'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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日常生活にも進歩 ダノンキングリー&浜中俊騎手の重賞制覇をどう見た?
2020/3/6(金)
無観客競馬、縁のある調教師の引退、お手馬の勝利、ジョッキーの復帰星…。良かれ悪しかれ話題に富んだ先週の開幕週。戸崎騎手にとっても縁のある人馬の動向も目立ったが、映像越しにどう映ったのか。毎週恒例、リハビリの進捗状況も含め、語ってもらった。
-:先週分は実際に患部の状態なども見させていただいた上でのお話でしたが、そこから1週間の状況から教えていただけますか。
圭太:いつも通りのコメントにはなってしまいますが、順調ではあります。ただ、車の運転もできるようになりましたし、肘の可動域についても徐々に良くなっています。日常でも、トレーニングでも、できることが増えてきた感覚がありますね。自分の肘、身体のことではあるのですが、自分の肘になってきたようにも思えますし、色々と挑戦できていますね。
-:運転もできたというのはこれまた大きな進展ですね!明るい話題だと思います。
圭太:やっぱり運転することって周りに色々と気を遣うじゃないですか。すごく新鮮でしたね。ああ、こんな感覚だったんだなと。新たな発見でもありましたね。
-:運転というと、もちろん周りに気を払いながら、ということも重要ですが、肘の動きも一辺倒ではないですよね。右腕は重量への対応も出来るようになってきましたか?
▲今週はオーシャンS 戸崎騎手も過去に2勝しているレースですね!
圭太:まだゴムチューブを使ったり、1キロ程度の重さですね。ただ、肘以外では今までよりもトレーニングにかけられる時間が増えているので、強くなってきているイメージ…いや、復帰した時にはだいぶ強くなるんじゃないかな。トレーナーとも「戻る時にはより強くして戻れれば」とは言っているので。
-:ジョッキーによって体格は様々ですし、自分の意見としては、あまりゴツゴツした身体つきもジョッキーとしては一概に良いとは言えないと思います。それは内側の強さですよね。
圭太:そうですね。重さではなくて、インナーマッスルというか体幹などが鍛えられればといつもやっているので。
-:そして、先週はまた新たに負傷してしまったジョッキーがいたようですが、ケガからの復帰という点では、三浦皇成騎手が今週から復帰。浜中俊騎手が日曜の阪神で3勝。阪急杯も制して、復帰ウィークを飾りましたね。浜中騎手は近い時期に落馬負傷したり、去年の日本ダービーでもワンツーなど。年齢や所属などの差は違いますが、少なからず共通する部分もあったと思います。
圭太:いや~~~すごいことですよね!いつも競馬センスがあるし、何というかスポーツ万能そうなイメージのジョッキーなんです。僕なんかは何度も反復してこなせるようなことを一発でやれてしまうような。成績上位のジョッキーが皆、スポーツ万能タイプかといえば、決してそうではないでしょうけど、浜中にはそんなイメージがあるんです。勝ったことは僕も嬉しいし、一緒に乗りたい思いもあります。
-:そして、先週の競馬といえば、中山記念(G2)。ダノンキングリーが勝利しましたね。
圭太:おめでとうございます!という思いです。良かったですし、素直に嬉しいですね。
-:前回の休み明け(毎日王冠)では出遅れもありましたが、ゲートや道中の走りなどはどう感じましたか。
圭太:レースぶり自体は伸び伸び走っていたのかと思いますし、改めて強さを感じましたね。ゲートは中で落ち着いていましたし、そこはノリさん(横山典弘騎手)ならではの持って行き方もあったと思いますが、スムーズでしたよね。道中は自分でも何度も乗せていただいた馬なので、イメージをしながら観られましたね。
-:穿った見方ですが、今回は騎乗依頼もあったわけです。口ぶりは声が弾んで聞こえますが、自分が乗れなかったもどかしさ、悔しさだったり、そんな思いはないですか?
