'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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怪我で迎える新年、40代… 2020年に懸ける思いを激白
2020/1/5(日)
謹賀新年。御存知の通り、昨年11月の落馬負傷により、戦線離脱中の戸崎圭太騎手ですが、当欄では年明けからもご本人の声を発信していただきます。今回は気になる復帰のタイミングや縁のある人馬が存在感を見せた東京大賞典の回顧など語ってもらいました。2020年も『週刊!戸崎圭太』をどうぞ宜しくお願いいたします。
-:まず、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします!怪我の状態で迎える2020年。年末にも目標、年明けの念頭を伺いましたが、改めて新年を迎えて、心境の変化などはありましたか?
圭太:明けましておめでとうございます。読者の皆さんも含め、こちらこそ今年もお願いいたします。まあ、去年に大きな怪我をして、年明けから騎乗できないことが地方競馬時代を含めて初めてのこと。今までとは違った気持ちで迎えていることには違いないですね。まずは無事に復帰できることが第一なのですが、変わらずに復帰できれば、一つ、一つのレースを大事に乗りたいということは考えています。ただ、まだその段階、スタートラインに立てていませんからね…。一日でも早い復帰を、そして、焦らずに取り組んでいくことですね。
-:重要な復帰時期ですが、実はここまで明言されていないんですよね…。年明けということを踏まえると、ファンの方もそろそろ心待ちにされているかと思います。
圭太:そうですね…。隠しているワケではないのですが、これまでの骨折とは違って、ハッキリしていないことは事実ですね。
-:昨年暮れには負傷箇所も拝見させていただきました。年末年始は医療機関もお休みでしょうから、大きな進展はないかと思いますが、その後の具合はどうですか。あまり変化はないのかと勝手に想像してしまいますが。
圭太:それが良くなってきましたね。レントゲンも撮っていないので分かりませんが、感覚的には骨がくっついてきたのかなと。今までは肘を固定していたこともあり、ずっと腕や手を使っていなかったですし、動かし方を忘れていたような感覚。手ってこういう筋肉が働いて動いている、という感覚がなかったんですよね。それが1週間の差ながら感じ取れるようになってきました。
▲今週は金杯
2018年にセダブリランテスで中山金杯を制している
-:それは前進ですね。
圭太:ただね、こうして良くなってくる過程を感じると、脳からの伝達があって、神経を辿って、人間が動けているのだと改めて感じますよ。今までならそれが感じられなかったですけどね…。復帰時期は未定と言いましたが、動かせるようになったら、スイッチが入るというか、良くなるのもかなり早くなるんじゃないかと思うんですよね。
-:ただでさえ、持ち前の生活習慣の良さもあるでしょうからね。年末年始ということで、一般的には里帰りだったり、お正月らしい日々になると思いますが、食生活はどうですか。
圭太:お酒を抜いているだけあって、流石に甘いものは欲しますね。それと、年末年始はリハビリにも行きようがないですし、年明けから競馬も控えているわけでもない。ここ最近はかなり慌ただしかったのですが、これだけ何も考えず、時間を過ごすことは久しぶり、経験がないなと思います。
-:大井時代には1500鞍以上の騎乗機会もあったわけですし、中央に入ってからも大きな怪我もなかったので。時にはそうした時間があっても、間違いなくバチは当たらないと思います。
圭太:ただ、やっぱりもどかしさはありますし、早く動きたい気持ちには変わりはないですね。
-:東京大賞典当日も縁のあるジョッキーや厩舎スタッフの方々に話を伺いましたが、皆さん戸崎さんのストイックさを改めて感じていたようです。
圭太:いやいや、もっと上には上がいるでしょうからね…。
-:そして、来週からはリハビリも再開されるということですね。これまでよりも療養期間は長いとのことですが、復帰する際は馬に騎乗することの感覚も取り戻さないといけないですね。
圭太:そうですね。今までとはまた違うので、今回はリハビリの過程で馬に乗ることに対しても何かしら対処していこうと思います。復帰当週から1日10何鞍なんてこともないでしょうし、ジックリですね。
今週の『ファンが選んだ・戸崎圭太騎手お気に入りの1枚』
この写真は2018年4月1日の大阪杯のパドックでのものです。サトノ陣営が見事に収まったこの写真は僕の自信作です。レース前の戸崎騎手の表情からも緊張感がジワジワと伝わってきます。戸崎騎手の競馬に対する真摯な姿に心を奪われずっと今まで応援してきました。本当に焦らずじっくりと怪我を治して、また素晴らしい騎乗でファンを沸かしてくれる日を待っています!
※一部トリミングさせていただきました
(「いっちー」さん)
-:年末年始は他のスポーツも盛んだったりしますが、チェックはされていたりしますか?
圭太:もともと箱根駅伝が大好きなので、今年も観ましたね。あとは高校サッカー。知人が出場しているということでチェックはしていました。テレビ中継がなくても、ネット中継があるようだったのでね。
-:かなり観られていますね。今年はオリンピックもありますが、そちらにも感心は…?
