩平調教助手:検量室前に人が集まっていたので、一体何人いるんだろう、という感じでした。

-:改めて、ゴールドシップの人気の凄さを感じたのではないですか?

北:そう思いました。

-:その追い切り内容を教えて頂けますか?

北:典さん(横山典弘騎手)がかけつけてくれて、僕は併せ馬のパートナーに誘導する形で乗っていました。1週前の追い切りなので、それなりにしっかりやってくれ、という指示があり、後ろの様子を見ながら、あの馬の機嫌を損なわない追い切りができたと思います。

-:機嫌を損ねないというのは、ある程度近くで待つ形ですか?

北:そうですね。常に近くで走っていける態勢という感じです。

-:全体の時計はどうでしたか?

北:時計的には70-40で、終いは13.0でしたが、併せ馬に乗っていて、“13秒0じゃないだろう?”というくらいの推進力がありました。

-:馬場コンディションが雨で重くなっていたのもあって、そういう出方なのかもしれませんね。

北:本馬場で追い切る予定もあったのですが、急な雨でチップがかなり重くなりました。その分、負荷を掛けるためにチップで追い切りました。

昨夏、一昨年の夏と比較して

-:ファンの心配点として、去年の京都大賞典で復帰してから秋シーズンは幾らかスランプに陥りました。その一因が夏負けだと思っている方もいると思います。その前年は神戸新聞杯、菊花賞と順調に勝っていますし、デビューの夏の時期も走っていました。その辺りについて、乗っている北村さんの感覚を教えて下さい。

北:去年は夏負けだったのか分かりませんが、チグハグなところがあり、どうしても良いパフォーマンスができませんでした。2年前はこちらで放牧も出ていて、函館に入れてから栗東に、しっかり調整して帰れたというのはあったと思います。

-:その面でいうと、去年と同じく宝塚記念を連覇して、帰厩が早くなっています。単純に休む時間が短くなっていますが、疲れはしっかり抜けていそうですか?

北:初日に栗東で跨った時には、疲れは感じませんでした。

ゴールドシップ

-:宝塚記念の前も典さんが3週間みっちりついてくれて調整していましたが、今回、久しぶりに跨ってどんなコメントでしたか?

北:「良いね」と。好感触を持ってもらいました。最終追い切りも乗ってもらう予定です。良い雰囲気で、良い状態を維持したまま、来週を迎えられればと思っています。

-:凱旋門賞前の国内最後のレースになりますので、良いところを見せたいですね。

北:次のレースも期待されていますし、それは勿論です。

久々の2000mと馬場適性

-:今年から札幌競馬場が新しくなりました。芝コースの馬場はそんなに改良していないようですが、競馬場で見た実際の状態はいかがでしたか?

北:特に変わった雰囲気はありませんでしたが、競馬場自体が一年休んでいましたし、馬場が悪いはずがないだろうと。逆に悪かったら、何をしていたんだ、となるじゃないですか。走ってみると、力を少し要する感触はありましたね。

-:望むところだという感じですか?

北:そうですね。それに、札幌記念はCコースに替わる週なので、そこだけがどうかな、という思いです。

-:馬場の内が綺麗で、差してくる馬に不利にならないか、ということですね。

北:2000mでも今のあの馬なら、前の方にもつけられる脚をつけてきているので、そんなに心配はしてないです。

-:体重や、見た目のシルエットの変化はありますか?

北:栗東に来たときはふっくらしていたのですが、今は510~12キロの良い体つきで、ハリもしっかりしています。このまま維持して札幌記念を迎えられればいいかなと思います。

ゴールドシップ

-:去年の京都大賞典とは違う調整過程を踏んで、良い状態で札幌記念を迎えられそうですか?

北:ええ。迎えられると思います。

-:期待しています。残念なことに、北村助手は凱旋門賞には行かれないんですよね。

北:競馬は行くのですが、調教には他の方が乗るので。

-:凱旋門賞に向かう前の大事な一戦なので、ゴールドシップをよろしくお願いします。

北:はい。有り難うございます。

-:公開調教に来てくれた600人もの方々というのは、日本全国に沢山いるゴールシップのファン代表のような存在です。宝塚記念もファン投票1位でしたし、応援してくれるファンが沢山います。最後にメッセージを頂けますか?

北:公開調教で多くのファンが足を運んでくれて、ゴールドシップは本当に愛されている、と改めて実感しました。札幌記念でも良いレースをできるように頑張ってつくりますので、また応援をお願いします。

-:札幌記念にはより多くのゴールドシップのファンが押し寄せますので、そこでまた観客の多さにビックリして下さい。有り難うございました。

●宝塚記念前、須貝尚介調教師へのインタビューはコチラ⇒



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