'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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4月15日時点1479勝
再手術から2週間 東京開催開幕も復帰へ向けてリハビリの日々
2020/1/31(金)
患部のプレート固定のため、再入院・再手術から2週間。あくまでリハビリのためだが、現在も入院中という戸崎騎手。競馬界は東京開催が始まろうという最中だが、引き続き現在の容態、そして、レース回顧などを中心に語っていただいた。
-:再入院から再手術を終えられ、リハビリも継続されていると思います。まず、この1週間での変化や経過はどうでしょうか。
圭太:特に大きな変わりはないのが事実です。ただ、毎日リハビリをやっていて、可動域が少しずつ広がっていますね。
-:昨年末に肘の具合をみさせてもらいましたが、そこから手術ということになりました。となると、また可動域は狭くなって、振り出しに戻ってからのリハビリとなりますか。
圭太:僕もその辺りは気になっていましたが、そういうところはなく、むしろ良くなっていますね。再手術した箇所はもう抜糸も終わりました。抜糸って大体術後2週間くらいのイメージでしたが、何故か1週間くらいで良いとなったのでね。流石に負荷を掛けるような筋肉トレーニングは至っていませんが、徐々に良くなっています。やり過ぎも無理ですが、やればやっただけ良くなっている感覚ですね。今は病院側で器具も準備してくれているみたいです。肘に装着して、ネジによって肘が曲がったり、開いたりといった動きをつけられるようなんですけど。
-:ちょっと違いますが、野球マンガの世界みたいですね。
圭太:ハハハ、そういえばそうですね。
▲東京開催開幕週の重賞は根岸ステークス
2016年に勝利するなど3年連続で連対と相性のいいレースでもある
-:先週の競馬でいえば、重賞に出ていた中でよく乗っていた馬は見受けられませんでしたが、アメリカジョッキークラブカップ、東海ステークスとどんな印象だったでしょうか。
圭太:AJCCは4角で故障してしまった馬もいて、不利を受けた馬も少なからず見受けられましたね。ただ、ブラストワンピースはその中でも流石、能力の高さをみせたと思います。2着のステイフーリッシュはクリストフ(ルメール)がしてやったりという展開に持ち込んでいたと思いますけど、勝ち馬が強かったなと。馬場も荒れているけれども、ペースはスロー。内外、どちらを選ぶか難しい判断だったと思いますが、1、2着馬どちらも内を突いて、良いパフォーマンスだったと思います。
東海Sは先行争いがどうなるかが焦点だったんじゃないかと思いますが、結果的にはそう激しくならなかったですね。ただ、スマハマなんかは力を出し切れていないかもしれませんが、力のある馬が順当に上位を占める結果。能力を示したと思います。その中でも、インティはああいった競馬をみせたことで色々幅も出てきたのかもしれませんし、フェブラリーSへ向けて、いい内容だったんじゃないかと思います。
-:川崎記念はどうでしょう。チュウワウィザードが大外枠で競馬がしづらくなるのかなとは気になっていました。
圭太:そうかな。むしろあれだけ力があれば、逆に外枠の方が組み立てやすいかもしれませんね。僕も乗せていただいたことのある馬ですが、随分と安定してきましたし、力をつけてきていますよね。
-:勝ったジョッキーは西陽がキツかったこと、1頭になって最後は遊んでいるとも言っていましたね。確かに現場で観ても1コーナー側からの日差しが眩しかったです。大井なんかもそうでしょうが。
圭太:僕は大井の向こう正面の方が西陽は厳しいと思いますが、川崎もそういうところはありますよね。チュウワウィザードは僕も乗せていただいた時は気性的な面での成長の余地があると思っていましたし、結果を出せるようになったところはそういった変化もあるのかもしれません。
-:他のレースで馴染みのある存在でいえば、エクリリストワールですね。京都は結果を残せませんでしたが、今回は快勝でした。
圭太:上手い競馬をみせてくれましたね。以前は気性的に懸念するところがあって、前回のような競馬が続いてしまうと、嫌な感覚もありましたが…今回は最後までしっかり走っていましたし、上にいっても良さそうですね。
-:ちょっと間隔は空いてしまいましたが、京成杯では同じ美浦の吉田豊騎手が勝利。吉田騎手といえば怪我で相当な休養期間がありながら、久々の重賞勝利でした。刺激になるところもあったんじゃないでしょうか。
圭太:いやあ、嬉しいですよね。同じジョッキーとして。あれだけ長い間、休まれて、そこから戻ってきての勝利ですから。凄く励みになりました。
今週の『ファンが選んだ・戸崎圭太騎手お気に入りの1枚』
今まで競馬場・レースの姿しか戸崎騎手を見たことがありませんでした。
10月に船橋競馬場に来た際に撮らせていただいたものです。
こんなに近くで見ることができて感激しました。
昨年は戸崎騎手の騎乗に助けられました。今は戸崎ロスに陥っています。戸崎騎手が早く復活出来ることを心待ちにしております。
(渡辺圭さんより)
-:そして、最後に久々、読者からの質問も3点。まず、「休養期間中で食べるものも変わったりという話がありましたが、特に食べることが増えたものはありますか?」とのことです。
圭太:チョコレートですかね。ただ、それだけじゃないですけど、やっぱり甘いものは増えましたね。
-:続いて、「怪我はいつでもしなくていいものですが…冬の怪我だったことで大変だったことはありますか」という質問です。
圭太:なにかあるかなあ?やっぱりしなくていいにこしたことはないですね。ただ、夏だとギブスする場合なんかは厳しいですよね。
-:最後に「冬場の競馬で気をつけることはありますか?」という質問です。
圭太:やっぱり体を冷やさないことですね。ネックウォーマーとカイロを肩甲骨あたりにつけていました。
-:カイロはあえて肩甲骨ですか?
圭太:首周りを温めた方がいいでしょうからね。やっぱりレースに行くまでに体が冷えやすいですから。南関東なんかも特にどの競馬場が寒いということはないですけど、今の船橋は寒い中のナイターで大変だと思いますけど。
-:馬場についてはどうでしょう。
圭太:やっぱり不凍液が入るので。入ったタイミングとか雨で流れたりとか色々ありますけど、入ることで粘り気を増しますし、翌週以降にも影響しますからね。
-:サンライズノヴァの時の根岸ステークスも凍結防止剤の入った馬場でしたよね。今週は以上となります。先週の話題でいえば、3月の復帰は厳しいと明言されておりました。やっぱり春の東京開催というと、関東圏では一番盛り上がるシーズンですし、次の東京は姿をみられるよう期待しております。
圭太:ありがとうございます。
-:次週もよろしくお願いします!
※次回は2月7日(金)か2月8日(土)に更新予定です!
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keita_tosaki@keibalab.jp
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成し、NARとのダブル1000勝は史上4人目の快挙を挙げた。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。