新型コロナウイルス感染拡大の余波でドバイワールドカップが中止。他海外競馬にも大きな影響を及ぼしているが、予定通りであればドバイWCのテレビ中継にゲスト出演する予定だった戸崎騎手。番組内容は変更された上で引き続き出演とのことで、負傷後、初めての公の場に姿を現すことになる。また、復帰へ向けても更に前進。世間は暗いニュースが続く最中だが、今号の内容は戸崎圭太ファンにとっては嬉しい知らせが多いと言えそうだ。

僚友にも大きな影響 ドバイワールドカップが中止に

——今週もよろしくお願いします。暗い話題からになってしまいますが、世間のみならず、競馬界もコロナウイルスの問題が大いに影響してしまっていますね。先日はドバイワールドカップが中止というショッキングな決定がありました。

残念ということに尽きますね…。こういう状況だから仕方ない判断なのかと思いますが、日本馬については輸送も済ませてしまっているわけですからね。少なからず馬の負担はあると思いますし、今後が心配ですよね。厩舎や関係者としては、その後のケアが非常に重要になりそうですが、なんとか立て直してほしいと思います。

戸崎

▲今週行われる毎日杯
戸崎騎手は2016年、スマートオーディンに騎乗して勝利している

また、クリストフ(ルメール)なども2週間は隔離ということで、なかなか想像し得なかったことが次々に起こっていますよね。自分は今、現場にいる身ではありませんが、一つ一つの出来事に対応していくしかないですよね。

——もともと今週は、土曜深夜に行われるドバイワールドカップの中継番組(フジテレビ)に出演される予定でした。ドバイWCそのものは中止になってしまいましたが、代替内容での番組には出演されるそうですね。

その予定となりました。正直、ドバイでの日本の人馬をスタジオから観たかった思いはありますが…。

——ドバイといえば、大井のモジアナフレイバー(牡5、小林・福永敏厩舎)は同級生の(浦和の)繁田健一騎手が騎乗予定でしたね。もちろんやり取りはされていましたか?

はい、していました。ドバイに着く前もそうですし、「現地に着いたよ」とか、中止になってからの連絡もしたりはしていました。中央と同じように日本でも2週間は隔離する方向のようで、またレースに乗るのは時間が掛かると思いますが、やっぱり地方競馬から海外へチャレンジできることは簡単にはないと思いますし、チャンスのある馬だと思っていたので、レースに挑めなかったことが残念ですよね。

——ウイルスの問題はなかなか解決する兆候が見受けられないですよね。それが怖いですが、競馬界はまだ無観客とはいえ、開催できているのが救いでしょうか。

ジョッキーもとにかく一人一人が自覚をもって、取り組むしかないですよね。都内も週末は自粛要請がありましたし、これ以上、広がらないことを祈るばかりです。経験のない状況ですが、一つ一つ受け止めて、きちんと体調管理をしていきたいです。

——同じくスポーツ選手では、日本のプロ野球選手にもウイルスの感染というニュースがありましたよね。

大事に至らないといいですね。芸能界でも僕も大好きな志村けんさんが罹ったそうですからね。元気になってほしいです。自分もレースに乗ってはいませんから、言えた立場じゃないかもしれませんが、競馬界は開催できているだけ幸せだと思います。

リハビリにも進歩 馴染みのある乗馬クラブで馬上の感覚を確認!

——そして、この1週間の動向、リハビリの進捗状況としてはどうでしょうか。

鍼治療やマッサージ、リハビリを受ける際の箇所が具体的になってきましたね。今までは腕の全体といった具合で、血行の悪さやらコリの硬さなど全体的にとらなかったといけなかったのですが、それが狭まってきましたね。はっきりと部位に集中するようになりました。

——かねてから5月頃という話でしたが、また復帰へ向けて前進ですね。

もう乗馬も始めてはいるんですよ。最初に攻め馬だと流石に危なさそうだったので、僕が騎手になると決めた時に通っていた乗馬クラブにお願いしたところ、快く乗せていただいたので。

