決して表舞台を歩んできたとはいえないが、昨年末のデビューから4戦3勝、うち2勝を戸崎騎手とのコンビで挙げたマッサビエル。重賞初挑戦となった前走は相手強化もあったとはいえ、2番人気の支持から見ても13着大敗という着順は、解せない結果といえるだろう。ここまで3戦続けて手綱をとり、栗東での追い切りにも臨んだ主戦は、大目標での反撃の可能性をどう見ているのか。レースを目前に控えた今、意気込みを語ってもらった。

前走は参考外 本領発揮となるか

-:いよいよ牡馬クラシックも最終戦。菊花賞(G1)が迫ってきましたね。タッグを組むマッサビエルは前走で13着と大敗してしまいましたが、今週は栗東トレセンで追い切りにも騎乗。巻き返しの糸口を掴まれたかと思います。まずは追い切りの印象から教えていただけますか。

圭太:時計はだいぶ出ていますよね(CWで80.7-12.5)。しかし、時計ほどの手応えといいますか、そこまでの感触がなかったのは事実です。

-:ということは、馬場も時計が出やすい状態だったのでしょうか。

圭太:そこまではわからないですが、「一番」の時間帯でしたからね。それもあるかもしれませんね。

-:菊花賞は特にその傾向が強いと思いますが、レース当週にそれだけ時計を出すことも珍しいですよね。

圭太:そうですね。しかし、先生からもしっかりやるよう言われていたので、求められた通りの内容ではあったんじゃないかと思います。それに、一度使った方が良いタイプでしょうからね。状態的には上向くのではないかと思います。

戸崎圭太

21日、栗東CWコースでタンタアレグリアと「呉越同舟」の最終追い切り


-:そして、枠順も発表されました。ジョッキーは普段ならば枠の並び、他馬との兼ね合いを気にされていますが、今回の枠順はいかがですか?

圭太:いえ、今回の並びは関係なかったですね。

-:えっ、そうですか?

圭太:というのも、ゲートでなかなか落ち着きがないですし、テンのダッシュが良いタイプではないですからね。それにこのメンバーなら、それだけガンガンいくタイプもいないでしょうからね。

-:となると、いずれにせよ後方からの競馬と腹をくくってはいるわけでしょうか。

圭太:まあ、そうですね。表現し辛いのですが、もともと精神面も繊細なタイプなので。

-:そんな中でマッサビエルが上位争い、勝ち負けを演じるために必要な条件、レース展開はどう見られていますか?

圭太:やっぱりハイペースでしょうか。そして、メンバーを見渡しても長い距離の適性は上位だと思いますので、そこを活かしたいですね。なおかつ内枠であれば理想でしたが、そこは仕方ないですからね。

戸崎圭太

3年連続の年間100勝達成!

-:わざわざ京都に乗りに行かれるわけですから、好勝負を期待しております。続いて、先週はアーバンキッドで100勝を達成されましたね。おめでとうございます。待望の節目の勝ち星となりました。

圭太:ありがとうございます。でも、常々言っていますが、ミスがまだまだ多いですから……。そこを良くして、一つ一つしっかり乗っていきたいですね。

-:その勝ち星をもたらしてくれたアーバンキッドの印象はどうでしたか?

圭太:初戦からセンスの高さをみせてくれましたね。スローでしたが、折り合いもしっかり付きました。

-:レースは追って追ってといいますか、反応の良さよりもジワっとくる脚ですね。

圭太:ええ、そうです。もしかしたら、もう少し距離があってもいいかもしれませんね。

-:ちなみに、折り合いにも不安はありませんでしたし、直線の反応を見ていると、テンションは心配なさそうなタイプですね。

圭太:2歳ですからね。それはわからないですよ。未知数なところは慎重に見極めていきたいですね。

戸崎圭太

記念のインタビューに答える戸崎騎手


-:アイルランドTのファントムライトは新潟記念につづいて3着でした。

圭太:前走も内容のある結果だったので、オープンならば、とは思っていました。ただ、スムーズさを欠いたのもありますが、現状は東京よりも中山だったり、力を要するようなコースがいいかもしれません。

-:確かにサッと動くよりはズブさも感じますね。

圭太:ええ、東京でも走れてはいますが、展開に左右される面は否めないでしょうね。

戸崎圭太

-:アデイインザライフは勝っていた条件ですが、もう少し伸び切れず3着でした。

圭太:う~ん、調教も走り方は良くなっていましたが、完調にはもう少しかな、と思っていた面が出てしまいました。

-:最後に府中牝馬ステークス(G2)レッドリヴェールは残念ながら大敗。スムーズさを欠いてしまいましたね。

圭太:そうですね……。せっかく久々乗せていただいたのに、スムーズに運べませんでした。手応えもまだあったのですが、小柄な馬だけに厳しい印象でした……。

-:東京の重賞では苦戦が続いてしまっていますが、次週のアルテミスS、天皇賞も期待しています!まずは菊花賞もご健闘を祈ります。

圭太:ありがとうございます。

※次回は10月30日(金)に更新予定です。