まだまだ成長ヌーヴォレコルト 世界の実績引っさげ5歳緒戦へ
2016/3/27(日)
初の海外遠征に動じず香港Cで②着
-:大阪杯(G2)に出走するヌーヴォレコルト(牝5、美浦・斎藤誠厩舎)ですが、前走は香港Cで②着でした。ヌーヴォレコルトにとっては初めての海外遠征でしたが、現地に着いてからの馬の様子について振り返っていただけますか?
相田一善調教助手:初めての飛行機での輸送だったのですが、向こうに着いてからも、いつもの遠征している感じの雰囲気で、非常に落ち着いて過ごしていた感じがしますね。
-:カイバの食べっぷりなどはいかがでしたか?
相:こっちにいた時とあまり変わらず、よく食べて、リラックスして厩舎の中で過ごしていましたね。
▲香港国際競走週 シャティン競馬場で調教中のヌーヴォレコルト
-:レース当日の馬の雰囲気はどうご覧になられましたか?
相:調整も上手くいって、非常に馬も元気で、良い状態で競馬に向かえたかなと思います。
-:レースでは、最後良い脚を使っていました。内容をご覧になられていかがでしたか?
相:結果的に、ムーアジョッキーの判断で動かないで待って、最後末脚を伸ばすという乗り方でした。エイシンヒカリが良いペースで逃げて、勝ち馬は強かったですが、あの馬自身もそれなりに見所のあるレースができたのではないかと思いますね。
-:厩舎サイドとしては、ああいう形のレースになったということに関しては、どのような見解でしょうか?
相:ジョッキーも世界で活躍している方でしたので、特にどういう乗り方をして欲しいというのは、こちらから言ったようなことはないのですが、結果は②着。内容としても悪くなかったかなとは思います。
「国内を1回使ってからクイーンエリザベスⅡ世Cへ、という予定は、早い段階から聞いていましたね」
-:帰国されてからの馬の状態はいかがでしょうか?
相:帰りの飛行機の輸送も上手くいって、競馬学校の方で厩務員さんに付き添ってもらって輸入検疫をやってもらいましたが「特に輸送の疲れもなく、1~2日ですぐに元気になって過ごしていた」と聞いていますね。
-:今年のヌーヴォレコルトの予定というのは、どのようなプランを考えていらっしゃったのですか?
相:最初は、中山記念か大阪杯から始動ということで、中山記念だと香港まで少し予定が空いてしまうということもあって、大阪杯の方になりました。今のところは、そこからまた香港に遠征するというところまでは予定が決まっていますね。
-:当初から、春の大目標としてはクイーンエリザベスⅡ世Cを考えていらっしゃったということですね。
相:そうですね。その後は状態を診たり、結果を見つつにはなると思うのですが、取りあえず年始からの目標で「国内を1回使ってからクイーンエリザベスⅡ世Cへ」という予定は、早い段階から聞いていましたね。
大目標に向けて弾みをつけたい大阪杯
-:大阪杯に向けての中間の過ごし方を教えて下さい。
相:だいぶ馬の方もフックラして、歳を重ねつつ良い体になってきたなという感じで、牧場の方から戻ってきました。動き自体も力強くなって、全体的に去年より一回りくらい成長した印象は受けますね。
-:パワーアップしたということですね。
相:全体的に力強さも増してきたし、見たまんま全体的にボリュームも出てきたので。今回はどれくらいで競馬になるか分からないですが、現状としては、去年よりだいぶ大きく見えるかなというのが印象としてありますね。
-:それが、そのまま成長分に繋がっているということですね。
相:そうなっていてくれれば良いですね。
「どれくらいまで来ているか、来週以降どうするか、ということを感触として見てもらうという意味で、ある程度後ろから行って、終いシッカリ追ってもらった感じではありました」
-:今日(3/25)が1週前追い切りということで、岩田ジョッキーが乗られましたが、その狙い、評価についてお願いします。
相:今回は大阪杯の後も予定があるので仕上がり過ぎず、ちょっと余裕残しで使おうというところでもあるのですが、競馬に向かうという上で、ある程度動けないと勝負にもならないですからね。どれくらいまで来ているか、来週以降どうするか、ということを感触として見てもらうという意味で、ある程度後ろから行って、終いシッカリ追ってもらった感じではありました。
-:ジョッキーとは話をされましたか?
相:タイミングが合わず、感触については後で聞こうかと思うのですが、横で見ていても、並んできていつも通りシュッと抜け出すくらいの勢いでゴールに追い付いてきたので、1週前としてはまずまずの動きだったかなと思いますね。
-:当週は馬の様子を見ながら、ということですね。
相:そうですね。関西圏への輸送になると、終いだけサラッと感触を確かめる程度で毎回やってきているので、今回も予定通り行けば、それぐらいの調教で十分なんじゃないかなと思います。
-:香港遠征前のステップレースとしての大阪杯ではありますが、最後に意気込みを聞かせて下さい。
相:相手も豪華で一筋縄ではいかないですが、この馬自身も去年は海外経験をして、見た目もそうですし、中身の方も一回り成長してきてくれていると思います。世界で②着まで来られた経験を活かして、胸を張ってこれから先、今年上半期も頑張ろうかなと思います。
-:分かりました。ありがとうございます。
プロフィール
【相田 一善】Kazuyoshi Aida
1980年7月15日生まれ。大学時代は馬術部の主将を務め、全日本学生馬術大会では総合馬術競技個人で優勝をおさめるなど、輝かしい実績を残した。2008年10月1日より斎藤誠厩舎に所属し、助手として活躍。2014年秋よりヌーヴォレコルトの調教パートナーを務める。確かな腕を持ち、斎藤誠調教師からの信頼も厚い。