——レースではないとはいえ、久しぶりの馬上。ある意味、職場復帰ですね。感慨深さはありましたか。

まず、トレーニングをしている分、下半身のハマりが凄く良かったですね。これまで怪我での最長の休養は3ヶ月だったのですが、当時は何もせずに乗ったので、馬の上でフワフワするような感覚で怖かったくらい。今回はドッシリ乗れました。ただ、ハミの感覚がなくて、どうやって乗っていたかなという感覚にはなりましたね。でも、2日目にはすぐに戻りましたよ。

やっぱりずっと馬の上にいられなかったですし、ありがたさを改めて感じました。一時はもう戻ることはできないんじゃないかと思うこともありましたからね。馬に跨る幸せを感じつつ、ペースアップできればと思います。

——先週の競馬では、気になるところはありましたか?

藤井(勘一郎)君が重賞初勝利したのは良かったですよね。JRAの移籍前も免許の試験などで色々アドバイスを求められたりしましたし、初タイトルですからね。あとは新人ジョッキーたちも順当に勝っていることは凄いなと。しかし、阪神大賞典のキセキは思いも寄らないレースぶりでしたね。

——やはりルーラーシップ産駒の難しさでしょうか。

う~ん、どこかリミッターを超えてしまう傾向があるのかもしれません。香港競馬でもパキスタンスターという馬が走ることを拒否してしまったりということもありましたよね?競馬の難しさを感じました。

——ありましたね。しかも、復調して再び走ったりすることもあったと思います。そして、今週の浦和競馬では桜花賞でアクアリーブルが勝利。母のアスカリーブルには同じ浦和の重賞で乗られていましたよね。

勝たせていただきましたね。その後は今野(忠成)さんが乗っていた馬ですが、強い馬でしたよ。しかし、今回も佐藤賢二先生はここぞの仕上げが流石だなと改めて感じさせられました。

——ちなみに、この3月は大手クラブの規定で現役を引退する馬もいますね。実質、引退はもっと早く発表されていましたが、アモーレミオが競走馬登録を抹消。ここまで頻繁にコンビを組んできましたね。

正直難しい馬でした(笑)。でも、着実にクラスを上がっていってくれましたし、思っている、想像している以上に走ってくれることもありました。なかなか乗り難しく、上手くいかないこともありましたが、よくここまで頑張ってくれたと思います。

▲全9戦中8戦で手綱をとったアモーレミオ

——今週はこんなところで…となりますが、話題を戻らせていただくと、あくまでこれは私感ですが、競馬界どころか、世間的にウイルスの余波が治まる兆しが見えないところ。復帰される時にも無観客開催が続いているかもしれないですね…。

そうですね。なんとかお客さんがいるところで戻りたかったですが…。

——まあ、こんなことを書くと怒られそうですが、競馬場の外からでも声は届きそうなものですが(笑)。まずは、これを読んでくれている方は週末のテレビで久々の姿に注目ですね。今週のテレビ出演は地域によって、放送されない場合もあるかと思いますが、そこはご容赦ください。今週もありがとうございました!

ありがとうございました!

※次回は4月3日(金)か4日(土)に更新予定です!

戸崎

休養期間中でも『週刊!戸崎圭太』をチェックしていただいてくれている皆さまへ、引き続き戸崎騎手への応援メッセージを募集します!メールをいただいた方の中から、メールをいただいた方の中から今回は抽選で1名様に、戸崎圭太騎手1000勝達成記念Tシャツをプレゼントいたします。

メールはスタッフがチェックさせていただきますが、メッセージが沢山集まった場合は、後日ご本人へお渡しします。引き続き質問も募集中です。これまでも数多くの質問もいただいておりますが、担当者的には、この際にバックナンバーもご覧いただいた上で質問をいただけると幸いです。

すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「週刊!戸崎圭太」、本文にお名前(ペンネーム)・応援メッセージまたは競馬ラボへのご意見ご感想を記載の上、以下のアドレスまで。応募者多数の場合は抽選になります。当選者の発表は当選者の方へのメールでご連絡させていただきます。

keita_tosaki@keibalab.jp