圭太:ありますよ。ただ、観に行くという予定はないですね。順調ならその頃には復帰もしているでしょうし、それどころじゃないでしょうからね(笑)。もちろんテレビ観戦などは間違いなくするはずですし、楽しみではありますけどね。
-:ちなみに、去年か一昨年あたりから「本を読むようになった」とおっしゃっていた記憶が。このリハビリ中にも読まれたりしていますか?
圭太:怪我の最中に読書にふけっているとなると、ちょっと暗い感じであまり言いたくないところですけど…(笑)、読んでいますね。最近では『サードドア』という本は紹介されて読んだのですが、面白い内容でしたよ。
-:五輪イヤーでもあり、ご自身的には40代を迎える一年でもありますが…。
圭太:あまり年齢の自覚がないんですけど、節目でもありますし、色々考える時期が持てたことは良かったのかな。そうプラスにとらえています。同じくその頃には、レースには乗っているでしょうし、40代に相応しい考えができているのか。レースではまだ焦ってばかりで未熟だと思うことは事実なので、歳相応でありたいですね。
-:恒例のレース回顧ですが、年末にはホープフルS(G1)と東京大賞典(G1)、年明けには川崎の報知オールスターカップ(S3)と行われています。
圭太:まず、ホープフルS はコントレイルが前哨戦でも強い勝ち方をしていて、どんな走りをするのかな、と思っていましたが、やっぱり完成度も高い馬だと思いました。今年の2歳(3歳)を観ていると、まだ成長してきそうな馬もいそうなので、様相がわかりかねる部分はありますが、来年が楽しみな馬ですね。東京大賞典はオメガパフュームの強さを感じるレースぶりでしたが、(真島)大輔のノンコノユメ、繁田(健一)のモジアナフレイバーと南関東勢にもチャンスはあると思っていたので応援しながら観ていましたね。レース展開一つで、今後もチャンスがありそうでしたが、惜しい結果でしたよね。
-:特に繁田さんのモジアナフレイバーは歳月を重ねるごとに、パフォーマンスを上げていますよね。
圭太:しかも、南関東の生え抜きですからね。ああいう馬がどんどん出てくると、もっと話題になるでしょうし、盛り上がるはずですよね。繁田とも話していると、常々色々と考えて馬を造ってきていますよね。もともとゲートが悪かった馬なのですが、そこを教え込んでやってきたようですし、あのタッグはこれからも楽しみです。川崎の方はリアルタイムで観られなかったですが、今野(忠成)さんもテン乗りの機会をモノにした結果でしたよね。
▲東京大賞典をモジアナフレイバーで3着だった繁田健一騎手
戸崎騎手とは同年代でもある
-:重賞以外で騎乗されてきた馬ではグランソヴァールが連勝していました。
圭太:グランソヴァールはあの接戦をモノにしたのは大きいですね。馬も前走は芝を使っている間に力をつけたような走りっぷりでしたし、上でもやれそうな感触はありました。
-:本といえば、12月18日発売の『白熱インタビュー集 人それぞれに“競馬”あり(出版社:KADOKAWA)』という本でもインタビューされていたそうですね。
圭太:はい、話をさせていただきました。
-:沢山のファンや関係者が復帰を待ちわびるところですが、また次週からも経過報告を含め、新年もよろしくお願いします。今週もありがとうございました!
圭太:ありがとうございます!
-:当欄とは別のコーナーですが、戸崎さんにも縁のある坂井英光調教師(元騎手)にも先日、お話を伺いました。戸崎さんについても話をしていただいております。近日公開しますので、読者の方々はこちらも是非ご注目いただければと思います。
※次回は1月10日(金)か11日(土)の予定です!
『週刊!戸崎圭太』では引き続きファンの皆さまにも色々と募集中です!
休養期間中でもコラムをチェックしていただいてくれている皆さまのために、今回もプレゼント付き。前回はクリアファイルセットでしたが、今度はTシャツとなります。お題は3つありまして、その中のどれかにご応募いただければOK。この機会をお見逃しなく!
(1)戸崎圭太騎手への質問
過去のレースのこと競馬にまつわる疑問、何でも問題ありません。ただし、これから行われるレースや馬についてはお答えできません。悪しからずご了承ください。
(2)戸崎圭太騎手のアナタのお気に入りの一枚
いつの写真でも問題ありません。皆さんが気に入っている写真があれば、コラム内で紹介させていただきます。ただし、1週間につき1枚まで。お名前、なぜその写真を選んだのか、という理由があればよりいいです。軽い容量・サイズ(横幅1000px以内)でお願いします。
(3)当コラムでやって欲しい企画など
こんな企画が見たい、こういう対談が読みたいなどあれば、ドシドシお寄せください。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「週刊!戸崎圭太プレゼント応募」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまで。応募者多数の場合は抽選に。当選者の発表は当選者の方へのメールでご連絡させていただきます。もちろん戸崎騎手への応援メッセージも引き続き募集中です。
keita_tosaki@keibalab.jp
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成し、NARとのダブル1000勝は史上4人目の快挙を挙げた。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。