圭太:いやあ、ないですね。もし、他の馬に乗っていたらそう思うかもしれませんが、何せ乗れないので…(苦笑)。機会がまだあるならば、また乗せてもらった時に自分で勝てばいい。それだけですからね。
-:力強い言葉ですが、ダノンキングリーの次走も話題になる頃…。早くも3月にもなりましたね。
圭太:一応以前にも言ったとおり、あと2か月くらいでの復帰をメドにしていますからね。
-:先週の競馬では、山内研二調教師や作田誠二調教師の方々が最後を飾られましたね。
圭太:僕も最後の出走に乗せていただきたかったなあと思いますね。お二人とも最後のレースを勝たれるという辺りもドラマチックだなと思いました。
-:そして、先週から今週と無観客での開催。あくまで客観的に目にする限りでしょうが、どう感じられましたか。
圭太:やっぱりファンあっての競馬ですから、テレビ越しではありますが、寂しく感じますね。早く戻ってもらいたいと思いますね。ただ、競馬界はネット投票などもあり、無観客でもやれることはありがたいことだと思います。他の企業や業種によっては、開催中止や延期なども相次いでいるようですから、まだ競馬界は恵まれているのかな…と。先が見えない怖さはありますが、社会全体の不安が早く払拭されてほしいです。
-:一方、海外ではサウジアラビアで日本人ジョッキー、日本馬の活躍が目立ちましたね。
圭太:ユタカさん(武豊騎手)はどこへ行っても結果を出されるのは流石だなと思います。あと、気になったのは制裁。あんな金額ってあるんだな…と。あれは驚きましたね。
(※)サウジCで2着のミッドナイトビズーに騎乗したマイク・スミス騎手がムチの過剰使用で獲得賞金のうち60%となる約2000万円超を罰金として没収された
-:その他の話題でいえば、南関東での交流重賞・エンプレス杯はまだチェックされていないとのことですね。
圭太:トレーニング中でした。結果を知らずにレースを観たいので、まだ言わないでください(笑)。
-:アンデスクイーン、パッシングスルーなども出走していましたので、そちらは次週にお願いします。同じ南関東でいえば、現役国内最年長ジョッキーである森下博騎手が今開催で最後の騎乗となりますね。
圭太:こんなタイミングで無観客の開催になってしまったことが残念ですが…南関東時代、ずっと一緒に乗せていただいて、そのスタイルは焼き付いています。とにかく騎乗姿勢が綺麗で、レースも綺麗に乗ってこられる方でした。ここ最近こそ、昔とは違いますが、鐙も短かったんですよね。全盛期の騎乗姿勢は印象的でしたね。ケガにも悩まされながらも、その都度復帰してきて、そんな姿勢も勉強になりましたし、気さくな先輩でしたね。まあ、南関東自体、気さくじゃないことがないというか、喋りづらい人がいないんですけど(笑)。そこは南関東の良さではありますかね。
-:6日の騎乗が最後になるようですね。さて、明確な復帰時期こそ明言はされていませんが、だいたい後2か月ほどでの復帰となるわけです。手応えの程はどうでしょうか。
圭太:いい感覚では来ていますね。身体の方はどうにかなりそうなので、あとは馬に乗った感覚がどうなるか、でしょうね。握力や肘や手の感覚がクリアできればと思います。
-:肘以外の仕上がりはもう大丈夫なわけですよね。
圭太:右腕以外なら、もう調整さえすれば乗れるレベルですね。
-:こうして耳にしている以上のご本人の苦労だと思いますが、気候も暖かくなりつつあるので、身体も動かしやすくなりますね。毎週のことではありますが、復帰を待っています。
圭太:ありがとうございます。
※次回は3月13日(金)か14日(土)に更新予定です!
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keita_tosaki@keibalab.jp
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成し、NARとのダブル1000勝は史上4人目の快挙を挙げた。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。