いざ、世界壮行戦へ 札幌記念にゴールドシップが登場
2014/8/17(日)
函館競馬場、公開調教の手応え
-:今週の水曜日(8/13)、600人のお客さんの前で公開調教を行ったゴールドシップ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)ですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
北村浩平調教助手:検量室前に人が集まっていたので、一体何人いるんだろう、という感じでした。
-:改めて、ゴールドシップの人気の凄さを感じたのではないですか?
北:そう思いました。
-:その追い切り内容を教えて頂けますか?
北:典さん(横山典弘騎手)がかけつけてくれて、僕は併せ馬のパートナーに誘導する形で乗っていました。1週前の追い切りなので、それなりにしっかりやってくれ、という指示があり、後ろの様子を見ながら、あの馬の機嫌を損なわない追い切りができたと思います。
-:機嫌を損ねないというのは、ある程度近くで待つ形ですか?
北:そうですね。常に近くで走っていける態勢という感じです。
-:全体の時計はどうでしたか?
北:時計的には70-40で、終いは13.0でしたが、併せ馬に乗っていて、“13秒0じゃないだろう?”というくらいの推進力がありました。
-:馬場コンディションが雨で重くなっていたのもあって、そういう出方なのかもしれませんね。
北:本馬場で追い切る予定もあったのですが、急な雨でチップがかなり重くなりました。その分、負荷を掛けるためにチップで追い切りました。
昨夏、一昨年の夏と比較して
-:ファンの心配点として、去年の京都大賞典で復帰してから秋シーズンは幾らかスランプに陥りました。その一因が夏負けだと思っている方もいると思います。その前年は神戸新聞杯、菊花賞と順調に勝っていますし、デビューの夏の時期も走っていました。その辺りについて、乗っている北村さんの感覚を教えて下さい。
北:去年は夏負けだったのか分かりませんが、チグハグなところがあり、どうしても良いパフォーマンスができませんでした。2年前はこちらで放牧も出ていて、函館に入れてから栗東に、しっかり調整して帰れたというのはあったと思います。
-:その面でいうと、去年と同じく宝塚記念を連覇して、帰厩が早くなっています。単純に休む時間が短くなっていますが、疲れはしっかり抜けていそうですか?
北:初日に栗東で跨った時には、疲れは感じませんでした。
-:宝塚記念の前も典さんが3週間みっちりついてくれて調整していましたが、今回、久しぶりに跨ってどんなコメントでしたか?
北:「良いね」と。好感触を持ってもらいました。最終追い切りも乗ってもらう予定です。良い雰囲気で、良い状態を維持したまま、来週を迎えられればと思っています。
-:凱旋門賞前の国内最後のレースになりますので、良いところを見せたいですね。
北:次のレースも期待されていますし、それは勿論です。
久々の2000mと馬場適性
-:今年から札幌競馬場が新しくなりました。芝コースの馬場はそんなに改良していないようですが、競馬場で見た実際の状態はいかがでしたか?
北:特に変わった雰囲気はありませんでしたが、競馬場自体が一年休んでいましたし、馬場が悪いはずがないだろうと。逆に悪かったら、何をしていたんだ、となるじゃないですか。走ってみると、力を少し要する感触はありましたね。
-:望むところだという感じですか?
北:そうですね。それに、札幌記念はCコースに替わる週なので、そこだけがどうかな、という思いです。
-:馬場の内が綺麗で、差してくる馬に不利にならないか、ということですね。
北:2000mでも今のあの馬なら、前の方にもつけられる脚をつけてきているので、そんなに心配はしてないです。
-:体重や、見た目のシルエットの変化はありますか?
北:栗東に来たときはふっくらしていたのですが、今は510~12キロの良い体つきで、ハリもしっかりしています。このまま維持して札幌記念を迎えられればいいかなと思います。
-:去年の京都大賞典とは違う調整過程を踏んで、良い状態で札幌記念を迎えられそうですか?
北:ええ。迎えられると思います。
-:期待しています。残念なことに、北村助手は凱旋門賞には行かれないんですよね。
北:競馬は行くのですが、調教には他の方が乗るので。
-:凱旋門賞に向かう前の大事な一戦なので、ゴールドシップをよろしくお願いします。
北:はい。有り難うございます。
-:公開調教に来てくれた600人もの方々というのは、日本全国に沢山いるゴールシップのファン代表のような存在です。宝塚記念もファン投票1位でしたし、応援してくれるファンが沢山います。最後にメッセージを頂けますか?
北:公開調教で多くのファンが足を運んでくれて、ゴールドシップは本当に愛されている、と改めて実感しました。札幌記念でも良いレースをできるように頑張ってつくりますので、また応援をお願いします。
-:札幌記念にはより多くのゴールドシップのファンが押し寄せますので、そこでまた観客の多さにビックリして下さい。有り難うございました。
プロフィール
【北村 浩平】Kohei Kitamura
幼少の頃より馬術で腕を磨き、小学校4年生の時には祇園祭のお稚児さんを務めた。
2003年3月に田所秀孝厩舎の所属騎手としてデビュー。初年度より3年連続で2桁勝利をマーク。3年目の2005年にはエリモハリアーで函館記念を制覇し、重賞初勝利。その後はフリー騎手となった後に須貝尚介厩舎に所属。2010年12月20日の騎手引退後は、そのまま同厩舎の調教助手へと転身し現在に至る。ゴールドシップ、レッドリヴェールをはじめ、厩舎の看板馬の調教を担当。トップステーブルの屋台骨として、存在感をみせている。
【高橋 章夫】 Akio Takahashi
1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて18年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。
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