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畠山吉宏調教師

畠山吉宏調教師


-:オークスに出走を予定しているアカンサスについて、畠山吉宏調教師に伺います。よろしくお願いします。まずは見事な差し切り勝ちをおさめた前走のスイートピーステークスを振り返っていただけますか?

畠:体が小さい馬ですから、プラス2キロではありますけど、中間の放牧で体が回復してくれたのは良かったですね。スタートは他の馬と比べて半馬身ほど遅れましたが、アカンサスにとってはこれまでで一番良いスタートが切れました。スローの流れだったので、そのまま後方にいると厳しかったと思いますが、上手く中団の前目につけて行ったのは後藤騎手の好判断ですね。最後の直線では、先に抜け出した馬とは少し差がありましたけど、追い付くところでもう1回手前を替えてもうひと伸び出来たので、最後に交わすことが出来ました。着順や位置取りの違いはありますが、スイートピー前の全てのレースで最速の上がりを使ってきていますからね。東京の直線長い広いコースで、まさに終いが生きたという感じだと思います。

-:レース後のアカンサスの状態はいかがですか?

畠:3走目の後に初めて少しだけソエ加減になってしまって、放牧先で上手くケアをしておさえてもらいましたけど、今回それなりの競馬をしてきてどんな感じかなと思っていましたが、ソエの感じも無かったので安心しました。レース後は、すぐに短期放牧に出すといういつも通りの形です。

-:なるほど。では、中間の調整予定を教えていただけますか?

畠:まだ短期放牧から戻って来たばかりですけど、帰って来たときの馬体や馬体重、乗り手が乗った感触も変わりない感じで戻してもらったので、もうスイートピーと同じ仕上げで、週末に坂路で少し大きめに乗って、レース当週は坂路をサッと上げる形で行こうということで話をしています。どうしてもカイ食いの細い馬ですから、パターンを変えずに調整していく方が良いだろうと思っています。



-:分かりました。トライアルを勝ってオークスへの出走権利を得ましたが、東京2400という条件において、アカンサスの強みはどこにあると思われますか?

畠:今までのレースを見ていると、折り合いは問題無さそうだと思います。デムーロ騎手が乗った中山の条件戦のときに、スローの最後方にいても掛からなかったので、東京コースに替わっても問題ないだろうと思っていたら、スイートピーでも上手に走ってくれましたからね。後藤騎手も「距離が延びても大丈夫だと思いますよ」と言ってくれたので、距離延長も対応してくれると思っています。ただ、どの馬も1800や2000ぐらいしか使っていませんし、誰が上手く立ち回れたかで、だいぶ結果は変わると思いますよ。どうしても血統から適性がある馬もいるでしょうし、能力だけでこなしてしまう馬もいるでしょうし、まだこの時期では分かりませんからね。

-:なるほど。でもそれだけどの馬にもチャンスがありそうだ、という見方も出来ますよね。

畠:そうですね。アカンサスも終いはなかなか良い伸びを見せる馬ですし、その脚を生かせるような展開になって欲しいですね。

-:レースを楽しみにしています。ありがとうございました。




【畠山 吉宏】 Yoshihiro Hatakeyama

1962年静岡県出身。
1999年に調教師免許を取得。
2000年に厩舎開業。
JRA通算成績は174勝(11/5/14現在)
初出走
00年 3月4日 2回中山3日 1R タヤスグレーシャー
初勝利
00年 3月5日 2回中山4日 9R マイネルトラスト


重賞勝利
・05年CBC賞(シンボリグラン号)
・04年共同通信杯(マイネルデュプレ号)


祖父がカネケヤキ、カネヒムロ、カネミノブ、カネミカサなどの名馬を輩出した青森牧場のオーナーという環境で、幼い頃から馬と親しむ。助手時代にヨーロッパ研修を経験。ヨーロッパの良さを参考にしながらトレセンの環境に適応する調教方法を模索、実践する。 11年オークスに、トライアル・スイートピーステークスを制したアカンサスを送り込む。